EXILEの事務所LDHのブラック企業ぶりがスゴい! 社員に丸刈り謝罪、路上土下座、ファンにもブラック商法が

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LDHオフィシャルサイト


 EXILEや三代目J Soul Brothers、E-Girlsなど多くのアーティストが所属する芸能事務所「LDH」。「LDH」は「Love」「Dream」「Happiness」の頭文字に由来し、表では仲間や夢を謳っているが、その実態はブラックな社風ということが明らかになっている。

「週刊文春」(文藝春秋)7月21日号の特集記事「元社員4人が告発『EXILE事務所の体育会系イジメ』」によれば、社長のHIRO(五十嵐広行)の下、絶対的な上下関係。よく言えば体育会系、ヤンキー系のノリの社風だというのだ。記事では双子の名物役員XとYの理不尽なイジメや体罰が明らかにされている。

「スタッフら計八名ほどで焼き鳥店で会食をしていたんです。が帰る間際になってXが突然、自分の運転手に対して激怒し出したんです」「そして弟のYが店外で運転手に土下座を強要しました。会計してみたら、運転手の分が六千円もかかっていた」と関係者。「なんでお前がこんなに飲み食いしてるんだよ!」と深夜二時、国道で若手に土下座を強要したというのだ。

 とくにこのXは悪質で、買いに行かせたiPhoneケースが厚すぎると入社2カ月の社員に自主退職を迫り、ある社員にはワキガだといいがかりをつけてワキガ手術を強要。さらに、ある社員にはとんこつラーメン10杯を一人で食べさせる。牛丼店やカレー店などで全メニューを注文するなど過剰な飲食の強要は日常的……と社員はモノ同然の無茶ぶりなのだ。なお、その問題の双子のもう一方Yは女優の尾野真千子の夫だ。

 しかも、給与は基本給や業務手当などを合わせて手取りで20万円程度と安月給だ。

「労働時間は大体月に480時間ほど。時間外勤務は220時間にもなります。70時間分の残業代は月8万円の業務手当に含まれているのですが、それ以上の残業代は一切支払われません」と元社員。

 時間外勤務220時間というのは、厚生労働省が定める時間外勤務の“過労死ライン”月80時間をゆうに超えている。元社員は長時間労働と残業代未払いについて、労働基準監督署に相談をしているという。

 芸能事務所LDHといえば、EXILEのリーダーHIROが2003年にそれまでのエイベックス・グループから独立する形で、立ち上げた芸能プロダクション。HIROは13年末にパフォーマーを引退。EXILEに在籍してはいるものの、LDHの社長業に専念し、プロデューサー、実業家の道を歩んでいる。

「LDHは07年3月期の売上高は約17億円でしたが、08年3月期は約76億円と4倍近い伸びを示し、09年3月期は約100億円。HIROが引退した13年3月期には売上高は270億円と急成長を見せた。その後も14年3月期275億円、15年3月期は350億円と発表しています」(芸能記者)

 HIROは12年9月には女優の上戸彩と入籍し15年8月には上戸との間に第1子となる女児が誕生するなど私生活は順風満帆だが、自ら経営する芸能プロダクションはブラックそのものなのだ。LDHでは、体育会系いじめや体罰が横行し、「この1年で20名近い社員が退職し、15年度入社の新入社員は半年足らずで全員辞めました」と元社員が告発する。

 さらに、「FLASH」(光文社)8月30日号の「EXILE 踊る350億円商法」という記事では、若手社員へのレモンサワーのイッキ飲み強要が明かされている。芸能関係者への接待の席でのことだ。

「コンサート後は関係者をクラブや高級キャバクラのハシゴに連れていく豪華接待がお約束。若手社員はその場でレモンサワーのイッキ飲みを披露させられる」のだ。

 かつてEXILEはライブ後の打ち上げの一晩で、スタッフを含め、レモンサワー2500杯を飲み干したという“武勇伝”があり、それ以来、注文した飲み物は基本的に『すべて一気飲みしなければならない』という独自ルールを設定しているようなのだ。

 いまや大学生でもイッキ飲みはカッコ悪いとされている時代にレモンサワーのイッキ飲み強要を良しとするとは……。しかし、LDHの社風は万事、こういう調子らしい。上の言うことは絶対で、とりあえず大きな目標を立てて、できなければ気合いが足りなかったとなる。なぜこんな会社が芸能界で大きな顔をしていられるのか。

「そもそもEXILEのリーダー・HIROは横浜市立金沢高等学校出身でエイベックスの松浦勝人CEOとは高校の先輩後輩の関係。EXILEのデビューから、芸能事務所LDHも全面バックアップを受けていることからも分かるように松浦の子分に過ぎません。LDHは、10年3月に東京国税局より調査を受け、2年間にわたって3億円の申告漏れを指摘されたことがありますが、その際にも3億円のうち、1億円は関係会社等の間に仮装・隠蔽行為があったと認定され、重加算税の対象となりました。その関係会社は、エイベックスではないかと囁かれたこともあります」(前出・芸能記者)

 社長業に専念しているというHIROだが、実際はエイベックスの子分に過ぎず、ブラック支配をするしか組織をまとめる能力がないということなのだろう。

 しかも、こうしたブラック体質は社員に対してだけでなく、ファン相手にも発揮されている。その典型が現在、公開されている映画『HiGH&LOW THE MOVIE』だ。「EXILE TRIBEがかつてない新たなエンタテインメントに挑戦!世界初の総合エンタテインメント・プロジェクト」と銘打ったこの映画は、日本テレビと組んで、HIROがスタートから旗頭となって「社運をかける」と明言。目標興行収入額は50億円と非現実的な目標額を立てているのだが、その実現のため、かなりアコギなブラック商法が展開されているのだ。

「LDHによれば、愛とか友情を描く映画として観客を増やすために、“不良映画”というワードを使うのはNGと通達している。7月15日に公開されたが、観客動員ランキングを上げるために、全国47都道府県で200回の舞台挨拶ツアーを敢行。どのメンバーが来るかわからないようにして、お目当てのメンバーに遭遇するまでリピートさせるAKBもびっくりの“舞台挨拶商法”を展開していました」(前出・芸能記者)

 さらに、7月22日京セラドーム大阪公演からスタートしたライブツアー「HiGH&LOW THE LIVE」は9月15日東京ドーム公演まで全14公演が予定されているが、「HiGH&LOW THE LIVE」ライブチケット(通常料金12000円 税別)に「HiGH&LOW THE MOVIE」前売映画観賞券が付いている、映画もライブも楽しめる先行特別料金の「プレミアムパッケージチケット」も販売している。本来ライブチケットは12000円(税別)だが、先行特別料金では1296円(税別)引きにて販売し、映画のチケット(1296円)と抱き合わせ販売(合計12000円)を行っているのだ。これまでも、「ライブチケットにおまけでCDを付けた」売り方が男版AKB商法と揶揄されているLDHだが、なりふりかまってはいられないということか。

 HIRO は、20年に新国立競技場で行われる東京五輪の開会式への出演についても意欲的で、「中心にいられるように準備していきたい」と発言をしている。アーティストとしてのクオリティももちろんだが、そもそも、こんなブラック体質のグループが五輪のメインを飾ることになったら、それこそ日本の恥を世界にさらすようなものではないか。
(小石川シンイチ)

最終更新:2016.08.17 09:07

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