日清、イオン、グリコ…もメッタ斬り!あの食品をプロが実食テストした結果

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『スーパーマーケット最強バイブル』 (晋遊舎)

 カレーにシチュー、パスタソース……スーパーやコンビニの棚に並ぶ、同じジャンルの商品たち。種類が豊富なのはありがたいが、消費者としては「で、どう違うんだろう」と悩むこともしばしばだ。

 そんなとき、よき助っ人となってくれるのが「商品テスト」の結果だ。消費者の目線であらゆる生活品を比較・批評することで人気を博している雑誌「LDK」(普遊舎)が特別編集した『スーパーマーケット最強バイブル』では、調味料からレトルト食品まで全694製品をプロと編集者が実食テストを決行。きちんと商品名を出してジャッジを下しているのだ。

 たとえば、お手頃価格で人気のプライベートブランド(PB)食品のなかでも、各社が力を入れているレトルトカレー。とくにお世話になりがちな100円前後の「お買い得カレー」でベストバイに選ばれたのは、ユニーの「ビーフカレー辛口・中辛」。食育・料理研究家の北山みどり氏によれば、「安いですが破綻がなく、味のバランスがいい」とのこと。このほか高評価のAを付けられているのは、同じくユニーの「StyleOneビーフカレー辛口・中辛」と、イオン「トップバリュ ビーフカレー辛口・中辛」だ。

 逆に「トホホ、がっかり」判定なのは、イオン「トップバリュベストプライス カレー中辛」と、西友「みなさまのお墨付き カレー甘口」だ。前者は「具は粉々でとろみが過剰」、後者は「具は大きいけど、甘みが不自然」という理由らしい。同じイオンのPB食品でも、評価が割れているのはとても興味深いところだ。

 また、近年定着してきた冷凍パスタ。こちらもジャンル毎に評価を下しているが、みんな大好きナポリタン部門で1位に輝いているのが、日清製粉「マ・マー 金のスペシャリテ ソテースパゲティ ナポリタン」。「オイル分がやや多めでソテーした感あり」だといい、「いかにも王道ナポリタン」という高評価を得ている。一方、「お世辞にもお薦めできない」とこき下ろされているのが、日清食品の「スパ王 ナポリタン」。「パスタに粉をまぶすだけなんて、ちょっとわびしすぎます!」ということらしい。

 ナポリタンと並んで人気のあるカルボナーラ部門でトップとなっているのは、セブン&アイの「セブンプレミアム カルボナーラスパゲッティ」。ただし、カルボナーラは卵黄のコクを再現することが「至難の業」であるようで、全体的に味の完成度は低い。せっかくのトップであるセブン&アイの製品も、「おとなしく上品にまとまった、一般受けする味でふつうにおいしい」という、あまり積極的ではないジャッジだ。同様に、オイルパスタ系も各社ともほぼ惨敗で、日清食品の「冷凍 日清スパ王プレミアム ぷりぷり海老と彩り野菜のペペロンチーノ」にいたっては「海鮮焼きそば風で、ペペロンチーノ本来の味は微塵もありません」とのこと。どうやらカルボナーラとペペロンチーノは自作したほうがよさそうだ。

 さらに、これからの季節に食卓へよくあがるクリームシチューのルウも、28品を120点満点で採点。そんななか首位に立ったのは、96点を叩きだしたキャニオンスパイスの「こどものためのクリームルウ」。「余分な味がせず、素材のよさを感じさせるやさしい味」といい、こども向けながら「大人も楽しめるシチュー」らしい。続く第2位は、グリコ「クレアおばさんのシチュークリーム」が87点。ヱスビーやハウス食品と比べるとグリコは後発メーカーだが、その健闘ぶりに審査員からは「グリコには舌が抜群にいい開発者がいるのでは?」との声も挙がったほどらしい。

 で、気になる最下位はというと、「クリームシチューというよりただの味の薄いルウ」というジャッジで34点となった、フルーツバスケットの「オラッチェ クリームシチュウ」。ほかにも「ブイヨンの塩気が強く、シチューというよりチキンラーメンのよう」と辛辣な意見が寄せられているのは、50点に終わったヱスビーの「とろけるシチュークリーム」だ。

 他方、レトルトでは、「文句なくおいしい」という中村屋「ごろごろ野菜を煮込んだ濃厚クリームシチュー」が97点でトップ。最下位は、「水っぽいですが油が多く、とろみはあります」とまったく褒められていない54点のヱスビー「なっとくのクリームシチュー」となっている。ちなみに、ホワイトソース部門では、ハインツの「ホワイトソース」が1位で81点、2位は同じくハインツの「ホワイトソース 特選」が74点。2位の商品のほうが「特選」というだけあり価格も高値だが、通常缶である1位のものより「くどくなっています」という。高ければおいしいはずと考えがちだが、実際はそうとは限らないようだ。

 このほかにも、醤油や食パン、ドレッシングなどのベストバイが数多く紹介されている本書。「LDK」のように「商品テスト」の結果を掲載した雑誌は、古くは「暮らしの手帖」(暮らしの手帖社)が先駆けだったが、コストがかかることもあって衰退してしまったジャンル。とくに雑誌の収入源である広告を出稿する企業の商品を真っ正面から批評することなどは、雑誌界の大きなタブーとなっている。そんななか、このように正直なレビューを掲載するということは、まさしく読者目線である証拠。雑誌の廃刊が相次ぐ厳しい状況ではあるが、悩める消費者のためにも、「LDK」には今後もぜひがんばってほしいものである。
(サニーうどん)

最終更新:2015.01.19 05:04

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