自民圧勝で飯島勲の自慢が止まらない! でも選挙予測は大外れなんですけど

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
iijimaisao_01_141223.jpg
大自慢の飯島氏だが…(画像は『官僚』青志社より)

「衆院選はオレが再三再四、独自予想してきたように自公連立の圧勝に終わったな」
 
 先の衆院選を“自民圧勝”と予測していた飯島勲内閣参与。選挙の結果に、「週刊文春」(文藝春秋)12月25日号の連載でさっそくこう吠えた。しかも、今回の選挙では自分の対民主党作戦がまんまと当たったことをこう自慢げに語る。

「海江田代表や枝野幸男幹事長が当落線上だったんで、二人の選挙区に自民党最強の応援弁士を連日投入してとことん攻めろ、と、党選対の奥の院に助言したのよ」
「彼らが自分の選挙区に張り付けば、民主党の選挙戦略は崩壊だろ。この「足止め作戦」も我ながら的中したぜ」(同)

 さらには、12月9日、安倍首相の地元・山口4区に入って応援演説したことを自慢げに語る。

「四十年を超える永田町暮らしだけど、専らカゴを担いでばかりの黒子役よ。それが安倍候補本人が不在の下関市での総決起集会で、初めて表舞台に上がらせていただいた。二千人近くは集まったんじゃないかな。」(12月25日号)

 安倍首相の代理をつとめたといいたいのか、それとも2千人を集めたのは自分の手柄だと言いたいのかは分からないが、とにかく鼻高々なのだ。

 そして、調子に乗った飯島はこれから民主党を壊滅させることができると宣言する。

「岡田克也、前原誠司、細野豪志の各氏らを次の執行部に引っ張り出すのよ。
次の大勝負は、一六年夏の参院選さ。新執行部も来年1年間、手探りで党再生だなんだやっているうちに賞味期限切れよ。そうすれば、参院選も自民党がいただきで、民主党にはその次のリーダーはもういないじゃん。旧社会党と同じ運命をたどってもらうしかないな」

 確かに、現在の民主党は政策もバラバラで内部分裂一歩手前。次のリーダー不在というのも納得である。自民党圧勝を見事当てた飯島参与の予言は次も当たってしまうのか。もし飯島参与のシナリオ通りにことが進んでいけばそれは自民党による一党独裁という恐怖政治が待ち受けている。

 しかし、実は今回、飯島参与の“予言”は、自分で言うほど的中しているわけではないのだ。飯島の予言が当たったのは「自民圧勝」というおおざっぱな現象だけ。選挙前の同連載12月4日号では自民党単独で300議席を予測。さらに12月18日号では、飯島は議席数について「間違いなく自民党が現有議席から上積みするよ」「小選挙区で二百四十。比例代表で七十三まで伸ばし単独でも計三百十三議席の圧勝だな」と断言していた。

 ところが、実際の結果では、自民党は議席を減らし291議席に終わった。また民主党にしても前回より議席を伸ばす結果となっている。

 また飯島は同じく12月4日号で、「小沢一郎、枝野幸男…大物落選候補を名指しする!」との記事中、上記の小沢、枝野以外にも、浅尾慶一郎、平沼赳夫、馬淵澄夫、赤松広隆、原口一博、高木義明を挙げ当落線上と指摘している。しかし蓋をあけたら。飯島が名指しした議員は全員当選!(高木義明だけは比例復活) まったくもって残念な結果に終わっている。

 全国紙政治部記者が苦笑まじりにこう語る。 

「たしかに飯島さんの言うように、自民党の事前調査では300議席をはるかに超える数字が出ていた。しかし、官邸と自民党はゆるみにつながるとこれをひた隠しにしていた。ところが、飯島さんがそれを『文春』でばらしてしまったんで、他のマスコミも追随。一気に自民党圧勝ムードが広まってしまった。官邸は頭を抱えていましたよ」

 つまり、結果をはずしたのは、自業自得ということらしい。

 そもそも、このところの飯島参与は、官邸の政策決定からは外され気味で、安倍首相や菅官房長官らからも疎んじられているという見方もある。

「飯島さんは一連の北朝鮮との交渉でも完全に外されていましたし、解散や選挙などにもほとんど関われていない。あの過剰な自慢は、焦りというか、逆に存在感を示すためのアピールじゃないでしょうか」(前出・政治部記者)

 たしかに、ほんとうに政権の内部に食い込んでいれば、こんなに軽々しく内情を口にするわけがない。そう考えると、飯島参与もそろそろ政界の寝業師らしく安倍政権に見切りをつけて、かつての親分の息子・進次郎の参謀にでもなったらどうだろう。いや、それは、進次郎が嫌がるか(笑)。
(野尻民夫)  

最終更新:2014.12.23 09:06

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

なぜ4割の得票で8割の議席なのか

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

自民圧勝で飯島勲の自慢が止まらない! でも選挙予測は大外れなんですけどのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。自民党選挙野尻民夫の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

1 小林製薬「紅麹」で問題視される「機能性表示食品制度」は安倍案件!
2 櫻井よしこの朝日攻撃の「捏造」が法廷で
3 東山紀之が“反ヘイト本”を出版
4 乙武洋匡が不倫旅行、5人の女性と関係
5 安倍派裏金で読売新聞「非公認以上の重い処分」報道の違和感!
6 久米宏が終了決定のTBSラジオで田中真紀子と
7 セカオワFukaseのいじめ発言
8 葵つかさが「松潤とは終わった」と
9 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(前編)
10 コロナ収束前の「Go To」予算1兆7千億円計上に非難殺到も田崎史郎は…
11 東山紀之、朝鮮学校無償化に言及
12 五輪延期で発覚!安倍のお友だち「アパホテル」に組織委用の部屋
13 石田純一がコロナバッシングで「組織に狙われている」と語った理由!
14 御用新聞・産経が安倍首相に食い下がった毎日記者を攻撃する露骨ぶり
15 安倍は辞任報道でもお友達優遇! 前回のTBS時代の山口敬之が
16 世界的建築家の「カジノありきの万博」批判に大阪市長が大ウソ反論
17 小泉進次郎が「靖国参拝」したのは父親と同じ右派支持狙いの戦略か
18 総裁選で自民党がまた新聞社に圧力文書!
19 松本人志『ドキュメンタル』のセクハラ
20 和泉・大坪の安倍側近“不倫コンビ”の新疑惑を政府機関の理事長が告発

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄