室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」第8回ゲスト 辻元清美(前編)

室井佑月が立憲民主党・辻元清美に迫る!「もっとリベラル色を出して」「枝野さんは信用できるの」

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立憲民主党・辻元清美衆院議員と作家・室井佑月の熱血対談


 先の解散総選挙では安倍自民党が大勝利。安倍政権は完全に息を吹き返し、改憲勢力が大多数を占め、政治状況は悪化の一途をたどっているが、そんななか、唯一の救いが立憲民主党の躍進だ。

 リベラル勢力の要として、安倍政治の暴走に歯止めをかけてほしい。今回の室井佑月の連載対談「アベを倒したい!」は、そんな期待の声が集まっている立憲民主党の国対委員長で、“安倍首相を怒らせる天才”(byムロイ)辻元清美氏をゲストに招くことにした。

 実は、ムロイは辻元氏の“追っかけ”で毎日のようにその動向をチェックしているほど。しかし、期待の大きさゆえか、今回の対談では辻元氏への注文やダメ出しも連発。さらに、民進党時代、期待しては裏切られるという繰り返しですっかり疑い深くなったムロイが「枝野代表は本当に信じられるの?」と、迫る一幕もあった。

 いったい、辻元氏はムロイのこの熱い思いにどう応えるのか。安倍首相に絶対媚びない2人の女の熱血対談、前後編の2回に分けてお届けしたい。
(編集部)

********************

●辻元「私が席に立つだけで総理はスイッチが入って別モードに」

室井 おひさしぶりです! この前の衆院選で突然、希望の党ができて小池百合子代表の“リベラル排除”もあって、すごく心配していたんです。でも立憲民主党ができて、見事当選。それと国会対策委員長就任もおめでとうございます。

辻元 ありがとうございます。国対委員長の仕事は見えない地味な仕事ですけど、議会の運営全ての責任を負うとても重要な仕事です。だから、今は極力、ニュース番組以外のテレビ出演やインタビューや取材を断っているのですけど、今回は室井さんだから受けました。お会いしたかったから。

室井 光栄です。わたしも、オタクのように辻元さんの演説とか活動をずっとウォッチしていて(笑)。今回の選挙もYouTubeとかで探してずっと見ていました。

辻元 私を検索すると加工したデマ動画がたくさん出てくるでしょう?(笑)。

室井 あんなのフェイクだってわかってますから。そんなのにだまされないためにもぜひ、辻元さんとお話しをしたかったんです。この対談のテーマは「安倍政権」。辻元さんも言いたいことがたくさんあるでしょう? 

辻元 そう面と向かって言われても(笑)。

室井 でも安倍さんって、辻元さんが国会で質問に立つと絶対に嫌な態度を取りますよね。

辻元 よっぽど嫌われているんですよね。

室井 嫌いかもしれないけど、それ以上に怖いんだと思う。だから辻元さんの存在ってすごく大切だと思って見ています。安倍さんのキレたときの異常さが強調されるから。安倍さんを怒らす天才(笑)。

辻元 わたしは普通に質問しているのに、私が席に立つだけで、総理のスイッチはいつも別モードに入ってしまうみたいですよね(苦笑)。でも同時に私の感じ悪い一瞬だけメディアで抜かれることも多くて。その一瞬見たらそりゃ嫌な女だな、という印象になってもしょうがないよね、と自分で思うところもあって反省しています。
 でも、15年の安保法制の時、室井さん「週刊朝日」(朝日新聞出版 2015年7月3日号)で書いてくれたことがあったでしょう? 5月28日の安保関連法案の質疑で、わたしが「人(自衛隊)の生死とか戦争に関わる話ですよ?」と質問したら、安倍さんが「早く質問しろよ!」「大げさなんだよ」とヤジったときのエピソード。ネットのなかで私のことが散々に言われていたときだったから、ちゃんと書いて下さって嬉しかったです。

室井 辻元オタクですから(笑)。でも安倍さんって、自分が贔屓をしている、自分の庇護下にあるような稲田朋美さんみたいな女性にはめちゃめちゃ優しいけど、賢くて自分に反する意見を言う女の人が好きじゃないですよ。そんな態度を見れば、女性をすごくバカにしていることも手に取るようにわかる。そんな安倍さんの本質を引き出すのが天才的なんです、辻元さんは。

室井「枝野さんのこと信用できるの」「リベラル、左翼色を全面に出して」

室井 そんな辻元さんに、今日はいくつか質問があるんです。まず、立憲民主党について。わたしとしては、昔の自民党のハト派と言われている人たちに近い気がするんですが、でも辻元さんにはもっとリべラル色、左翼色を全面に出して欲しい。

辻元 たしかに立憲民主党は昔の自民党宏池会に近いという認識はあります。わたし自身も「左翼のうるさい姉ちゃん」と思われているけど、決してそうではなくて。社民党時代に自社さ連立政権で自民党とも政権を共にしたし、実は、“左”なつもりはないんですよ。だけど、ステレオタイプで判断されてイメージを作られるところがあるんです。

室井 なに言ってるんですか! “左”で何が悪い! “左”はかっこいい! リベラルは素敵! って存在の筆頭になってくれなければ困ります。以前、共産党の小池晃さんが「この赤が!」と言われたとき「赤ですけど何か?」と堂々と切り返していました。辻元さんは、その女性版になってほしい。はっきり言って、男性は正直、“偉くなりたい願望”がすごく強くて、変節するじゃないですか。だから女性のリーダーが必要だと思うんです。

辻元 仕事はしたい、世の中を良くしたいとは思いますけど。私は偉くなりたい願望は正直なところないですね。

室井 じゃ、単刀直入に聞いていいですか? 代表の枝野幸男さんってリーダーとして信用できるんですか?

辻元 信用できますよ。

室井 でも、枝野さんは、50〜60人くらいをまとめる代表ならちょうどいいけど、総理大臣となるかなと思うとちょっとピンとこないです。辻元さんならありえると思う。

辻元 わたしは枝野さんを信頼しています。私たちが、今、しなくてはならないことは、立憲民主党をどうしていくのかそのことを深く考えること。「こことくっついたらいいのでは」といった人工的な人数合わせではなく、人々の想いに寄り添う形で物事を進めないと、結局信用してもらえない。そのためにやるべきことを一生懸命にやる時期だと思っているんです。

室井 立憲は今後山本太郎さんや小池晃さんなどと協力して、もっと寛容にいろいろな人を入れる方向にいってほしい。でも今の枝野さんの話を聞いていると、閉じこもったまま現状を守ろうとしている意識が見えてしまって。そうすると、党が大きくならないのでは? わたしは立憲民主を応援しているけど、このままでは勝てないだろうと思ってしまう。

辻元 今外から見たら、何ゆっくりしてるんだ、に見えるかもしれないですが、大きくなるためには、基礎になる組織づくりもしなきゃいけない時なのです。今回の立憲民主の盛り上がりが一時的なブームやバブルで終わらないように。枝野さんも、そういったことで頭がいっぱいなんだと思うのです。

室井 では、もうひとつ、民進党の解体、立憲、希望の設立に関して聞きたいことがあったんです。この前の「週刊朝日」(11月17日号)に、“小池百合子と前原誠司前民進党代表コンビによる民進党解体の背景にアメリカ政府の意思が強く働いていた”という極秘文書がすっぱ抜かれてました。民主党解体はアメリカの意図だと。これは本当なんですか?

辻元 う〜ん。私は、ね。誰かの意向を受けて直接「やれ」と言われたわけではないと思う。政治って、思いが重なると急激に動いてしまうという面があるから。そういう流れの中で出てきたのが希望の党で、“ひょうたんから駒”のように立憲民主党も誕生した。わたしは立憲民主は“国民に呼ばれた”政党だと思っているんです。「こういう政党があったらいいのに」という多くの国民の思いに背中を押されて、時代に呼ばれて生まれた政党だと。だから、自民党が1800万票だったところ、立憲は結成から本当に短い期間で1100万票を獲得できた。それがバブルでは困るから、実態がきちんと伴った党にしなくちゃな、と。

室井 わたしも民主党は解体すればいいと思っていたし、リベラルが結集する党ができればいいと思っていました。毎回鼻をつまみながら民進党に投票することもあったけど、立憲民主党が出来たことで、本当に喜んで投票した。民進党はガタガタだったじゃないですか。

辻元 先日、タクシーに乗っていたときの話なんですけど、運転手さんがわたしのことに気づいて「立憲民主を作ってくれてありがとう」と言ってくれたの。本当にそれは嬉しかったです。

室井 そう思っている人はたくさんいますよ。

辻元「加計問題のとき、自民党の人も安倍首相の答弁を『信じてない』と」

辻元 あと、今回の躍進は面白くてね、例えばネットでもゆるキャラの「民主くん」に、リッケンバッカー製のギターを持たせて「立憲民主くん」と名づけてアップした人がいて。そういうのはすごく面白いと思いました。勝手に作られて、勝手に広がっていく。総選挙の街頭演説のとき、枝野さんは車に乗らず台に乗って演説していたら、「#枝野のお立ち台」いうハッシュタグで、「今日は大阪ではビール箱」とかアップして応援してくれた人もいた。愛されている証拠だなと思うのと同時に、個々の人々の政治へ参加したいって意識の強さも出てると思いました。

室井 でも一方で、希望の党にいった民進党の人たちって、中山成彬・中山恭子という極右夫妻まで出馬すると分かっていたのに、よく行きましたよね。敵を倒すためには巨大なグループにならなければならないという希望の党の言い分は理解できなくもなかったけど、でもそのあとでいろいろな条件がちょこちょこ出てきて。排除の方針も明確になって。それなのに希望の党に行く人がわたしは理解できなかった。

辻元 私は、9月30日に「(希望の党に)行きません」と宣言しました。でもね。希望に行った方々の中でもそれぞれの事情や引き返せない状態に置かれていた人も多かったですよ。一旦は、「全員で行こう」っていう前原さんに交渉を託したわけですから。それは汲んであげないといけないという気が私はします。その間、本当にめまぐるしかったですから。

室井 でも世の中の人はちゃんと見てますよ。そこの判断間違えちゃいけんだろって。あと、話は安倍政権に戻りますが、平気で嘘をついてるのに自民党の中でもだんまり。だからやっぱりあの人をこのまま総理大臣にしておけない。これまでも、「自分は立法府の長だ」と言ったり、自衛隊のことを「我が軍」と言ったり。

辻元 加計学園で加計孝太郎さんが「今治市に獣医学部を作りたい」とずっと政府に働きかけをしていたのに、安倍さんは「今年の1月20日まで知らなかった」と言っているでしょう。加計さんは安倍さんの周りの国家戦略特区を担当していた山本幸三大臣に会いに行ったり、萩生田光一官房副長官や内閣参与も動きまわっていた。安倍さんも加計さんとゴルフ、食事を14回もして、その話をしてないというほうが不自然だと思う。 
 実は、私は自民党の人に「1月20日まで知らなかったという安倍首相の発言をあなた信じているの?」と聞いたら、「信じていない」と言ってました(笑)。「それなら党内で追及してよ」と突っ込んだんですけどね。でも言えない。「国会で与党の質問時間を増やせ」と言うなら、「1月20日は嘘じゃないか」という質問を自民党ができるのかということなんです。そんな質問をできもしない。だから野党の質問時間は大事なんです。

室井 これまで与党2:野党8だった質問時間を、与党5:野党5で見直すという話ですね。あれにはびっくりした!

辻元 政府与党は「若手議員は質問ができないから可哀相」とか「多数を取ったのだから、国民は新人たちの意見も聞きたいに違いない」なんていう主張をしているけど笑止千万でしょ。「多数を取った若手議員」の意見と言うけど、与党が出す法案は“与党が事前に承認”したもの。それに対し野党がしっかりとチェックするというのが国会であり立法府の役割なはず。それなのに野党の質問時間を削減するなんて、まさに国会の否定でしょう。

室井 そんなに新人に発言させたいなら、国会の前の委員会で喋らせればいいじゃないですかね。「国民にわかりやすくするために」なんて言ってますけど、安倍政権って後ろに国民がいることを本当にわかっていない。

辻元 そもそも今の野党8:与党2の時間配分を変えたいと自民が言うのはおかしな話なんですよ。なぜなら、民主党が与党だったときに、当時野党だった自民党の町村信孝さんらが「野党の質問時間が短くては、健全な議論にならない」と強く主張されて、現在の時間配分が決まった経緯があるからです。野党に質問されれば、回答時間があるわけです。問題がないのであれば疑惑をはらす良い機会になるはずではないですか。実は、自民党の竹下登・元総理もこうおっしゃっているんです。
「法律案作成に至りましても、あるいは予算編成に至りましても、政府・与党一体の責任で政調会の各部会等で十分事故の意見を吐き、質疑応答をしていらっしゃるということからして、(与党の質疑時間については)割愛と申しますか、可能な限り少数意見に耳を傾けると申しますか、野党の皆さん方に時間を差し上げるというのが私どもが教わって今日まで守っておるところでございます」(1988年4月5日、参議院予算委員会)
 まっとうなご見識だと思います。

室井 与党議員が時間をもらっても、般若心経を唱えちゃったりしますしね。

室井「共産党と連携を」辻元「強くなりたいなら、柔らかくなる」

室井 しかも、安倍政権と自民党が怖いのは自分たちに逆らう人に対して「愛国心がない」という雰囲気を作り出し、切り捨てる姿勢です。本当におっかないです。そんな政府与党だからこそ、野党はもっと連携して頑張ってほしい。連携のポイントは原発と安保の2つだけでいいと思うんです。それ以上踏み込むと、「共産党を入れるな」とかまたいろいろと出てきてわかりづらくなりますから。わたし個人としては共産党とも連携してほしい。でもなぜ今でも共産党にアレルギーのある人が多いんだろう。

辻元 世代によってイメージは違うように思います。

室井 自衛隊や天皇陛下については、考え方が全然違うじゃないですか。次の選挙でまとまるならとりあえず安保と原発のことだけでいい。だから仲が良いところを見たいと思っちゃいます。市民のために連携している姿を見たい。しかも共産党はすごいですよね。新聞もあるし、シュレッダーゴミを拾ってきて貼り付ける人たちがいるんですから。だから資料が膨大なんです。だから党は違っても仲良くやってほしいです。安保法制のときには野党がいっしょにたたかいましたよね。

辻元 安保法制のときや、参議院選挙のときなど、市民からの呼びかけで野党は連携したんです。さまざまな地域事情があったけれど、市民の力で乗り越えた。

室井 自民党には公明党がいるじゃないですか。雨が降っても風が吹いても何があってもある程度票が入る。なぜそれを見習わないんだろうと思ってしまいます。組織力としては公明党の次は共産党だと思う。両者は、選挙のときにすごい動員力がある。でも、男性って簡単に連携できないし頭を下げられない。ガチガチに固まっていて、少しでも意見が違っていたり、今まで自分の敵だったり、歯向かったことのある人は「ずっと許さない」と思ってるんだろうな。それに自分より上にきそうな人は「邪魔をしておこう」とか。

辻元 「強くなりたいなら、柔らかくなる」が大事なんですよね。

室井 「今、これだけで繋がる」でもいいじゃないかと。

辻元 そうですね。

室井 あと、女性議員が少ないのはなぜだと思います?

辻元 そもそも、立候補する際にハンデが多いからかな。子どもがいると子育てや家庭と両立させるのが難しい、パートナーの協力が得られない、と。それは普通の仕事と一緒だけど。

室井 あと、女性は男性より批判されがちですよね。

辻元 されますね。餌食のようにバッシングされる。

室井 わたしもすごいですよ。ちょっと安倍さんに逆らうような発言をすると、「室井は日本人ではない」といったヘイトな悪口や、「あいつは売国奴」なんて言われるんです。わたしは意外と日本じたいは好きなんです。嫌いなのはその日本を、平和を、立憲主義を壊そうとする安倍。ヘイトを容認して、ネトウヨと一体となってる安倍さんが嫌いなんです。

辻元 強硬な態度は振り子にたとえられると思うの。振り幅が同じだと共振してどんどん振り幅が大きくなるじゃない? トランプ政権の出現はヘイトと共鳴して、どんどん振り幅が大きく激しくなっているのではないかと思う。今、わたしたちが新しいヘイトに立ち向かいいろいろなことをやっているけど、最前線に立つ人はバッシングされる。でも、達観しながら闘っていかないと、って思っています。

後編につづく)

辻元清美 立憲民主党衆議院議員、国対委員長。1960年生まれ。早稲田大学教育学部卒業。1996年 衆議院選挙にて初当選。2009年 国土交通副大臣(運輸・交通・観光・危機管理担当)、2011年 災害ボランティア担当の内閣総理大臣補佐官を歴任。民進党幹事長代行、衆議院憲法審査会委員、内閣委員、立憲フォーラム幹事長、NPO議員連盟共同代表、児童擁護議員連盟会長など。

室井佑月 作家、1970年生まれ。レースクイーン、銀座クラブホステスなどを経て1997年作家デビューし、その後テレビコメンテーターとしても活躍。現在『ひるおび!』『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS)、『あさイチ』(NHK)などに出演中。「週刊朝日」「女性自身」「琉球新報」などにコラム連載を持つ。

最終更新:2017.12.18 11:37

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