山本太郎が安倍首相とマスコミ幹部の「接待会食」を追及! 政府と報道各社の対応は?

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左 衆議院議員安倍晋三公式サイト/ 右「参議院議員 山本太郎」オフィシャルホームページより


 先の衆院選後、本サイトでも報じたのが安倍首相と新聞、テレビ等の報道各社幹部たちとの異常ともいえる頻度の会食だった。

 政府批判を封じて、自分たちに都合のいい情報を流すために密室での談合を仕掛ける官邸と、その宴に嬉々として応じ、権力チェックという最大の役割を放棄する新聞、テレビの報道幹部たち。その姿は、先進国の中では類を見ないものだろう。

 だが、この問題を安倍首相に突きつけた人物がいる。それが参議院議員・山本太郎だ。山本といえば、昨年末、小沢一郎代表の「生活の党」と合流。「生活の党と山本太郎となかまたち」という珍党名に変更させ、世間を騒がせたばかりだが、その直前の12月24日、内閣に対して「安倍首相の『会食』に関する質問主意書」を提出。安倍首相とマスコミ幹部の会食の真意を問うたのだ。

 この質問主意書というのは、国会法第74条に基づき、国会議員が内閣に対し質問することのできる制度で、国会での質問機会が限られている少数野党や無所属議員にとって、政府を追及できる貴重な機会となっている。

 だが、自社の幹部たちが安倍首相と会食を繰り返している大手マスコミは、これを一切黙殺した。そして、今月1月9日、内閣からその回答が出されたのだが、これが信じられないようなひどいシロモノだった。

その回答の前に、まずは、山本の質問主意書を紹介しよう。

〈新聞報道によれば、安倍首相は第二次安倍内閣発足以降、全国紙やテレビキー局といった報道各社の社長等の経営幹部や解説委員、論説委員あるいは政治関連担当記者らとの「会食」を頻回に行っていることが明らかにされており、この二年間で安倍首相とこのような報道関係者らとの会食は、実に四十回以上にも及び、歴代首相の中でも突出した頻度であると指摘されている。メディア戦略を重要視しているとされる安倍首相であるが、政権のトップとメディア関係者の親密な関係、政治家とメディアの癒着が、報道の中立公正 公平、不偏不党の観点から批判の対象となることは、今や欧米などの先進諸国においては常識であり、安倍首相のこれらの行動は、国際的な常識から見ても極めて奇異であると言わざるを得ない〉

 こんな書き出しで始まる質問主意書は、「特定秘密の保護に関する法律が成立した平成二十五年十二月六日の十日後に当たる平成二十五年十二月十六日」はじめ、6回の会食について、その会食を企画し呼び掛けたのは誰か、参加したすべての出席者の氏名とその所属及び会食に要した全金額、会食費用を誰が支出したのか、飲食代より低い金しか負担しなかった人物はいたかどうか、安倍首相自身が負担しているかどうかなど、具体的質問を投げかけている。

 たしかに、会食代がどうなっているのか、税金で払われたのか、安倍首相が個人でマスコミを接待したのか、その逆なのかは、国民そして税負担者としてはもっとも知りたい部分だ。

 ところが、1月9日に内閣から提出された回答は、酷いものだった。

「(6つの会食について)御指摘の「会食」については、政府として企画等を行っておらず、その費用も支出していないことから、お尋ねについてお答えすることは困難である」

 たったこれだけ。何とも人を小馬鹿にしたような回答だ。政府のトップである首相が日本を代表するようなマスコミ幹部と会食をしているにもかかわらず、「政府として企画等を行っていない」とは一体どういった了見なのか。「その費用も支出していない」というのは安倍首相のポケットマネーか、それともマスコミによる接待か? 割り勘か? もし安倍首相が全額出していたなら世論を左右する(利害関係がある)マスコミへの利益誘導だし、逆にマスコミが支出していたなら安倍首相への寄付行為や利益供与、賄賂にならないのか。

 とくに、これらの会合が、集団的自衛権、靖国参拝、選挙など、日本の政策や外交の重要時期、節目に行われていることも大きな問題である。

 にもかかわらず、まったくのゼロ回答。これってもしかして特定秘密保護法の適用内なのか、というギャグさえ浮かぶが、そんな安倍首相と内閣に代わって本サイトが回答しておこう。まず、場所と出席者だが、以下のようになっている。

●秘密保護法成立後の13年12月16日
場所=東京・山王パークタワー内中国料理店「溜池山王聘珍樓」
出席者=田崎史郎「時事通信」解説委員、山田孝男「毎日新聞」専門編集委員、曽我豪「朝日新聞」政治部長、小田尚「読売新聞」東京本社論説委員長、粕谷賢之「日本テレビ」報道局長

●靖国神社を訪問した13年12月26日
場所=東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京内日本料理店「雲海」
出席者=報道各社の政治部長

●消費税増税が施行された14年4月1日
場所=東京・四谷の居酒屋「鉄板酒場アケボノヤ四谷店」
出席者=報道各社の記者

●翌4月2日
場所=東京・赤坂の日本料理店「こうしんほう」
出席者=赤座弘一「BS日テレ」社長、原田亮介「日本経済新聞」常務執行役員ら報道各社の政治部長経験者

●集団的自衛権行使容認の検討を公式に表明した14年5月15日
場所=西新橋「しまだ鮨」
出席者=田崎史郎「時事通信」解説委員、山田孝男「毎日新聞」専門編集委員、島田敏男「NHK」政治解説委員、曽我豪「朝日新聞」政治部長、小田尚「読売新聞」東京本社論説委員長、粕谷賢之「日本テレビ」報道局長

●衆議院選が行われた14年12月14日の翌々日
場所=西新橋「しまだ鮨」
出席者=田崎史郎「時事通信」解説委員、曽我豪「朝日新聞」政治部長、山田孝男「毎日新聞」専門編集委員、小田尚「読売新聞」東京本社論説委員長、石川一郎「日本経済新聞」常務、島田敏男「NHK」政治解説委員、粕谷賢之「日本テレビ」報道局長

 また、費用については、これら会食の場となった飲食店はほとんどが予算は一人1万円から3万円はかかる高級店ばかりだ。そして、費用を誰が負担しているかだが、全国紙の政治部幹部に取材をしたところ、こんな証言をした。

「官邸記者クラブに所属する全社に参加が呼びかけられるようなケースは、報道の側が分担して費用を支払うんだよ。一応、建前上、こちらがお願いするというかたちをとるため、安倍首相や政府関係者の飲食代金も報道の側で支払う。もちろん、個人じゃなくて会社が支払うんだけどね。ただ、安倍政権では、官邸から社長や政治部幹部などが個別に名指しされて会食するケースも結構あって、その場合は官邸側が支払うことが多い。おそらく官房機密費から支払われてるケースもあるんじゃないかな」

 一方では、報道各社が安倍首相の費用までもって会食を催し、裏では官房機密費でマスコミ幹部が官邸から接待を受ける。まさにずぶずぶ。これでは山本の質問主意書に政府が木で鼻をくくったような回答しかしないのも、そして新聞、テレビ各社が山本の質問主意書のことを一切報道しないのも当然だろう。少しでも具体的な話に触れたら、それこそ国民が烈火のごとく怒りだすような実態が引きずり出されかねないからだ。

 政財官にマスコミも加わった癒着談合体質──日本は汚職や腐敗が跋扈する公平度の低い非民主主義独裁国家への道をひた走っている。
(野尻民夫)

最終更新:2017.12.09 04:59

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