リテラの新年特別企画●サブカル論争&炎上事件簿

吉田豪、町山智浩、菊地成孔、はあちゅう、真木よう子、キンコン西野…2017年、サブカル論争&炎上事件簿

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事件4 菊地成孔『ラ・ラ・ランド』を猛批判! vs町山『セッション』論争再び?

 今年公開された映画のなかでも話題作となったのが、第89回アカデミー賞で監督賞や主演女優賞など最多6部門でオスカー像を獲得することとなったデイミアン・チャゼル監督作品『ラ・ラ・ランド』だろう。
 売れないジャズピアニストのセバスチャン・ワイルダー(ライアン・ゴズリング)と、女優を夢見ながらもオーディションには落ち続けるミア・ドーラン(エマ・ストーン)のラブストーリーを描くミュージカル映画の本作は日本でも大ヒットを記録した。
 しかし、商業的な成功の一方で、評論家、特に音楽に関わる人たちからは、作品内におけるジャズの取り扱い方などをめぐって酷評の声が多く起きた。その急先鋒が、ジャズミュージシャンで映画評論家の菊地成孔である。
 彼はウェブサイト『リアルサウンド映画部』の映画評論連載に〈世界中を敵に回す覚悟で平然と言うが、こんなもん全然大したことないね〉と題したコラムを掲載し、『ラ・ラ・ランド』を手厳しく批判。
 そして、このテキストが公開されるや否や、サブカル界隈に関心をもつ野次馬たちは色めきだつことになる。というのも、菊地成孔がこのような評価をくだしたことで、「町山智浩VS菊地成孔」の論争が再び巻き起こるかと思われたからだ。
 この2人は、2015年、デイミアン・チャゼル監督の前作『セッション』をめぐって大論争を起こしている。
 町山は『ラ・ラ・ランド』におけるデイミアン・チャゼル監督の手腕を高く評価しており、状況は『セッション』論争時とまったく同じだったからだ。
 ちなみに、結論から言うと、今回は『セッション』論争のようなことは起きなかったが、『ラ・ラ・ランド』はSNSにおいて他の映画とは比較にならないほど賛否をめぐる議論が巻き起こされた。
 しかし、それにしてもなぜ、「デイミアン・チャゼル監督がジャズを題材に撮った映画」というものに限って、これほどにも日本の映画ファンの「論争スイッチ」が刺激されるのだろうか?

■事件5
作家かライターか? はあちゅう「肩書き論争」にサブカル論客が次々参戦

 はあちゅうといえば、電通在籍時の先輩クリエイター・岸勇希氏によるセクハラ被害を告発したことが記憶に新しいが、「サブカル」という文脈では、また別の話題を巻き起こしている。
「作家」か「ライター」か、という「肩書き」論争である。
 きっかけは、はあちゅうが自身のツイッターに「影響力絶大!人気のある有名な「読モライター」まとめ!」と題された「NAVERまとめ」のURLを張り付けながら、〈読モライターのまとめを見て見たらまさかの私がいた。私、ライターではない...〉とつぶやいたことだった。
 続けて彼女は、自分の認識では、〈作家→自分の意見を書く〉〈ライター→誰かの意見(自分以外に取材)を書く〉という分類であり、そういった意味で自分は作家であり、ライターではないとした。
 これに対し、吉田豪が反応。彼は〈ボクは作家=小説が本業の人だと解釈してるので、はあちゅうさんのこともライター枠の人だと思ってます〉とつぶやき、彼女の肩書きに関する考え方に疑問を呈した。
 これを端緒として、春日太一、津田大介、及川眠子、深町秋生、掟ポルシェなど、いわゆる「文筆」を生業とする様々な人が、ツイッターを通じ続々と肩書きに対する思い入れを投稿する状況に。
 そもそも、英語の「writer」は、作家も記者もコラムニストもエッセイストもすべて含んだ言葉であり、部外者からしてみれば「どっちでもよくないか?」と思ってしまうかもしれないが、日本の出版業界ではどんな肩書きを名乗るかによって仕事の場が如実に変わってしまったりもするので、確かにこれは重要な要素をはらんだ問題なのかもしれない。

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