それでも石田純一の勇気を讃えよ! 恥知らずなのは安倍政権に乗っかってバッシングに走ったテレビ局のほうだ

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石田純一オフィシャルブログより


「かねてより都知事選への意欲を示して参りましたが、正式に断念します。いろいろとお騒がせしました」

 昨日、俳優の石田純一が都知事選への不出馬を表明した。これを受けてネット上では「何がやりたかったのか」「ただの茶番」「みっともない」などと非難する声があがり、東国原英夫もTwitterで〈氏の、ワイドショービジネスは、天然なのか、計算尽くなのか〉と揶揄した。

 だが、石田が“茶番”や“ビジネス”で先週、記者会見を行ったという見方は決定的に間違っている。石田は都知事選報道で参院選についてまったく報じようとしないマスコミに一石を投じるため、あえて“客寄せパンダ”となって“参院選の争点は憲法改正”だと強調し、安倍首相の争点隠しを批判。“改憲阻止のためには野党共闘”と訴えたのだ。

 実際、昨日行われた記者会見でも、「捨て身になっても風を起こしたいということを思いまして」と参院選直前に記者会見を行った理由を述べ、都知事選についても「ほんとうに勝つ気があるなら統一候補というものが必要」と野党に協力態勢を求めた。

 さらに、記者から「参院選では野党統一候補が必ずしも勝てなかったが」と野党共闘に批判的な質問が飛ぶと、「一定の成果は出たのではないかと。統一候補にしてなかったら、全然(議席を)取れていなかったなと」と回答した。

 しかし、こうした石田の捨て身の行動はほとんど理解されず、むしろうんざりするような“政治的圧力”がかかっていた。

 現に、メディアはこぞって「都知事選を混乱させる行動」「都知事選と国政の問題を混同している」などと的外れな批判を展開したが、背後には石田の行動に睨みをきかせた官邸の動きが伴っていた。既報の通り、官邸は石田の発言が参院選に影響することを問題視し、各社の番記者や懇意にしている解説者やコメンテーターに、石田の会見を批判もしくは無視するよう牽制していたというのだ。

 その一例が、本サイトが先週お伝えした『報道ステーション』(テレビ朝日)での石田の扱いの問題だろう。『報ステ』は当初、先週金曜の石田の記者会見を4分ほど放送する予定で動いていたが、放送直前になって“上からの通達”によって1分に縮められたのである。

 くわえて、石田を窮地に立たせたのが、CM違約金の問題だ。先週の記者会見の翌日、石田は「テレビ局の判断でCMをACジャパンのものなどに差し替える。その弁償もこちらにかかってくる。天文学的な数字になりそうです」と取材で語り、9日放送予定だった『シネマに乾杯』(ABCテレビ)が放送休止となった。

 昨日の会見で石田は「違約金は発生していませんが、協議の対象になる」と説明したが、都知事選に「出馬表明」したわけでもないのに、なぜ番組が放送休止になり、CMを差し替えなくてはいけないのか。もし放送法を理由に石田を問題にするのなら、むしろ、おおさか維新の会の法律政策顧問という肩書きで政策等に関わっているにもかかわらず、看板番組をもって政治的発言を繰り返している橋下徹こそ議論の対象となるべきだ。

 しかし、橋下はまったく問題にはならず、出馬さえしていない石田はそうして追い込まれ、出馬断念せざるをえなくなった。もちろん、こうしたテレビ局の態度の違いは、石田が“反政権”を表明していたからにほかならない。

 昨年、安保法制の反対国会前デモに参加した際も、石田にはさまざまなメディアからの圧力がくわわった。CMはなくなり、「広告代理店を通して、厳重注意も2、3社から受けました」(「週刊新潮」2015年10月15日号/新潮社)と言い、“二度と国会議事堂にデモに行くな”“メディアの前で政治的発言をするな”と注意されたと明かしていた。だが、石田はそうした圧力にも「世の中のためになることをやりたいと思っているので、“それ(デモに行くな、政治的発言をするなとの厳重注意)は受けられない”って回答しました」という。

 石田は都知事選に対し、野党統一候補なら「応援する」と明言している。どんなに痛めつけられても屈せず、声をあげてきた石田には敬意を表すとともに、安倍政権を批判しただけで実行部隊と化して全力で潰しにかかるメディアの体質には「恥を知れ」と言っておきたい。
(エンジョウトオル)

最終更新:2020.08.23 07:18

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