小学館『小学8年生』の安倍晋三伝記漫画が「誹謗中傷だ」と炎上! 事実に基づく人物伝まで圧力かける安倍応援団

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安倍少年が「プリンくれー」と言ってるだけのシーンが「洗脳」?

 ともあれ、肝心の内容について検証してみよう。

 まず、「まんがで読む人物伝 安倍晋三」は、日本の首相である安倍晋三の生い立ちをたどりながら、その人物像を紹介するというもの。アクの強いキャラクター造形と濃ゆいペン使いが懐かしさを覚えるギャグテイストだ。1ページ目には〈子どもたちが興味を持ち、楽しく読み進められるように、事実に基づいて、まんが的きゃく色を加えて構成しています〉との但し書きがある。

 同マンガは、安倍首相が今年7月の都議選応援演説で「こんなヒトたちに負けるわけにはいかないんですよ!」と叫んでいるシーンから始まる。結果、都民ファーストの会にボロ負けして呆然とする安倍を、マンガでは〈なんか言われるとムキになって言い返そうとすることがちょいちょいあります〉と説明。具体例として、森友問題での「関係していたら総理やめる」発言や、野党の批判に逆ギレするときの「印象操作だ」の常套句を紹介し、〈カーッとなりやすいタイプなのでしょうか。〉と印象を述べている。

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「まんがで読む人物伝 安倍晋三」より

 ページがかわり、マンガは安倍晋三の少年時代にさかのぼる。主に紹介されているのは、岸信介や佐藤栄作、安倍晋太郎などの〈スゴイ家系〉や、60年安保のときに岸の目の前でデモ隊を真似し、「アンポハンターイ!」と叫んでいたとの有名な話。一方、ネットで注目を浴びているのは、晋三少年が「プリーン プリンくれー」と言いながら登場するシーンだ。

 子どもっぽくて不覚にもちょっと可愛いのだが、これがなぜか、まとめサイト等では〈小学館「小学8年生」にて、安倍首相「プリンくれ~」等とバカに描き子供達をマインドコントロール!〉などと騒がれているのである。

 安倍首相に「プリンくれー」というセリフをつけただけで「マインドコントロール」とか、いやはや君たちはプリンをなんだと思っているのか? と呆れざるをえないが、調べてみたところ、少年時代に安倍がプリンをよく食べていたのは事実らしい。

 2012年に放送された『田崎真也の美酒わいわい』(BS朝日)のなかで、ゲストとして出演した安倍本人がそう語っているようなのだ。というのも、本サイトでは残念ながら当時の放送は確認できなかったものの、現存する番組公式サイトには、プリンのレシピとともに、こんな記述がある。

〈安倍さんの小学生の頃からの大好物、「プリン」。小学校の家庭科実習で作ったプリンの美味しさに魅せられ、家でも毎日のように作り、家族に振る舞っていたそうです。素朴なプリンと共に、少年時代の温かな記憶がよみがえります〉

 つまり、マンガで晋三少年が「プリーン プリンくれー」と言っているのは、あくまで実際のエピソードを下敷きにしたものであって、これを「バカに描いている」などと批判するのは、安倍本人、というかプリンに対して極めて失礼だろう。

 他にもネトウヨたちから「捏造」認定されているのが、安倍が〈野球選手とか、刑事ドラマを見て刑事になりたいというフツーの少年だった〉と紹介されている部分だ。マンガのなかの晋三少年は「オレ、刑事になって京都湯けむり温泉女将殺人事件の犯人逮捕する!!」と意気込んでいる。

 まあ、たしかに本人がよく公言しているのは「政治家になっていなければ映画監督になっていた」みたいな話ではあるが、実は、この刑事ドラマ云々も嘘ではない。事実、政府広報のネットトーク番組のなかで安倍は「私は子どものころは単にあこがれというか、野球選手とか、例えばテレビを見て刑事になりたいと、そんなことを思っていたんですが」と話しているのだ。

 やはり、大枠は事実であって、セリフもそこから着想を得てナンセンスギャグに昇華したマンガ的表現でしかなく、これを「捏造」などと言ってクレームの材料にするのはバカげていると言わざるを得ない。

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