20歳年下の一般女性にメロメロ! 新婚・松尾スズキが“加トちゃん化”?

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画像は「大人計画 OFFICIAL WEBSITE」プロフィールより


「婚約指輪というものを人生で始めて買ったんです。最初はサプライズで買おうとしたんだけど、でも、あれってサイズが違うとやり直しになっちゃうじゃない。なので、しょうがないからサイズを聞いて確認して」
「かわいい人です。僕は、とっても美人だと思ってます」
「一緒にいるときは、僕はずっと冗談を言ってるんで、それに飽きずに付き合ってくれるし、ずっと笑ってくれますし」

 このベタな発言、ほんわかバラエティタレントのコメントではない。信じられないだろうが、あのダークな笑いを誘う作風で知られる劇作家・松尾スズキの発言なのである。

 たしかに松尾が少し前に再婚したのは知っていた。2007年に最初の妻と離婚した後、弟子的存在だった作家の本谷有希子との同棲なども噂されていたが、その本谷も昨年、別の男性と結婚。松尾のほうはと思っていたら、今年5月1日、ツイッターで「今日午後12時過ぎ、普通自動車免許を持った一般の女性と入籍しました」と発表したのだった。

 もっとも情報はそれきりで、以降は具体的な話はほとんど聞かれなかった。ところが、その松尾が最近、女性誌「GINZA」(マガジンハウス)9月号の岡村靖幸との対談に登場。新妻とつきあいはじめたのが1年半前であること。相手の年齢は31歳で松尾とは20歳差であること。一般女性でもともと松尾のファンだったこと……。こうした具体的な情報を告白したうえ、オノロケを連発したのである。とにかくその浮かれっぷりは相当なもので、冒頭の発言以外にも、こんなことを語っていた。

「最初は、結婚を前提にとか、そういったことはまったく考えてなかったんですけど、何度か会ううちに、「気が利く人だなあ」と。彼女といると安堵感があるんです。家に帰れば、僕がやるであろうことを事前に段取っておいてくれますし」
「(愛しているとか好きとかを)マメに伝えるようにはしています。というか、いままでこういった話を公の場ではしたことがなかったんですが、これからは積極的に言っていこうかなと」
「結婚して間もないんで2人で旅行をしたいなと思ってます。(中略)嫁さんは旅行好きで結構頼りになりそうなんです。彼女にアテンドしてもらって海外旅行とかしたいです(笑)」

 しかも、松尾は結婚式まであげる気になっているらしい。

「前回は結婚式とかそういったことは何もしなかったんですが、今回はしてみようかなと。なので、10月に式を挙げるんですよ」
「いまはもう、新郎新婦入場で、平場から出るのか階段から出るのかで悩んでるところでね」
「結婚式の準備ってホント大変なんですよ。まさに、昨日、式場に行ってパンフレットを見てきたんですけど、選ばなきゃいけないものがたくさんありすぎて」
 
 まあ、意図的に浮かれキャラを演じている部分もあるとは思うが、インタビューやエッセイで加齢と疲労と孤独感を延々愚痴り続けていた少し前の松尾とは雲泥の差ではないか。松尾をよく知る編集者がこう話す。

「松尾さんはああ見えて正直な人で、わざと演じているようで、意外と本音がでる。本谷さんにもふられて、かなり落ち込んでいましたから、かわいい年下の奥さんに出会えてうれしくてしようがないんでしょう」

 もうひとつ、松尾が今回、ここまでメロメロになって結婚したのは、新妻がはじめて出会った「一般女性」であることが大きいようだ。

「(いままでは)「表現をする人」と付き合うことが多かったので、表現をしない一般女性ってこういう感じなんだと初めて知ったというか。いろんなことがちゃんとできるんだなって」
「今までずっと「素っ頓狂系」が多かったんですよ。元嫁も素っ頓狂でしたから」
「結局素っ頓狂を受け入れられるかどうかは体力なんですよね」
「やっぱり人生の後半になってくると、支えてくれる人が身近にいるというのは大事なことなんです。僕は、これからもまだまだ作品を作っていきたいし、それをフォローしてくれる人は絶対に必要だなって」

 ようするに、今までは元妻や本谷のような奔放な女性とつきあってきたが、歳をとって弱ってきたので、自分の世話を焼いてくれる人に魅かれるようになったということらしい。

 結婚を決めた理由もそのへんらしく、岡村から聞かれて「嫁は僕より相当若いわけです。そうすると、最終的には彼女が僕の面倒をみることになるだろうし、僕がポックリと逝ったとしても、著作権やらなにやら、そういっためんどくさいこともスムーズに渡せるようにしたいなと」「というか、僕の余生を考えた結果といいますかね。やっぱね、老後を世話してもらいたいというスケベ心があるんですよ(笑)」と答えている。

 まあ、歳をとって女性の好みも保守的になるというのはありがちなパターンだが、本人が幸せならいうことはない。しかし、問題は松尾の作風が人間のよこしまな欲望やどす黒い部分を笑いに変えるという過激なもので、松尾自身の生き方や生活も相当に自由で過激だったということだ。はたして、それがまっとうな面倒見のいい堅気の女性にうけいれてもらえるのだろうか。実は、結婚以来、いろんな面で嫁のチェックが厳しくなっていると松尾は告白している。

「女性と2人で飲みにいくのは控えてほしいとか、そういうことは言われますね。」といい、風俗好きを公言していた松尾が「僕も風俗はもう二度と行かないんです。断じて行きません」と岡村に宣言するのだ。さらに作品作りにも影響しているようで、松尾はこうも語っている。

「エロい仕事をやろうものなら、ものすごく理論武装しないと、自分の欲求を満たすためにやるんじゃないかと思われちゃう」
「僕は、次に映画を撮るならものすごくエロいものを撮りたいと考えていて。でも、そういうことに嫁はすごく抵抗感を示すんです。とはいえ、やるんです。やるんだけど、そういう作品を作ったとき、嫁がどう反応するかは気になるところなんです」

 このままいくと、純粋なラブストーリーとか人情話を書き始めるんじゃないかと心配になるが、しかし、松尾はそんなことは意に介さず、こう語る。

「究極は、岡本太郎と岡本敏子の関係だと思いますけど。そんなことを言うと「私は敏子なのか!」って嫁に怒られそうなんだけど(笑)」
「太郎と敏子の2人で「岡本太郎」をつくるという、その関係はいいなと思いました。それに倣ったわけではないけど、2人で「松尾スズキ」をつくればいいじゃないかって」

 なんかこのままいくと、岡本太郎じゃなくて、加トちゃんになってしまうんじゃ……という予想がおさえきれなくなった対談だった。
(酒井まど)

最終更新:2015.01.19 05:46

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