安倍首相が広島“原爆の日”にまた冷酷対応! 広島市長の核兵器禁止条約参加の訴えを無視、原爆養護ホームも訪問せず

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安倍首相が広島原爆の日にまた冷酷対応! 広島市長の核兵器禁止条約参加の訴えを無視、原爆養護ホームも訪問せずの画像1
首相官邸ホームページより


 どうしてこうも毎年、被爆者の思いを無視できるのか──。きょう、74回目の原爆の日を迎え、広島市の平和記念公園では「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」がおこなわれたが、やはり今年も、安倍首相のスピーチは上辺だけ取り繕った、無味乾燥なものだった。

 たとえば、きょう安倍首相がおこなったスピーチは、「令和の時代」だの「新しい時代」だのといったフレーズを組み込みつつも、話している内容はほとんど昨年の言葉を同じような表現で言い換えただけ。構成もほぼ同じで、昨年語った「賢人会議」の話題に、今年は「核兵器不拡散条約発効50周年」をプラスしたくらい。2014年には広島で前年とほぼ同一の文章を“朗読”して批判が殺到したにもかかわらず、長崎でもそれと同じコピペ演説をおこなうという事件を起こした安倍首相だが、その姿勢は本質的には何も変わっていない。

 無論、唯一の被爆国でありながらいまだに署名・批准していない核兵器禁止条約にふれることはなく、「核兵器国と非核兵器国の橋渡しに努め、双方の協力を得ながら対話を粘り強く促し、国際社会の取り組みを主導していく決意」などと述べた。

 一方、そうした安倍首相の核廃絶へのやる気のなさ、被爆者の思いを軽視する姿勢に対し、はっきりとNOを叩きつけたのは、松井一實・広島市長だった。

 松井市長は平和宣言を、このような言葉からはじめた。

「いま世界では自国第一主義が台頭し、国家間の排他的、対立的な動きが緊張関係を高め、核兵器廃絶への動きも停滞しています。このような世界情勢を、みなさんはどう受け止めますか。2度の世界大戦を経験した私たちの先輩が、決して戦争を起こさない理想の世界を目指し、国際的な協調体制の構築を誓ったことを、私たちはいま一度思い出し、人類の存続に向け、理想の世界を目指す必要があるのではないでしょうか」

 例年、原爆が投下された日の話からはじまることが多い平和宣言だが、松井市長はまず世界的な核兵器廃絶の動きから話をはじめたのだ。そして、被爆者の声を伝え、「生き延びたものの心身に深刻な傷を負いつづける被爆者のこうした訴えが、みなさんに届いていますか」と問いかけ、「世界に目を向けると、一人の力は小さくても、多くの人の力が結集すれば願いが実現するという事例がたくさんあります」としてガンジーの「不寛容はそれ自体が暴力の一形態であり、真の民主的精神の成長を妨げるものです」という言葉を紹介した。

 この言葉は、核兵器廃絶の動きに逆行するトランプ大統領を意識したものだと思われるが、さらに松井市長は、安倍首相に向けて、こう突きつけたのだ。

「日本政府には唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いをしっかりと受け止めていただきたい。その上で、日本国憲法の平和主義を体現するためにも、核兵器のない世界の実現にさらに一歩踏み込んでリーダーシップを発揮していただきたい」

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