炎上! 欅坂46「月曜日の朝、スカートを切られた」はどこが問題なのか? 秋元康の歌詞にある女性蔑視思想

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本サイトの批評記事に対し恫喝ともとれるメールが送りつけられてきた

 ちなみに、ディアナ・アグロンはドラマ『glee/グリー』で、チアリーダーのクイン・ファブレー役を演じた女優。確かにクインは、「どうせこの田舎町を出られない」というあきらめから、容姿にこだわり、恋愛とスクールカーストの勝者になることだけを目指してきた女性として描かれ、好きでもない男の子どもを妊娠したりもする。しかし、シーズンが進み、グリークラブでの活動を通して人間的に成長したクインは、出産に向き合い、その体験をエッセイに書き、そして、最後はそのエッセイが高い評価を得て、名門のイェール大学に進学するキャラクターとして描かれる。

 また、そのクインを演じたディアナ・アグロン自身も〈頭からっぽでいい〉とは真逆の女優であり、2014年の国際ユース・デー(世界の子供及び若者の人権保護と社会参画を呼び掛ける日)にグローバル・シチズンシップ大使としてこんなスピーチを行っているという。

「28歳にして思うのが、私はとてもラッキーだったということです。私は初等、中等教育にアクセスできる国で育ちました。私はスポーツを楽しみ、希望の進路を追い求めることができました。私はリプロダクティヴ・ヘルスケアにアクセスして、自分が決断した時に子供をもち家族生活をスタートする時期を選ぶことができます。そしてゲイとレズビアンの友人たちは同性婚の権利を全米で獲得しました」
「しかし世界における18億人もの若者たちはそれほど恵まれてはいません。
世界には大人への移行期に、ジェンダー間の平等、教育機会の獲得、公共医療に関する乗り越えがたい困難に直面する多くの若者が存在します」

 というわけで、前述の歌詞はそもそもの引用自体が的を射ていないわけだが、それはともかくとして、〈人は見た目が肝心〉や〈女の子は恋が仕事よ〉という歌詞は、男性社会がつくり上げてきた紋切り型の女性像、「女は男に選ばれる性」という価値観のなかの女性像でしかない。それを自明であるかのように押し付けるグロテスクさが女性差別だと非難されたのだ。

 先に述べたように、内容が内容だけに「アインシュタインよりディアナ・アグロン」には批判が殺到。本サイトも含め多くのメディアが記事に取り上げた。だが、ここから驚くべき事態が起こる。

 なんと、彼の女性蔑視的な視線を批評した本サイトの記事に対して、AKB48の運営会社であるAKSの法務部が「名誉毀損及び侮辱罪が成立する」「即刻、記事を削除せよ」というメールを送ってきたのだ。本サイトの記事はあくまで作品に対する批評であり侮辱でもなんでもなく、本サイトがその旨を記事で表明すると、その後、運営側は沈黙したが、批評さえ恫喝で黙らせようとする態度を見る限り、秋元氏およびそのスタッフに批判を真摯に受け止める姿勢は感じられない。

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