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稲田朋美防衛相に領収書偽造が発覚、なんと520万円分! マスコミはこの重大疑惑を報じることができるのか
稲田朋美オフィシャルサイトより
安倍首相肝いりの重要閣僚・稲田朋美防衛相に、政治資金を巡る“巨額不正疑惑”が発覚した。本日14日発売のしんぶん赤旗日曜日版が「稲田防衛相 3年間で約520万疑惑領収書 自民パー券代“金額は自分たちが記入”『白紙』で領収認める」と題してスクープしたものだ。
記事によれば、稲田氏の政治資金管理団体「ともみ組」の領収書のなかに金額、宛名、年月日が同じ筆跡の領収書が大量に存在することが発覚した。これは、自民党議員らの政治資金パーティの会費支払いの証明として稲田氏側が受け取ったものだが、実は、この領収書は「ともみ組」の収支報告書の担当者が記入したものだったことが筆跡鑑定の結果判明。稲田氏の事務所は赤旗の取材に対し、金額の入っていない「白紙」の領収書に稲田氏側が書き入れていたことを認めた。赤旗の調べでは、この白紙領収書は2012〜14年の3年間で計260枚、約520万円にのぼるという。
これは、安倍政権を揺るがしかねない大問題だ。
そもそも、白紙の領収書をもらって自分たちで勝手に金額を記入する行為は、刑法の文書偽造罪にあたる可能性が高い。領収書は法律上、弁済を示す公的書類で、これを記載することができるのは発行した側だけだからだ。さらに、仮に稲田氏側が自分たちで実際の金額よりも水増しして記載していれば、これは刑法の詐欺罪や横領罪に該当する。実際、過去には政治団体や行政職員が白紙領収書を使った経費水増しや横領で逮捕されている。
稲田氏は、舛添要一前都知事が辞任した際、次期都知事について「政治に対する信頼をしっかりと回復できる人がいい」などと述べていた。
しかし、今回発覚した稲田氏の不正疑惑は、政治と金の問題で血祭りにあげられ、辞職した舛添氏よりもよほど深刻だろう。舛添前都知事は税金を湯水のように使って贅沢暮らしをし、その公私混同ぶりが問題視されたものの、さすがに私文書偽造なんて話は出てこなかった。一方、今回赤旗がスクープした稲田氏の“白紙領収書疑惑”は、前述のとおり政治資金の横領や裏金作りを誘発するような問題だ。実際に文書偽造及び詐欺罪、横領罪などに該当する行為があれば法的に一発アウトだし、稲田氏側は赤旗に対して「間違った金額を書いているわけではない」と強弁しているが、しかし、こうした白紙領収書を受け取り、非課税の政治資金で不透明なカネの流れをつくること自体、国民への裏切り行為だ。辞任に値するだろう。
もともと稲田氏は、新人時代からBMWを乗り回していたという逸話があるほど、かなりの“金満政治家”だ。都内を中心に約10件の不動産を持っており、たとえば「FLASH」(光文社)15年3月31日号によれば、東京都港区高輪に3億7800万円の土地をはじめとして、夫で弁護士の龍示氏と共同で巨額の土地や分譲マンションを所有している(13年資産公開当時)。2人の所有不動産評価額を合わせるとゆうに8億円を超える額だ。さらには株にも手を出しており、資産運用に余念がないようである。
また、身につけているバッグや洋服は数十万円もするブランド品。また、稲田氏といえば網タイツ姿がトレードマークになっているが、愛用するタイツは、イッセイミヤケ出身のデザイナーが手がける「ソマルタ」というブランドのもの。タイツ一足につき7000円から1万円超という高級品である。
そんな贅沢三昧の稲田氏だが、“白紙領収書”がそうであるように、いざ政治資金というお金になると、かなりセコイ挙動を見せる。
日刊ゲンダイが報じた「ともみ組」の“少額領収書”には、缶ビールやカップ麺、アイス、菓子パンなどの代金を「事務所費」として経費計上されていた。完全に公私混同だが、そのケチくささには舛添氏もビックリだろう。しかも、政治資金を巡っては、稲田氏が地元献金企業などに「ともみの酒」と銘打った日本酒を贈呈するという“買収疑惑”も報じられたことがある。
しかも、この疑惑を報道した「週刊新潮」(新潮社)に対し、夫・龍示氏が記事掲載阻止のために訴訟をちらつかせて恫喝し、さらに記事が公開されるとスラップ裁判まで起こした(4月の地裁判決では稲田氏側の全面敗訴)。
そして今回の大量“白紙領収書”発覚である。繰り返すが、これは国民の目を欺く悪質な詐欺的行為だ。政治資金規正法には、その目的としてこうある。
〈この法律は(中略)政治活動の公明と公正を確保し、民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする〉
〈政治団体は、その責任を自覚し、その政治資金の収受に当たっては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行わなければならない〉
ようするに稲田氏は、自分は巨額の資産をたんまり抱え込んでいるくせに、政治資金という国民のためのお金を無駄遣いして、メディアによるチェックまで封殺しにかかり、さらに政治資金規正法の理念である〈民主主義の健全な発達〉のための資金収受の透明性までガン無視しているのだ。これを“民主主義の敵”と呼ばずしてなんと言えばよいのか。
ちなみに、今回の赤旗報道では、白紙領収書を受け取った稲田氏だけでなく、発行した自民党政治家の名前も報じられている。その中には、加藤勝信一億総活躍担当相、丸川珠代五輪担当相、そして高市早苗総務相など、発足した安倍内閣の閣僚が10人も含まれていた。ようするに、自民党は組織ぐるみで白紙領収書を発行、国民の目を欺き続けてきたのだ。
これらの政治家とともに、稲田氏の疑惑を徹底追及していくべきだろう。
しかし、問題はこの赤旗報道に、はたしてマスコミが続くか、である。ずっと指摘してきたことだが、辞任に追い込まれた舛添知事と同じような「政治と金」の疑惑が発覚しても、安倍政権中枢の政治家については一切報道しない、という状況が続いてきた。この重大疑惑がもし同じように無視されたとしたら、もはやこの国は民主主義国家ではない。
(編集部)
最終更新:2016.08.14 11:48
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