ろくでなし子また不当逮捕!今度は警察の横暴を暴露したマンガへの報復?

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またもや逮捕!おかしい!(ろくでなし子公式ブログより)

 これを表現の自由、そして女性への弾圧と言わずして何と言おう。もちろん、昨日、「わいせつ物公然陳列」の疑いで逮捕されたアーティスト・ろくでなし子氏と作家・北原みのり氏の件だ。

 ろくでなし子氏が逮捕されるのは、7月につづきこれで2度目。今回は、ろくでなし子氏の作品を、北原氏がオーナーを務めるアダルトショップ「ラブ・ピースクラブ」で扱っていたことから2人が逮捕されたが、「わいせつ物公然陳列」であれば、ふつうなら在宅起訴で済まされるもの。それをいきなり逮捕するという警察の処置は、暴挙以外の何物でもない。

 しかし、じつは今回の逮捕の裏には、ろくでなし子氏が釈放後に書いたマンガに原因があるのではないかという声が挙がっている。

 そのマンガとは、「週刊金曜日」(金曜日)で連載されていた、『ワイセツって何ですか?〜「自称芸術家」と呼ばれた私〜』だ。これは7月に逮捕された際に受けた取り調べの様子などを綴ったエッセイマンガなのだが、昨日、ろくでなし子氏の再逮捕を受けて「週刊金曜日」編集部は抗議声明文を発表。そこでは〈今回の再逮捕のきっかけの一つとして、『週刊金曜日』における、ろくでなし子さんの連載漫画が考えられます〉と明かし、〈警察や司法当局が自らの不都合な事実を隠ぺいするために、または報復的に、ろくでなし子さんの逮捕に及んだとすれば、これは自由な表現活動に対する重大な侵害と暴力行使でしかありません〉と抗議を行っている。

 一体、マンガではどんなことが書かれていたのか。ここに紹介しよう。

 まず、前回のろくでなし子氏の逮捕容疑は、「わいせつ電磁的記録媒体頒布罪」の疑いだった。これは、ろくでなし子氏がクラウドファンディングで「わたしの「まん中」を3Dスキャンして、世界初の夢のマンボートを作る計画に支援を!」というプロジェクトを行い、その際に3000円以上の出資をしてくれた人たちに「新たな作品を創ってほしいという願いを込めて」、3DスキャンしたまんこデータをダウンロードできるURL(7日間限定)をリターン(お礼)として贈ったことが逮捕の理由だった。

 しかし、名前も明かして堂々と活動しているろくでなし子氏に逃亡のおそれなどはないにもかかわらず、刑事11名が突然自宅に押しかけて「警察だけど今からガサ入れするから!!」と宣言。まんこ作品を次々と押収していったという。

 といっても、さすがはポップアートとしてまんこを扱うアーティストらしく、このマンガでも刑事とのやりとりはウィットに富んでいる。たとえば、刑事が“まんこ”と口にできず、「これは五十嵐さん(私の本名)の……アソコですか?」と口ごもるのを尻目に、ろくでなし子氏はまんこを連発。すると、刑事たちもいつのまにか「こっちにもまんこありました」「3Dまんこ発見!」などと話すようになったそう。──こうした描写も、警察にとっては許しがたかったのだろうか。

 だが、きっと警察にとってもっとも不都合だったのは、刑事たちのお粗末ぶりを暴かれてしまったことだろう。

 そのひとつは、連行されたろくでなし子氏が、刑事が読み上げる容疑の内容がヘンだと感じたときのこと。ろくでなし子氏は「私「不特定多数に送った」ってなってますけど クラウドファンディングに出資してくれた特定少数のまちがいでは?」と刑事に問うたが、担当刑事の反応は「え…くら…何?」。挙げ句、「わしゃーインターネットの事がよくわからんのう」と言い訳するのだ。そう、肝心のクラウドファンディングについても刑事は理解しないまま、ろくでなし子氏を逮捕していたのである。

 これだけでも十分唖然とさせられるが、刑事の横暴はまだまだつづく。取り調べで刑事は科学捜査研究所からの資料を叩きつけ、「科捜研があんたのやっている事はワイセツだと証明したの!」「つまり国がワイセツ犯だと認めたんだよ!!」と詰め寄ったが、じつはこの資料、たんに〈3Dまんこデータが専用ソフトで開けるよという証明書〉に過ぎないモノ。さらに、説明もないままに供述調書に署名と押印を求められるものの、調書には“容疑者には黙秘権があることを聞いた”という項目が。「こんなの聞かされてないよ」とろくでなし子氏が言うと、「あーっいけね!黙秘権のこと言い忘れてた!!」「いーじゃん いーじゃん聞いたことにしようよ〜」と丸め込もうとさえしている。

 だいたい、はじめて逮捕された者には、何をどうするのか、どうしたらいいのか、勝手などわからない。それをいいことに、刑事は弁護士についても、「当番弁護士は1回目は無料だけど次からはお金かかるよ 40〜50万くらい」と説明。実際は、お金がない場合、日弁連の刑事被疑者弁護救助制度を利用することができるが、刑事はろくでなし子氏に〈ウソを言っていた〉のだ。

 こうした状況で、ろくでなし子氏は“罪を認めれば出られる”“罰金15万くらい払えば出られる”と考えていたという。だが、対面した当番弁護士から「罪を認めたらなし子さんは活動できなくなりますよ」「けど こんな事で捕まるなんておかしいですよ」と言われたことで気持ちが変わった。拘束された中、「この逮捕はおかしい」と言う人がやっと現れたことで、〈本来の自分をとりもどせた〉のだ。

 その後は、やはり「まんこ」と言えず、供述調書に「女性器」と変換する刑事に、裁判で供述調書を読むのが自分ならば〈私らしい言葉にしてもらわなきゃ困る!!〉と「まんこ」に修正するよう求めるなど、果敢に闘ったろくでなし子氏。そして供述調書は〈前代未聞のまんこまみれ〉になったという。ちなみに、供述調書は自分が読むと思っていたろくでなし子氏だが、これは間違いで、裁判になった場合、検事がこの調書を読み上げることになるらしい。

 このように、警察のマヌケさ、雑さを見事に描いているとはいえ、これくらいの内容でも怒って逮捕してしまうのが、日本の警察の実態である。そもそも、以前もお伝えしたように、ろくでなし子氏の作品は、決してわいせつ物ではない。ろくでなし子氏は、「まんこ」に対する世間のまなざし──いやらしい、下品、女性が口にすることではない──に疑問を感じ、まんこの所有者たる女性自身が親しめるよう、ポップで明るく楽しいイメージづくりを行ってきたのだ。また、北原氏の「ラブ・ピースクラブ」も、男性視点の“男が女に用いて楽しむ”アダルトグッズではなく、女性が性の主体となれるグッズを取り扱っている。ふたりとも、男性中心主義の社会のなかで隠蔽されてきた“女性の性”を、自らの方法で表現してきた。それをわいせつと呼ぶことは、「女性は性を語るな」と禁圧していることに等しい。

 この、不当かつ女性の性表現を抑圧する逮捕を、断じて許してはいけない。
(田岡 尼)

最終更新:2014.12.04 12:01

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