『ニュース女子』のヘイトデマを、安倍チルドレンの自民党西田昌司議員が擁護!「在日差別はヘイトじゃない」と

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『ニュース女子』のヘイトデマを、安倍チルドレンの自民党西田昌司議員が「在日差別はヘイトじゃない」と擁護の画像1
『ニュース女子』DHCシアターWebサイトより


 今年1月2日、沖縄・高江のヘリパッド建設工事反対運動に対するヘイトデマを垂れ流した『ニュース女子』(TOKYO MX)。放送倫理・番組向上機構(BPO)が審議するさなか、昨日13日、番組を制作するDHCシアターのホームページで、『ニュース女子特別編〜マスコミが報道しない沖縄 続編』と題した反論番組を公開した。

 番組では、あまたの批判のなかから「一部の基地反対派の活動を『テロリストみたい』と表現したのは問題だったのか?」「『なぜ韓国や朝鮮の人が反対運動しているの?』と疑問を投げかけることはヘイトスピーチなのか?」「『反対派は日当を貰っている』と疑問を呈するのは問題だったのか?」など6点を取り上げた。だが、番組ではデマやヘイトに対する反省や謝罪は皆無。むしろ1月2日の放送の正当性を強調し、さらなるヘイトデマを塗り重ねるような醜悪な内容に終始した。

たとえば、反対派を「テロリスト」呼ばわりすることであたかも無差別殺人行為を企図する集団のように示唆したことについては、VTRで“「テロリスト」の辞書的な定義に当てはまってもおかしくない”と強弁した。さらにスタジオでは出演者のトンデモ科学者・武田邦彦が「私なら『テロリストみたい』じゃなくてテロリストって(はっきり)言いますよ」と発言、周囲が爆笑に包まれるというグロテスクさをさらけ出した。

 また、反ヘイトスピーチ団体である「のりこえねっと」の共同代表である辛淑玉氏を「反対運動を煽動する黒幕」と印象付けし、「韓国人はなぜ反対運動に参加する? 親北派のため、米軍基地の建設を妨害している」などのテロップを出すなど、国籍に対する差別的放送を行ったことについては、自民党の西田昌司参院議員がインタビュー出演し、『ニュース女子』を徹底擁護した。

 そのなかで西田は「政治発言はヘイトスピーチにあたらない」としたうえで、辛氏の訴えを「何を言っているんですか!(略)政治発言をヘイトスピーチだと言ってやること自体ね、とんでもない思い違いですよ」と批難。さらにこうまくし立てた。

「在日外国人であるがゆえにね、自分たちが少しでも不利なことをなにかに言われたりとかしたら、それ自身が差別だ!とか人権侵害だ!とかヘイトだ!とか、そういう話にしちゃって、で、それを結局BPOに訴えられると」
「在日を振りかざしたかたちで政治発言をする。(略)政治発言をしているにもかかわらず、また政治発言をしている人に対してね『それは差別だ』とかいう言い方でね、今度は差別問題に変えてしまうのはね、ものすごくこれは卑怯」
「MXは堂々とこのことについて反論すべきです」

 いったい何をのたまっているのか、この極右議員は。言っておくが、『ニュース女子』はヘリパッド建設反対運動を貶めるために「テロリスト」の「黒幕」と辛氏を名指しし、さらに「韓国人はなぜ反対運動に参加する?」とあげつらうことで、コリアンおよび在日コリアンに対する悪感情を煽ったのだ。あきらかに偏見や憎悪を助長するヘイトだ。

 にもかかわらず、西田は言論の自由の問題にすり替えて、逆に辛氏を「とんでもない思い違い」「卑怯」などと攻撃し、しかも「在日外国人であるがゆえに」「在日を振りかざしたかたちで」などと差別意識をさらけだしたのだ。だが、スタジオでは「西田先生さすが!」「まったくそのとおり!」「かっこいい!」「全部言ってくれてる!」などと大喝采。これを“ヘイトの上塗り”と言わずしてなんというのか。

 ちなみに、西田は第一次安倍政権時に安倍首相の考えに共鳴して国政に初出馬・当選したシンパ議員で、ネオナチ団体代表とのツーショット写真の存在も明らかになっている。また先日の国会でも、森友学園問題について「はっきり言いまして冤罪である。安倍総理とはまったく関係ない」として「(マスコミは)真実をちゃんと報道していない。トランプさんに言わせればフェイクニュースですよ」などとトンデモ発言したことも記憶に新しい。少なくとも、安倍チルドレンが『ニュース女子』に登場し、全面的に擁護したうえで、差別主義丸出しの暴言を連ねたという事実はかなり重大だろう。

 呆然とするほかないが、番組ではこうしたゴマカシと詭弁が延々と続いた。その最たるものが、問題の放送で「2万円」と書かれた茶封筒(出処不明かつ具体的記載は一切なし)が普天間基地の周辺で発見されたと紹介し、「反対派は日当をもらっている!?」と根拠のない印象操作を行ったことについてだ。

 今回、番組は沖縄で「再調査」したというが、結局、「貰った人を知っている」「知り合いが貰った」という噂の又聞きと、番組に出演した自称・ジャーナリストの大高未貴が「(2万円の)日当を貰ってるさ」と語る人に取材したという程度の情報しか出せなかった。大高は「ちゃんと本人に会っています」と胸を張るが、そうであるならばなぜ『ニュース女子』は、大高の紹介でその人物と接触しなかったのか。ちなみに、大高は2年前に『「強欲チャンプル」沖縄の真実』(飛鳥新社)なる沖縄ヘイト本を出している。

 まったく首を傾げざるを得ないが、一方の出演者は揃いも揃って開き直り発言を連発した。司会の長谷川幸洋は「もうちょっとちゃんとした取材をやればよかったんじゃないのってことでしょ? それはまったくその通りで、だからこの番組特別編をやってるんです!」と吐き捨て、安倍首相を「わが友」と呼ぶ元テレビ朝日政治部長の末延吉正も「事実関係は(貰ったということで)間違いないんだから(問題ない)」と嘯き、武田邦彦にいたっては「事前に説明したから事実であるとか、事後に説明したから事実(だとか)、関係ない!」などと、ジャーナリストや学者を名乗っているとは思えない反知性主義を次々と露呈させていった。

 ようするに「基地反対派は日当を貰っているはずだ!」という願望ありきで、連中にとっては証拠があろうがなかろうが関係なく、とにかく基地反対運動や在日コリアンを貶められればそれで満足らしい。こういうものを流言飛語という。

 しかも気持ち悪いのが、番組が問題の張本人の一人である「軍事ジャーナリスト」の井上和彦を徹底してかばっていたことだ。井上は、1月の放送で「高江緊急調査」と題して沖縄へ向かったものの、名護署前で反対運動中に不当逮捕された山城博治氏の解放を求めるデモ(なお、番組ではその事実すら伏せていた)を遠くから眺めただけで、「このままだと危険と判断 ロケ中止」なるテロップを打ち出してまったく取材をしなかった。また、高江のヘリパッド建設反対運動についても、高江まで直線距離でも約25キロメートルも離れた名護市の二見杉田トンネルの前で井上は「このトンネルをくぐると高江」「このトンネルの手前で足止めをくってる」などと言って立ち止まり、ナレーションで「反対派の暴力行為により地元の住民でさえ高江に近寄れない状況」と説明し現場取材を一切しないまま引き返した。それでいて、スタジオでは「とにかく(反対運動には)韓国人はいるわ、中国人はいるわ、なんでこんな奴らがと沖縄の人は怒り心頭になってる」としたり顔で言いふらしていた。

 こういう人間が「軍事ジャーナリスト」なる肩書きで幅を利かせている極右論壇のヤバさも相当だが、しかし今回の『特別編』で井上はその杜撰な「現地調査」を詫びる素振りはまったくなし(いつもと比べてややシュンとしてはいたが)。しかも、番組の最後に須田慎一郎から「井上さんがあのときの取材で極めて誠実にニュートラルにされていたということが、今回の特集で検証されたんじゃないかなと。その点だけはちゃんと言っとかないといけないと思うよ」と慰められると、「……いや、感極まって」などと言葉を詰まらせた。まったくの茶番である。また、同じく番組の最後には、経済評論家の上念司が「今回『ニュース女子』で取り上げた内容は、私はネットを通じてほとんど知っていたことですし」と、ドヤ顔でネトウヨそのもののセリフを吐いていた。

 なお、「週刊金曜日」及びインターネット報道メディア「IWJ」の報道(外部リンク:http://iwj.co.jp/wj/open/archives/356140)によれば、井上は「双日エアロスペース」という防衛装備品(武器)の輸入・販売会社の正社員だという。つまり、井上にとって基地問題は自身が所属する会社の利益と直結していてもおかしくはないのだ。防衛関連企業の社員であることを伏せ、「ジャーナリスト」を名乗り基地反対派を貶めるデマを垂れ流す……。こんなことが許されるのか。

 いずれにせよ、指摘された数多の問題点について反省するどころか、むしろ完全に開き直り、それどころかヘイトデマを増幅させた『ニュース女子  特別編』。さしずめ“居直り強盗”だが、この『特別編』公開に関してはもうひとつ、気になる点がある。それは、なぜレギュラーである地上波での放送ではなく、ネット配信のみだったのか、ということだ。

 もともと『ニュース女子』はDHCシアターと、『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)の制作会社として知られるボーイズが共同で制作し、地上波放送局であるMXが考査にかけたのちに毎週月曜日に放送する、いわゆる“持ち込み番組”。しかし、2月10日にBPOの審議入りが決定したあと、2月27日に発表したMXの見解では、〈再取材、追加取材をもとに番組を制作し、放送致します。調査及び取材を丁寧に実施するため、数か月の制作期間を経て放送することを予定しています〉とされていた。つまり、本来であれば「検証番組」が放送されるのは数カ月先であったはずなのだ。

 ところが3月5日、琉球新報が〈沖縄の米軍基地反対運動について再取材した番組を13日に東京メトロポリタンテレビジョン(東京MX)で放送する。(略)DHCシアターから番組制作の委託を受けている制作会社ボーイズ(大阪市)が明らかにした〉と報道。するとMXは3月7日、ホームページ上で〈そのような予定はございません〉と否定。〈現在BPO放送倫理検証委員会で審議中のところであり、当社は審議に誠意をもって対応しております。また、独自で再取材を行った番組を放送する方向で進めております〉とした。

 しかし3月13日当日の午後になって、今度は産経新聞がDHCシアターのホームページでの「独自検証番組」の公開が決定したと報じた。記事によれば、DHCシアター側は〈MXでの放送を求めていたが、「BPOの結論が出る前に検証番組を放送してはさらなる混乱を招きかねない」(同局幹部)として認めなかった〉という。そして実際、昨日の午後10時からのMXでは別の内容が放送され、23時よりネット上でのみ『特別編』が公開されたというわけだ。

 どうも『特別編』をめぐっては、DHCシアター側とMX間でゴタゴタがあったようだ。もちろん、こんなヘイトデマを積み重ねる番組を地上波で放送しなかった判断は当然だ。また、地上波放送局として徹底的に批判的な観点から検証する番組づくりが求められるのも言うまでもない。しかし、一方で今回の『ニュース女子』問題は、MXにも大きな責任があることを忘れてはならない。事実、MXは現在でも同番組のレギュラー放送を野放しにし続けており、問題の1月2日放送回に関しても、前述の見解のなかで〈事実関係において捏造、虚偽があったとは認められず、放送法及び放送基準に沿った制作内容であった〉と擁護。BPOの放送倫理検証委員会によるヒアリングに対しても「内容に問題がなかったので通した」などと説明したという。

 つまり、MXが今回『特別編』の地上波放送を拒否したのは、番組内容に虚偽報道や差別的内容を認めたからというよりも、単に自社の保身のためにそうしたにすぎないのだろう。その背景に、DHCシアターの大元である化粧品大手・DHCがMXの最大のスポンサーであることが関係するのは想像に難くない。しんぶん赤旗によれば、MXの2015年(16年3月決算)での総売り上げ164億7000万円のうち、主な相手先としてDHCが23億5900万円(14.3%)で、2位以下を大きく引き離す1位であり、〈もはやDHC抜きのMXテレビはありえないほど、いびつな収益構造〉(1月20日付)と指摘している。ようするに、MXは金目当てでこんな愚にもつかないヘイト番組を放置している。そう見られても仕方がないだろう。

 ヘイトデマをばら撒く『ニュース女子』については、今後も徹底した批判を続けなければならないことは言をまたない。だが、地上波放送局は社会の公器。同番組を放置し続けるMXテレビもまた、厳しく批判されるべきだろう。そして、今回の『特別編』のなかでとりわけ強調しておきたいのは、前述したとおり、安倍チルドレンの国会議員・西田昌司までもが参戦し、あろうことか在日ヘイトを展開したことだ。

 『ニュース女子』に限ったことではないが、安倍政権は政府に批判的な報道番組には圧力を加えたり、出演を拒否しておきながら、お仲間の極右ネトウヨ番組には嬉々として助太刀。手を携えて沖縄を貶め、差別を煽動する。こんなことが許されていいはずがない。MXの「自社検証番組」では、ぜひこうした政治の状況についても真摯に追及してほしいものだ。
(小杉みすず)

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