宇多丸らライムスターの3人がJASRAC批判「アーティストや音楽のことより、自分のためなんじゃないの?」

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詭弁を弄して議論とまともに向き合おうとしないJASRAC

 このように問題が次々と炙り出されていっているJASRACだが、では、当のJASRAC側はそれをどのように捉えているかというと、ちょっと首を傾げざるを得ないような発言が次々と飛び出している。

 DJ JINが「あとは、柔軟性ですよね。これは本当に真面目な話、ちょっとそういうところとかも必要なんじゃないかなと思います」と発言していたが、それはJASRAC上層部の姿勢にも当てはまる。

 今年7月には、JASRACの浅石道夫理事長が朝日新聞デジタルのインタビューを受けているのだが(7月20日付)、ここで彼は音楽教室の徴収に反対する人々の声をこう評している。

「予想の範囲内。音楽教室の生徒さんたちが反対するのは当然あるだろうなと。一般の人の反対には、反対のための反対、『JASRACは気に入らないから、この機会にたたいてやろう』というのもあるのだと思う」

 反対している人たちは、著作権料徴収によって引き起こされるであろう今後の音楽教育に与えるダメージについて議論しているのだが、これは話のすり替え以外なにものでもない。

 また、浅石理事長は、京大入学式の式辞の件に関し「グレーな事案であり、徴収するとなれば訴訟になる可能性がある。経営判断として、そこまでしないと決めた。その決断が遅かったというのなら意見としては承る。しかし反省なんかしていない」とした後、さらにこのように語るのであった。

「(揶揄して)『カスラック』という人たちは議論の相手だと思っていない。まっとうな議論をしている人には真摯に対応する」

 こういった姿勢は、JASRAC会長で作詞家のいではく氏も同じである。彼は「週刊文春」(文藝春秋)17年7月20日号の取材に応じているのだが、音楽教室の問題について記者から「音楽文化の根っこを弱らせると批判されている」と質問されると、このように答えたのだった。

「音楽文化の振興を、JASRACの徴収が阻害するみたいな考え方はおかしいでしょうって! 逆に言えばね、教室の方が積極的にそういうこと(著作権)を教えてクリエイターを増やし、日本のいい楽曲をたくさん生んでいくことが、やっぱり音楽文化の振興に必要なんじゃないかと思いますけどね」

 普通の感覚でこれを読むと詭弁としか思えないが、本番はここからだ。音楽教室から料金を徴収することは、音楽教育を阻害する行為であり、それは将来的な音楽文化の衰退を招くものではないかといった指摘をされるとこのように語ったのである。

「私どもは、決して子どもさんからお金をいただこうと思っているわけじゃなくて、あくまでも営利目的の事業にペイメントをお願いしているんです。現に楽器教室なんかも全部子どもさんで成り立っているわけじゃなくて、子どもさんはほんの一部。大半は大人であったりしているわけです」

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