『FNS歌謡祭』で露呈したジャニーズ派閥抗争の深刻度 奇跡の共演のはずが…

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派閥を超えたドリームコラボはやっぱり……


 毎年高視聴率をたたき出してきた年末の恒例番組『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)だが、昨日(12月3日)放送された『2014FNS歌謡祭』は、過去最低の15.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録し、物議を醸している。

 今回、目玉企画とされていたのが、SMAP、嵐、TOKIO、関ジャニ∞といったジャニーズ事務所所属のグループ14組による約25分にも及ぶ“ジャニーズメドレー”だ。ジャニーズの大御所・近藤真彦のデビュー35周年を記念し後輩たちが登場し、マッチとのコラボを披露するということで、ジャニヲタたちは大盛り上がりだった。

 ジャニヲタたちがここまで喜んだのは、単に多くのジャニーズを堪能できるからではない。今回のメドレーが、最近ほとんど見られなかったジャニーズの派閥を超えた共演だったからだ。

 本サイトでも既報のとおり、ジャニーズにはジャニー喜多川社長の姪にあたる藤島ジュリー景子氏率いるジュリー派と、SMAPをイチから育て上げたチーフマネジャー飯島三智氏の飯島派があると言われている。ちなみに、ジュリー派に属すのは、TOKIO、嵐、V6、関ジャニ∞、KAT-TUN、NEWS、Hey! Say! JUMPで、飯島派にはSMAP、Kis-My-Ft2、Sexy Zone、山下智久、A.B.C-Zが。KinKi Kidsとタッキー&翼は、ジャニー社長の直轄。ドラマやバラエティのキャスティングにまで影響を及ぼすというこの派閥争いは、年々激化の一途をたどってきた。詳しくは以下の記事を一読してほしい。

▽ジャニーズ事務所が分裂寸前!? ジュリーVS飯島の派閥抗争が深刻化!

 なかでも、露骨なのが今回の『FNS歌謡祭』のような生放送の大型音楽特別番組。SMAPの草彅や中居が司会を務める『FNS歌謡祭』や『FNSうたの夏まつり』(フジテレビ系)、『音楽の日』(TBS系)には、飯島派のメンバーのみが出演。逆に嵐の櫻井翔が総合司会を務める『THE MUSIC DAY 音楽のちから』(日本テレビ系)では、ジュリー派のメンバーが名を連ねるといった異常事態が続いていた。

 唯一、この派閥関係なく楽しめると言われていた年越しの『ジャニーズカウントダウンコンサート』(以下、カウコン)も、今年は生中継されないことが決まったという報道もあった。

 それだけに、今回の『2014FNS歌謡祭』で見られる派閥を超えた共演には、Twitterでも「嵐とSMAPが同じ画面に収まっているのが貴重」「マッチの力は派閥を超える」「派閥関係ないって素晴らしい!!!泣ける!!!」と、歓喜する人が続出。これを機に、派閥がなくなるかもという期待の声さえ高まっていた。

 ところがこの“奇跡の共演”、フタを開けてみると、派閥がなくなるどころか、むしろ派閥問題の根深さを露呈するものだったのである。

 マッチ自身も「奇跡のメドレー」と豪語したこのメドレーは、デビューの若いジャニーズWESTから順に自身の曲を披露。そのさまも、まさに年末のカウコンのようではないか。その後は、「さぁこっからがメインだぜ!」というキムタクの声を皮切りに、いよいよマッチと後輩たちのコラボメドレーが始まる。『ギンギラギンにさりげなく』は嵐とKAT-TUNがコラボし、続く2曲目の『スニーカーぶる~す』はV6とジャニーズWEST。『ブルージンズメモリー』をSexy ZoneとA.B.C-Zが歌い、『ハイティーン・ブギ』は司会の草彅を除くSMAPとKis-My-Ft2。『ケジメなさい』をNEWSとHey! Say! JUMP、『愚か者』はTOKIOと関ジャニ∞、KinKi Kidsと滝沢秀明が『千年恋慕』を披露……。

 もう一度、この組み合わせをよーく見てみてほしい。先述した派閥の内訳と見比べてみると、『ギンギラギンにさりげなく』『スニーカーぶる~す』『ケジメなさい』『愚か者』はジュリー派、『ブルージンズメモリー』『ハイティーン・ブギ』は飯島派と、キッチリ住み分けされているではないか。実際は、派閥を超えたコラボなどひとつもなかったのだ。むしろ、「今年デビューしたジャニーズWESTはジュリー派なんだな」「派閥のイメージがなかったけど、A.B.C-Zは飯島派だったのか!」といった具合に、よりその派閥をハッキリ認識させる結果となった。ここまでくると、同じ番組には出しても、意地でも派閥は超えさせないという強固な意志さえ感じる。

 奇跡の共演のはずが、逆に派閥問題の根深さを露呈してしまったジャニーズメドレー。いくら今回の『FNS歌謡祭』で派閥を超えたメンバーが一堂に会したといっても、実情がこれでは今回を機に派閥の壁がなくなるなど望み薄だろう。

 こうなってくると、大晦日のカウコンの消滅も現実味を帯びてくる。カウコンの生中継消滅に関しては、フジテレビのきくち伸氏の異動により調整役がいなくなったためという報道もあるが、フジテレビとの調整役以前に、派閥問題ゆえにカウコンの存続自体が危ういというのが本当のところなのではないか。実際、昨年のカウコンでは初めてSMAPの香取慎吾が登場したにも関わらず、嵐、TOKIO、紅白の出場がなかったV6すらも出演しなかったし、同じ派閥でしかコラボしていない状況で、すでにかつてのカウコンとはちがうものになっていた。

 とはいえ、メドレー後に全員がステージ上に集まった際、SMAPの後ろに嵐やKAT-TUNが並んでいたり、メドレーでTOKIOが「カモーンSMAP!」とSMAPを呼び込んだりしているように、べつにタレント同士の仲が悪いというわけではない。キムタクも、ジャニーズの先輩後輩が一堂に会したことについて「FNSに感謝してます」とコメントしている。そう思ったのは、ファンも同じだろう。今年のNHK紅白歌合戦に史上最多となる6組ものグループを出場させるなど我が世の春を謳歌するジャニーズ事務所だが、こんなことをしていたら、ファンどころか、タレントにまで愛想つかされる日も近いかも知れない。
(編集部)

最終更新:2014.12.04 10:15

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