ICANノーベル賞授賞式でサーロー節子さん感動のスピーチも日本マスコミは無視! 普段は“日本スゴイ”が好物なのに

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マスコミの消極報道の裏に反・核廃絶・安倍政権への忖度

 世界で唯一の被爆国である日本が、経験した壮絶な現実と、そんな悲しみを世界からなくそうというメッセージが世界に向けて発信した。そんな重要なニュースを、なぜ報じないのか。……それが安倍首相の態度と連動したものであることはあきらかだろう。

 実際、カズオ・イシグロ氏の文学賞受賞にはお祝いコメントをすぐさま出した安倍首相は、一転、ICANの平和賞受賞には、一切の祝福コメントを出していない。

 さらに、11日の定例記者会見でICANの受賞について質問が及んだ菅義偉官房長官は、「授賞式に被爆者の方々が参加されたことは意義深い」としながらも、核兵器禁止条約については「我が国のアプローチと異なるものであり、署名、批准は行わない考え」と強調。サーロー節子さんが訴えた「あなたたちの行動こそ重要であることを知りなさい」という言葉に、耳を傾ける姿勢をまったく見せなかった。

 核の恐ろしさを世界に伝えるのは、日本に課せられた義務だ。それを核保有国であるアメリカに追従することしか考えず、被爆者の思いを裏切るような行為に出る。そして、公共放送の看板ニュース番組はそんな安倍政権に忖度して、授賞式スピーチを黙殺する──。

 安倍首相とNHKの姿勢は、原爆の犠牲になった人びとに対する冒涜と言ってもいい。まったく怒りしかないが、一方、サーロー節子さんは『報道ステーション』(テレビ朝日)のインタビューで、こんなことを口にしていた。

「『世界がこれほど悪化しているから、そこから抜け出ることができないんだ』っていうふうに信じている人がずいぶんいます。そうじゃないんだと。我々ひとりひとりが努力すれば、政府に発言して事を動かすようにすれば、変化というものは可能なんだと」

 サーロー節子さんをはじめとして、被爆の体験を伝えつづけてきた人びとの努力によって、核兵器禁止条約は国連で採択されるにいたった。核廃絶を「Yes!I can!」、わたしたちにはできるのだと、そう信じたい。

最終更新:2017.12.12 07:20

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