NHKが731部隊の人体実験証言テープを公開し、安倍政権につながる重大な問題を指摘! ネトウヨが錯乱状態に

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8月13日に初回放送された『731部隊の真実〜エリート医学者と人体実験〜』(Nスペ公式HPより)


 敗戦から72年目を迎えた夏。8月13日に初回放送されたドキュメンタリー、NHKスペシャル『731部隊の真実〜エリート医学者と人体実験〜』がいま、大きな反響を呼んでいる。

「731部隊」とは、日本の満州国建設から4年後、日中戦争の前年にあたる1936年8月に、関東軍防疫給水部本部の名称で発足した陸軍の秘密部隊の通称。満州で日本軍の細菌兵器の開発を行い、中国人やロシア人を使った人体実験を行っていた。日本の敗戦と同時に、証拠隠滅のために部隊の研究施設は破壊され、被験体の囚人なども殺害・焼却されたとされる。

 その存在については、当初、右派から「捏造説」がしきりにいわれてきたが、歴史家や研究者の実証的研究で事実であることがほぼ確定している。731部隊研究の第一人者である常石敬一・神奈川大学名誉教授は、隊員数は3000人弱で、10年間に2000とも3000とも言われる人を人体実験によって殺害していたこと明らかにしている(『七三一部隊』講談社現代新書)。

 そんななか今回、NHKは、1949年にソ連で開かれた軍事裁判「ハバロフスク裁判」の音声データを発掘。この裁判では731部隊の関係者も被告や証人となったが、そこで発せられた当事者たちの生々しい証言の数々を、テレビで放送したのだ。

「昭和18年の末だと記憶しています。ワクチンの効力検定をやるために、中国人それから満(州)人を約50名あまり人体実験に使用しました。砂糖水を作って砂糖水の中にチブス菌を入れて、そして、それを強制的に飲ませて、細菌に感染をさせて、そして、その人体実験によって亡くなった人は12から13名だと記憶しています」(731部隊隊衛生兵・古都良雄)

「ペスト蚤(ペストに感染させた蚤)の実験をする建物があります。その建物の中に、約4〜5名の囚人を入れまして、家の中にペスト蚤を散布させて、そうしてその後、その実験に使った囚人は全部ペストにかかったと言いました」(731部隊軍医・西俊英)

 さらに、731部隊では人体実験だけでなく、当時すでに国際条約で禁じられていた生物兵器の実践も行っていた。番組では、大量感染させる目的で集落に細菌を蒔いたとする裁判での証言音声も放送された。

「使われる細菌は、主として、ペスト菌、コレラ菌、パラチフス菌であることが決定しました。ペスト菌は主として、ペスト蚤の形で使われました。その他のものはそのまま、水源とか井戸とか貯水池というようなところに散布されたのであります」
「あの当時、現地に中国人の捕虜収容所が2カ所ありました。その人員は約3000名と言われていました。その饅頭をつくりに参加しました。少し冷やしてから、それに注射器でもって、菌を注射しました」(731部隊第一部〔細菌研究〕部長・川島清)

「人体実験はなかった」「NHKの捏造」とネトウヨがまたぞろトンデモ攻撃

 証言によれば、その後、細菌を注射した3000個の饅頭を収容所の中国人に食べさせたうえで解放。“パラチフスに大量感染させる目的だったか”との問いに、「はい。自分はそのように聞きました」と答えている。

 生きた人間を生体実験に用い、さらに大量感染させるという極めて非人道的な戦争犯罪の実態。今回、NHKが初めて報じたハバロフスク裁判での証言音声は、これまでの研究を裏付ける貴重な新資料だ。

 ところが、放送後、ネトウヨたちがNHKに対して、またぞろ「人体実験はなかった」「NHKの捏造」なるトンデモ攻撃をがなりたて始めた。

〈まだ731部隊とか人体実験とか言ってるんだ…そんな事実はないし、捏造やめろ〉
〈元は森村誠一が書いた「悪魔の飽食」によって事実がゆがめられた防疫部隊の話〉
〈日本軍は中国人にこぉんなに悪いことをしてきたんですよ〜ひどいですね〜と言いたいだけにしか聞こえない。完全なる印象操作。731部隊があった確たる証拠はあるの?〉
〈反日NHK 終戦記念日が近づくと、必ず自虐的な番組を報道しよるな〉
〈信じちゃってる人結構いる?? うわー。マスゴミはほんと罪深いわ。そしてこの嘘つき番組見た人は是非「731部隊 捏造」でググれ〉

 過去の戦争犯罪を正視できず、条件反射的に「捏造」「反日」と騒ぎ立てる知性のなさは今に始まったことではないが、まさか、731部隊まで否定するとは……。

 ネトウヨたちは〈森村誠一が書いた「悪魔の飽食」によって事実がゆがめられた防疫部隊の話〉などと言って〈人体実験は捏造〉と吠えまくっているが、そもそも731部隊の話を書いてセンセーショナルな話題となった本『悪魔の飽食』が出たのは80年代初頭の話だ。現在では前述のとおり、常石敬一氏らの実証的な研究や関係者の証言及び手記等により、731部隊による人体実験の存在は事実と確定している。

 とりわけ人体実験の有無については、秦郁彦氏をはじめとする保守派の歴史学者でも異論を挟む者はもはや皆無だ。というか、だいたい『Nスペ』を見れば、番組が『悪魔の飽食』を下敷きにしていないのは誰にだってわかるだろう。まったく、お話にならない。

 しかし、これは逆にいうと、ネトウヨたちが錯乱し、こんな噴飯モノのいちゃもんしかつけられないくらい、今回の『Nスペ』の内容が実証的で決定的だったということでもある。しかも、同番組を評価すべき点は、裁判証言の音声データを放送したことだけではない。『Nスペ』は膨大な資料と丹念な取材から、731部隊を生み出した背景に、大学と研究者の全面的な協力があったことを浮かび上がらせた。

 そして、これは、現在の安倍政権が推し進める“軍学共同”政策につながる問題だった。

Nスペが浮かび上がらせた731部隊、大学、研究者の関係

 戦中の731部隊には、当時の帝国大学などからエリート医学者たちが集められていた。なぜ、人の命を救う医学者、それもエリートたちが、大量殺戮のための生物兵器の製造・実験に従事することになったのか。『Nスペ』によれば、731部隊に最も多くの研究者を出していたのは、京都帝国大学(11名)で、ついで東京帝国大学(6名)だった。少なくとも、10の大学や研究機関からあわせて40人の研究者が集められていたという。

 番組は京都大学を取材。その大学文書館に保管された文部省と京大の往復文書のなかから、731部隊と京大との“金銭のやりとり”を示す証拠を初めて見つけ出したという。

 その731部隊からの特別費用が記された書類には、細菌研究の報酬として、現在の金額で500万円近い金額が、研究者個人に支払われていた。取材を進めると、弟子たちを部隊に送ったとみられる教授たちの存在が浮かび上がる。その教授のひとりの研究報告書からは、軍関連で現在の額にして実に合計2億5000万円にも及ぶ研究費を得ていたことが判明した。

 ハバロフスク裁判の証言音声にも、731部隊に巨額の国家予算が投じられていた事実が語られている。

「確実な数字はただいま記憶しておりませんが、だいたいの数字を申しますと、昭和15年度におきましては、だいたい1000万円(現在の金額で約300億円)に近い予算が使われておったように記憶しております」(731部隊第一部〔細菌研究〕部長・川島清)

 軍は、豊富な国家予算をもってして大学との関係を深めていったのだ。また、京大出身の軍医だった731部隊長の石井四郎は、大学幹部と結びつくことで、優秀な医学者たちを集めていったという。

 そうしたエリート医学者のひとりに、当時、京大医学部講師だった吉村寿人がいる。吉村は回顧録のなかで、突然、教官から満州の陸軍の技術援助をせよと命令され、断ると、今の日本の現状からこれを断るのはもってのほかである、破門するから出て行けと言われたと記している。結局、吉村は陸軍技師として、1938年から敗戦まで731部隊での研究を行った。吉村の与えられた研究は凍傷の症例と対策。生きた囚人を使って、人工的に凍傷を引き起こすなどの人体実験を行ったのだ。

 しかし、こうした731部隊に従事したエリート医学者たちが、戦後に裁かれることはなかった。たとえば吉村は戦後、京大に戻り、最終的に京都府立医科大学学長を務める医学会の重鎮となったが、吉村だけでなく、その多くは日本へ引き上げたのち、一流の医学者として頭角を現していったという。前述の歴史学者・秦郁彦氏はこのように記している。

〈吉村でなくとも、若い医学者はいつ召集を受け、第一線に狩り出されるかわからない不安な身分にあった。陸軍技師として豊富な研究費を与えられ、自由な実験ができるのは魅力にちがいなかった。
 長老教授たちも、石井の顔で陸軍から研究費が流れ、貴重な実験データをもらえるのを期待して、弟子を送り出すことになる。いわば持ちつ持たれつの利害関係が、成りたっていたのである。〉(『昭和史の謎を追う』上巻/文藝春秋)

731部隊を生み出した「軍学共同」を安倍政権が復活させている

 一見すると、まったく遠い過去のように思えるかもしれないが、実はこの731部隊を生み出した構造が、現在の安倍政権下で復活しようとしているのをご存知だろうか。

 そう、安倍政権は巨額の国費を投じて“軍学共同政策”を推し進めているのだ。たとえば、防衛省が 2015 年度から始めた「安全保障技術研究推進制度」は、初年度予算の3億円から2017年度には実に110億円と急増。戦争の反省から、多くの大学では戦後に“軍事利用のための研究”を禁じる理念を打ち出したが、それがいま、安倍政権のもとで骨抜きにされつつある。

 政府は基礎研究資金の助成に「デュアルユース」(軍民両用)という言葉を使って、その危険性を覆い隠そうとしているが、これが詭弁であることは明らかだろう。

 ノーベル賞を受賞した益川敏英・京大名誉教授は、“軍学共同”に関してこう警鐘を鳴らしている。

〈研究費が減る中、現役の研究者は防衛省の資金も背に腹はかえられないと言うかもしれないが、いったん立ち止まって欲しい。資金を一度受け取れば、その研究者は直接的に軍事研究につながるテーマに一本釣りされ、深みにはまっていくと思う。科学は発達した結果、民生にも軍事にも使えるデュアルユースの問題をはらむようになり、区別をつけるのは難しい。だから、軍事研究かどうかは、どんな機関が、何の目的で資金を出しているかで判断するべきだ〉(朝日新聞2017年1月11日付)

 また、宇宙物理学などを専門にする池内了・名古屋大学名誉教授も、著書のなかでこのように喝破している。

〈(軍民両用が)可能になったのは軍からの開発資金が豊富にあったためで、最初から民生品として開発できていれば、わざわざ軍需品を作る必要はないのである。これまでの例は、あくまで軍事開発の副産物として民生品に転用されたに過ぎない。要するに巨大な軍事資金が発明を引き起こしたのであって、戦争が発明の母であったわけではないことに留意する必要がある〉(『兵器と大学 なぜ軍事研究をしてはならないのか』岩波書店)

 国家権力が科学者たちを利用し、戦争と新兵器の開発を推し進めてきたことは、歴史が証明している。だが、科学者は単に利用された悲劇の人々というわけでなく、一線を超えて加害者となりうるのだ。“戦争の狂気”の一言で片付けられるものではない。そのことを忘れてはならないだろう。

 NHKスペシャル『731部隊の真実〜エリート医学者と人体実験〜』は16日深夜に再放送される。ぜひ、現在の社会状況を考えながら視聴してもらいたい。

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