元人気AV女優の大塚咲が15 歳で受けたレイプ被害を告白!「私の人格を奪った“性”の正体を知るためAVに」

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AV女優の仕事を通して大塚咲はトラウマとどう向き合ったのか?

 結果的にこの「荒療治」はどうなったのか。10年近くにおよぶAV女優としてのキャリアのなかで何が起こったか、特に、売れなかった時期に起きた度重なるセクハラやブラック労働の数々に関しては同書を読んでいただくとして、その決して短くない時間のなかで彼女は、なぜ自分がAV業界に入ろうと思ったのかという本当の理由を悟る。

〈それでも私はAV女優を寿命までやり切ろうと思ったし、そうでなきゃダメだと思った。その妙な執着心を持つ自分自身に疑問を覚えた。
 私がAV女優になったのは、犯人の影を追った行動だという事に、その悩みの中で気が付き始めていた。
 犯人の理由を知りたい。それを追求するあまり犯人に似た人間と接触を図ろうとする被害者の心理と同じ理屈で、18歳の私は影響を少なからず与えた可能性があるだろうAV業界に近づいた。自分の心の裏側には、そういう心理があった。
 私という人格を奪った性というものの正体は何なのか。AV業界に身を置けば、それが分かると思った。性の善と悪を自分の体験として感じようとした。そして、軽んじられた私の存在をそこに刻めば、性により失われた自分の存在を知らしめる事が出来る。私は、知らしめなければならなかった。それは、あの日私が抱いた復讐心をAV業界で終わらせようとしていたからだ。
 私は、そうしなければ生きていけないと感じるほどに、あの日の復讐心を満たそうとした。そういう無意識な心理が、自分を突き動かしていた〉

 そして、彼女は人気AV女優にのぼりつめた。前述した通り、彼女はAV業界に入るときに、もしもAV女優として売れたら〈私の外見が性的興奮を抱かせる〉ということの証明になり、自分がしばしば性犯罪の被害に遭うことの説明がつくとしていた。しかし、彼女はAV業界でのさまざまな体験を通じて、その認識も間違っていたということに気づくようになる。

〈加害者が狙うのは、自分よりも腕力の弱い相手、自分の強さを見せつけられる相手、自分の立場を利用する事が出来る相手、事件を隠す事の出来そうな相手だ。
 被害者は外見が目立つから、被害にあったのではない。被害者への誤解は多く、被害者の外見のせいではないかという社会の風潮がある事で、私も自分のせいなのではないかと思い込む節があった。しかし、それは間違いだ。男女問わず子供に被害者が多いのは子供の立場や力が弱いからだ。
 小柄な女性に被害者が多いのも同じような理由だろう。加害者は自分よりも立場や力が弱い人間しか狙わない。それくらい加害者の心は未熟で弱いのだ。それを知っていけば知っていくほど犯人を責め続ける自分の心にも決着が着いた〉

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