セカオワSaoriがFukaseとの関係をモチーフに小説を出版! 壮絶な依存的恋愛関係、刃物沙汰も実話か?

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SEKAI NO OWARIのSaoriの小説『ふたご』(文藝春秋)

 今年は、小沢健二や、元ジョナス・ブラザーズのジョー・ジョナスが所属するバンドDNCEとのコラボなど、これまでとは一風変わった活動が続いているSEKAI NO OWARI。今度は、なんと小説を出版した。Saoriこと藤崎彩織が書き下ろした処女小説『ふたご』(文藝春秋)がいま話題を呼んでいる。

 この『ふたご』は、Saori自身と思われる主人公・夏子と、Fukaseをモデルにしていると考えられる月島の二人を中心に展開する。

 物語は大きく分けて二部構成になっており、前半では夏子と月島の中学高校時代が描かれ、後半ではバンドの結成からデビューまでの道のりが描かれている。特に後半部では、メンバーが住み込みでclub EARTHと思しき場所をつくっている場面が描写されたり、月島からのプレッシャーに押し潰されそうになりながらも曲づくりに励む夏子の様子など、SEKAI NO OWARIファンならおなじみのエピソードが次から次へと飛び出してくる。


 そういったことを勘案すると、この小説のけっこうな部分が事実に深く即しているものだと見ても決して言い過ぎではないだろう。実際、Saoriはこの小説について「週刊文春」(文藝春秋)2017年11月9日号掲載の阿川佐和子との対談のなかで「もちろん実際にあったこともたくさん入ってるんですけど、どこかはご想像にお任せします(笑)」と語っている。

 この『ふたご』は、繊細な少女の内面が細やかに描かれた青春小説としてもすぐれているが、「実際にあったことがたくさん書かれている」という視点で読むと、さらに興味深い作品となる。というのも、『ふたご』という小説で始めから終わりまで一貫して描かれているのは、夏子から月島への片思いの感情だからだ。

 SaoriとFukaseはかねてよりファンの間で恋仲を噂されてきた。周知の通り、Saoriは今年の1月に俳優の池田大と結婚、8月には妊娠を発表したことにより、最近でこそあまり言われなくなったが、二人の関係についての噂はSEKAI NO OWARIのデビュー以来ずっと消えることなく存在し続けてきたものである。

 そんな噂の存在を肯定するかのごとく、『ふたご』では夏子の恋心、そして、その片思いの情を知りつつも微妙な距離をとり続ける月島が描かれる。

 夏子は初めて月島と二人で出掛けた14歳のときからずっと彼のことを思い続ける。しかし、月島は彼女の思いを十分に理解しつつも、二人の関係を明らかにすることを拒み、「友達であり、恋人であり、家族みたいでもある」と語る。だから月島は夏子とは違う女の子と付き合ったりもするし(そのなかには夏子の友だちも含まれている)、そのことを夏子に話したりもする。

夏子の月島への恋心はSaoriとFukaseをモチーフにしているのか?

 小説のなかでは、そういった月島の行動に嫉妬の感情をもちつつも、それを糾弾する権利が自分にはないことに対する夏子の煩悶が繰り返し描かれている。

 それは、月島がバンド活動を本格的に始める段階になっても変わらない。月島はピアノ奏者として夏子をバンドに引き入れようとするのだが、彼女はその誘いに対し即座に首を縦に振ることができない。そこにはこんな思いがあるからだった。

〈バンドメンバーになる。それは月島との関係において、何よりもまずバンドを最優先させなければいけないという意味だ。私はもう女として悩むことすら許されなくなってしまうのかもしれない。女として月島のそばにいたいと密かに願うことすら出来なくなってしまうかもしれない〉

 この小説の後半は、月島の指示で自らも作詞と作曲に乗り出すことになるも、どうしても良い曲をつくることができず悩み苦しむ夏子の様子が描かれる。あまりの苦しみに精神を病んでしまい、病院でうつ病治療の薬を出してもらってまで夏子は曲づくりに挑戦し続ける。バンド活動自体を諦めて楽になる選択肢も頭には浮かぶのだが、それをしてしまえば月島と一緒にいることができなくなってしまうことが恐怖で、それゆえに不眠不休で頑張り続ける。

 恋というよりも「共依存」といったほうが近い状況だが、小説の題名である「ふたご」は、夏子と月島のそうした関係を表す言葉なのだろう。

 実際、小説には、その依存関係を象徴する衝撃的なシーンも描かれている。
象徴する言葉として、本文にも何度も登場する。そのひとつが、月島が夏子に暴力を振るい、カッターをつき立てるシーンだ。

 Fukaseがアメリカ留学中にパニック障害に陥り、帰国して精神病院に入院したというバンド結成前史はファンなら誰もが知っているエピソードだが、『ふたご』の月島も同じようにアメリカ留学中にパニック障害になり、日本で精神科の病院に保護入院している。

 小説では、その保護入院の直前、帰国した月島が夏子の自宅を訪れるのだが、夏子の言葉にいちいちつっかかり、夏子に馬乗りになり、首筋にカッターナイフを当てるシーンまで出てくる。

〈「う、る、さ、い」
 彼はそのひと文字ずつを発音しながら、カッターを四回首に押し当てた。カッターの刃先は、もう体温でぬるくなっている〉

いじめをめぐるSaoriとFukaseの会話が後の関係性をつくった?

 これは実際に起きた出来事なのだろうか? 野暮な小説の読み方なのかもしれないが、どうしてもそんな邪推をせずにはいられない。

 さらにもうひとつ、二人の関係を想像するうえで重要なシーンがある。それは、中学時代の夏子が学校でのいじめを月島に相談する場面だ。

 小学校のときから周囲の女の子とうまく関係をつくることができず、継続的にいじめを受けてきた夏子。上履きを隠されたり、イスに画鋲が置いてあったり、机の引き出しのなかに「SHINEBAIINONI」と書かれたメモ書きを入れられていたと書かれている。そんな夏子はちょっとしたきっかけから、どうしても周囲の子どもとなじめなかった苦しみを月島に打ち明けるのだが、そこで彼から返ってきたのは、「そう? 俺は分かるけどね」、「だってなっちゃんって、生意気でむかつくもん」という思いがけない言葉だった。

 夏子が受けていたと書かれているこれらのいじめは、Saoriが学生時代に受けた実体験とほとんど同じである。彼女はインタビュー集『SEKAI NO OWARI 世界の終わり』(ロッキング・オン)でそれらのいじめ体験と、そのいじめの苦しみを打ち明けられたFukaseの反応を打ち明けているのだが、それはまさしく『ふたご』における月島と同じだった。『SEKAI NO OWARI 世界の終わり』によれば、Saoriのいじめへの悩みに対してFukaseはこのような言葉を返したという。

「おまえ、それはいじめられるよ」
「いじめられる側にも原因があると思う」

 いじめの責任をいじめられる側に求めるこのFukaseの発言については、本サイトも含め、ネットでも批判の声が上がったが、この一言が夏子が月島に依存するようになった大きな契機となったようにも読める。

 実際のSaoriとFukaseが、小説内の夏子と月島そのままとは思わないがが、前述『SEKAI NO OWARI 世界の終わり』では、「(Fukaseと)会った瞬間に、この人とはずっと一緒にいると思った。それが絶対に忘れられない」「今日から世界が変わるって本気で思った」と話している。少なくともある時期、SaoriがFukaseに依存し、まるで教祖と信者のようにその精神を支配されていたことはたしかだろう。

 しかし、今回の小説で、ここまでふたりの関係を客観的にリアルに描写できたというのは、彼女がいま、その歪な依存関係を乗り越え、Fukaseと新しい関係を築き上げつつあるという証なのではないか。そういう意味では、Saoriのこれからのアーティスト活動、『ふたご』出版後のSEKAI NO OWARIの変化が非常に楽しみになってくるのだ。

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