日本テレビが南京検証番組の第2弾! 虐殺否定派の「自衛発砲説」に緻密な取材で徹底反論

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「自衛発砲説」は部隊の責任者の主張にもとづいたもの、その信憑性は…

 本サイトも『郷土部隊戦記』を確認したが、要約するとこうなる。歩兵65連隊は12月15日に幕府山砲台付近で大量の捕虜を得て〈非戦闘員をただちに釈放〉したが、残りの〈約八千人の捕虜の処置に困った〉山田栴二旅団長が南京の軍司令部に部下を派遣して指示を仰いだところ、〈軍司令部の考えは「みな殺せ」という驚くべき意向だった〉。そして15日夜の9時すぎ、捕虜が夕食の炊事中に〈計画的放火〉を起こし、その混乱に乗じて約半数が逃亡したという。

 16日にも山田旅団長は部下を軍司令部に派遣して〈捕虜を殺すことはできぬ〉などと掛け合ったが〈「捕虜は全員すみやかに処置すべし」という軍命令〉が出された。そして問題の17日、〈軍命令を蹴って連隊長の独断専行〉で、部下の大隊長に〈今夜暗闇に乗じて揚子江対岸に解放しろ〉と指示があったという。以下、核心部分がこのように続く。

〈しかし思わぬ事態が発生した。夜十二時ころ、十数隻の小舟にのって1回目に渡河した二、三百人が中流までいったところ、対岸の中国軍が日本軍の渡河と見誤ってにわかに発砲してきたのだ。この銃声にこちらの岸に集結していた捕虜は「日本軍がわれわれを江上にひき出して銃殺する」と誤解してしまった。たちまち大混乱が起こった。彼らは猛然と警戒のわが兵たちを襲い出した。約四千人近い大集団が死に物ぐるいで一度に、いきり立ったのだからたまらない。いくら制止しても聞かず、恐怖を感じた兵は発砲するほかはない。部隊でも将校一人、兵六人が捕虜の群にひきずり込まれて死亡した。
 翌朝、江岸には不幸な捕虜の死体が残った。しかしその数は千人を上回った程度で、ほとんどは身のたけはゆうにある江岸のアシを利用し、あるいは江上にとび込んで死亡したのである。これが事実のすべてである。全員解放というわが方の意図は突発事故のために結局実らないでしまい、遂にわが方も人的損害を出してしまった。国際法によれば、逃亡する捕虜は射撃して差し支えないことになっているが、両角部隊の場合は、当然これに該当するものと思われる。もしこれが戦犯部隊であるとするならば連隊長らはとうに処断されているはずだ。〉

 まさに虐殺否定派が唱える「自衛発砲説」である。だが実は、この記述は、主に両角連隊長への取材に基づいていた。つまり、部隊の責任者の主張がまとめられたものだったのだ。

 それだけでも保身のための証言ではないかとの疑念が浮かんできて当然だが、しかし、番組は即断しない。この記述の信憑性を別の複数の資料や証言と重ねることで慎重に検証するのだ。

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