島田紳助が文春のインタビューに登場! タレント、芸能プロダクションと暴力団との癒着を総まくり

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「週刊文春」(文藝春秋)17年11月2日号

 先日発売された「週刊文春」(文藝春秋)2017年11月2日号に掲載された島田紳助の独占インタビューは大きな話題を呼んだ。

 現在は、筋トレや友人とのゴルフ、野球に明け暮れる健康的な生活を送っていると語り、そのうえで「今の生活が幸せで、その必要を感じていない」と、芸能界復帰の可能性を改めて否定した。

 また、インタビューでは引退をめぐっての騒動についても振り返る。引退直前は多くのレギュラー番組を抱えるストレスから精神状態が限界で、「辞める直前はもういっぱいいっぱいになってましたから」と語る。そして、そういった背景が、騒動の責任の取り方として謹慎や休業ではなく、いきなりの引退を選んだ理由だったと説明。そのうえで、現在の状況をこのように話している。

「引退時の会見でお話したように、男の約束として、向こうの人(暴力団)とは一切会っていません。今遊んでいる友達は一般人ばかりですし、もしヤクザの影があったら誰も僕に寄り付きませんよ」

 紳助の引退会見は2011年8月23日に行われたが、そもそも紳助が暴力団と関係をもつようになったきっかけは、その約10年前にまでさかのぼる。『紳助の人間マンダラ』(関西テレビ)での紳助の発言がもとで、テレビ局に右翼団体の街宣車が来てトラブルに発展。困った紳助が頼ったのが、元プロボクサーの渡辺二郎氏であり、彼を通して、山口組系極心連合会の橋本弘文会長に話がいき、それで紳助に対する嫌がらせなどはなくなった。これをきっかけに暴力団との交際が始まったという。

 引退会見では橋本会長について「10数年間で意図的にお会いしたことと、偶然にお会いしたことで5回くらいです」と語られていたが、「週刊現代」(講談社)をはじめとした各週刊誌には紳助から渡辺氏に対して送信された大量のメールが掲載され、その文面を読む限り、紳助は橋本会長個人のみならず極心連合会自体と浅からぬ関係があったのではないかとも読みとれる。また、「FRIDAY」(講談社)11年10月21日号には、弘道会の高山清司会長と一緒に宴席を囲んでいる写真も掲載された。

島田紳助だけではない。暴力団との交際が報じられた芸能人たち

 ちなみに、この紳助引退騒動に関しては、数多くの芸人をバラエティー番組に送り込んでいる吉本興業に忖度した各テレビ局が報道を控えめにした。ワイドショーでは一応トピックとして扱うものの、詳細にいたるまで報道することはなかった。実際、「週刊現代」11年10月15日号では、フジテレビのスタッフが「情報番組に明確な圧力はありませんでしたが、やはり社内的に『どこまでやるんだ』という目で見られていたのは事実」とコメントしている。

 とはいえ、吉本興行と暴力団の関係は紳助ひとりだけの問題ではない。巷間しばしば報じられるその代表が中田カウスだ。カウスは山口組5代目の渡辺芳則組長はじめ暴力団関係者と深くつき合うことでトラブルの解決役を引き受け、吉本興業内での影響力を高めていった。

 暴力団との関係を報じられた吉本芸人は他にもいる。たとえば、間寛平は山口組系組長と親密な交際にあり、結婚資金を援助してもらったうえ組長を式に招待したり、また、逆に組長の結婚式に出席したといった過去があることを週刊誌に明かされている。そして極めつけは、横山やすしだ。彼は、中野会幹部と兄弟杯まで交わし、その盃を交わした際のツーショット写真も残されている。

 芸人といえば、吉本所属ではないが、綾小路きみまろのことも忘れてはならない。彼は長かった下積み時代のことを漫談のなかで「潜伏期間30年」と自虐して笑いに変えているが、その潜伏期間を支えたのは暴力団であった。彼は稲川会や、山口組系後藤組など幅広く交際。パーティーでは司会を務めていた過去があると「FRIDAY」などで当時のビデオ画像とともに報道されている。

 山口組が田岡一雄3代目組長時代に設立した「神戸芸能社」が美空ひばりの興行を手がけていたことはあまりにも有名だが、もともと芸能界と暴力団の関係は深い。コンサートなどの興行を取り仕切ってきた歴史から、歌手は特にその傾向が強い。

 そのなかでもよく知られているのは、北島三郎だろう。彼と稲川会との関係は深く、1984年、稲川聖城総裁をモデルに製作された映画『修羅の群れ』の主題歌に「神奈川水滸伝」を提供、その曲は後に稲川会の会歌となった。さらに86年には稲川会の新年会に出席していたことが問題となり、弟子の山本譲二ともどもその年の紅白歌合戦出場を辞退するという騒動も引き起こしている。

宇多田ヒカル、AKBをめぐっても暴力団とのトラブルが

 暴力団のテーマ曲というと、鳥羽一郎も同様にヤクザのために曲を提供していたと報じられた。91年に歌われた、〈残侠一代 嵐か雨か 涙噛みしめ 武蔵野の 土に刻まん この命〉という歌詞の「道」は住吉会のためにつくられた曲であったといわれる。また、細川たかしは、2008年9月、山口組系後藤組・後藤忠政組長の誕生日ゴルフコンペに参加していたことが週刊誌にスッパ抜かれた。この年は詐欺事件「円天騒動」に関与していたことも重なり、細川は紅白歌合戦の出場辞退に追い込まれている。

 一風変わった騒動では、宇多田ヒカルがブレイクを果たした99年に藤圭子が起こしたトラブルがある。娘が新世代の歌手として時代の寵児となりつつあったこの年、藤圭子が地方営業しているルポを「女性セブン」(小学館)が「娘の大ブレイクの陰で母親はドサ回りの日々」といった面白おかしい切り口で紹介。そのことに藤圭子の興行に長年関わっていた暴力団が激怒した。記事が掲載されていた「女性セブン」99年4月22日号はすでに印刷に入っていたのだが、輪転機をストップさせ内容を差し替えさせたという。

 ここまで演歌界と暴力団のつながりを見てきたが、ポップスやロックのミュージシャンも、もちろん暴力団と無縁ではない。そのひとりが松山千春だ。彼は90年、稲川会の忘年会にメインゲストとして登壇、持ち歌まで披露した件が明るみになっている。これについて「FRIDAY」92年1月10日・17日合併号にて松山は〈つき合いに関しては否定しない。ボクは、自分の人生の中で友達としてつき合ってきた。カラオケは一緒に歌うし、食事もゴルフもする。今後も友達としてつき合っていきます〉とコメントしている。また、TUBEのボーカル・前田亘輝も同じく稲川会と交流があり、パーティーに出席していたことが発覚している。

 ただ、暴力団との関係が芸能人以上により深いのは「芸能プロダクション」である。芸能プロの場合は交際というレベルではなく、ビジネス上の構造的癒着があるからだ。

 たとえば、演歌界の老舗事務所であり、今でも氷川きよし、水森かおり、岩佐美咲(元AKB48)といった売れっ子を擁する長良プロダクションの長良じゅん社長は興行のため暴力団との交際が幾度も噂されてきた。

 また、AKBの運営会社にも疑惑は囁かれている。AKB48プロジェクトの創始者のひとりである芝幸太郎は「週刊新潮」(新潮社)2013年5月30日号にて、後藤組の後藤忠政組長の夫人がやっていたお店の記念パーティーに出席。山口組系暴力団幹部らと撮った集合写真をスッパ抜かれている。

バーニングプロダクションと暴力団との黒い関係

 また、エイベックスの松浦勝人社長は、株主総会を前に質問状を送ったコンサルティング会社の男を後日呼び出し、暴力団組長を同席させたうえで「殺す」「埋めるぞ」といった言葉で脅した経緯が各週刊誌に暴かれている。

 ただ、これらの業界関係者と暴力団との交際は、ひょっとしたらまだかわいいものと言えるのかもしれない。芸能界と暴力団の関係を語るうえでの「本丸」は「芸能界のドン」こと、バーニングプロダクションの周防郁雄社長である。バーニングは常に暴力団との付き合いを取り沙汰されてきた。山口組や住吉会、さらには、非指定暴力団・二代目松浦組の元組長で民族派右翼団体総裁である笠岡和雄氏が、01年から11年まで周防社長の用心棒をしていたことをメディアで告白している。

 きっかけは、01年に赤坂のバーニングの事務所に銃弾が撃ち込まれたことだというが、その後、周防社長は暴力団をさまざまなトラブル解決に利用していったという。みのもんたが社長を務める水道メーター販売会社・ニッコクが談合事件で右翼団体により街宣車の抗議行動を受けたときは、彼らの仲介が大きな力を果たしたといわれている。

 また、モーニング娘。メンバーとの援助交際を暴力団関係者に盗撮され、そのビデオをダシに周防社長が脅迫されたときも、笠岡氏から山口組関係者を紹介してもらい話をつけたとされている。

 このようなズブズブの関係は、バーニングの系列会社にも同じことが言える。ライジングプロダクションは01年に平哲夫社長が脱税で逮捕されているのだが、その公判のなかで平社長自身が元ヤクザで小指を詰めたことのある過去を明かされた。また、同じ公判のなかで、コンサートの妨害を避けるためなど、ヤクザ対策費を支払っていた事実も明かされている。

 ただ、バーニングが手を伸ばしているのは裏社会の人間だけではない。警察も意のままに動かせるよう策を練っている。「サンデー毎日」(毎日新聞出版)00年12月10日号には、警視庁幹部との宴席に藤あや子を呼んで接待させていたといったエピソードが記されている。

 他にも、検察、政界との深い関係が常にささやかれており、バーニングはこうした力ももっているがゆえに、「芸能界のドン」と恐れられ、暴力団との関係も不問にされてきたのだろう。

 暴力団排除条例の全国的な施行以降、暴力団との関係が社会全体で厳しく見直されるようになり、芸能人も暴力団との関係が発覚すると、活動を自粛せざるをえない状況に追い込まれるようになった。しかしこうした大手芸能プロと暴力団の癒着構造はいまも温存されている。SMAPやのん(能年玲奈)のトラブルに代表されるタレント奴隷支配問題とともに、暴力団との関係についても、もっとメスが入れられてしかるべきだろう。

最終更新:2017.10.28 01:15

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