『心が叫びたがってるんだ。』が地上波初放送…脚本家・岡田麿里が物語に反映させた自身の引きこもり体験とは

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『ここさけ』『あの花』の描写にも岡田麿里の体験が反映されていた

 もち回りでいじめの順番がまわってくる、この陰湿な感じには覚えのある人も多いだろう。そんな状況に耐えかね、彼女は本格的な登校拒否児童になってしまったわけだが、それからずっと登校拒否をし続けていたわけではない。中学入学を機に彼女は「自分改革」を断行。クラスの人気者だった時期もあったようだ。

〈ハブられる恐怖におびえる休み時間は、もうない。授業だって、中学では教わることがいっぱいなので大嫌いな体育の時間も減らされた。なのに、一日がとてつもなく長い。〉

 太宰治『人間失格』では、他人を恐れるあまり道化を演じる主人公に同級生の竹一が「ワザ。ワザ」と、その道化がつくられたキャラクターであることを指摘し、主人公が発狂しそうになるシーンがあるが、岡田のこのエピソードはまさしくそれを彷彿とさせる。

 そして、偽りのキャラクターを演じることに疲れを感じ始めた彼女はついに学校を休み始める。そして、年に3、4回しか登校しない、本格的なひきこもり生活に突入するのだった。中学は登校拒否のまま卒業し、なんとか合格した高校も半年ほど通ってドロップアウト。

 24時間365日、家でふさぎ込んでいる日々。彼女はほとんどの時間を母親とともに過ごすことになる。そんな日々のなかで母との関係も悪化していく。

〈母親が気にしていたのはあやふやな未来ではなく、今現在の周囲の目だった。
「こんな子供がいるなんて、恥ずかしい」
 これは本当によく言われたし、母親が一番に傷ついているのもそこだったと思う。周囲から、私が今どうなっているか聞かれる。噂される。なにしろ当時、田舎では登校拒否児は本当に珍しかったので、ちょっとした珍獣扱いだった〉

『ここさけ』では、成瀬順が母の不在時に町内会費を徴収しにきた近所の人に対応してしまい(言葉が口から出てこないので異様にギクシャクしたやり取りになり近所の人は困惑する)、それを知った母が「私がいないときは呼び鈴鳴っても出ないでって言ったでしょ」「そんなに私が憎いの?」「もう疲れた」といったようなセリフを口にするシーンがある。ここまで、脚本家である岡田自身の経験を基にしているとは驚きだ。

 では、岡田麿里はどのようにして登校拒否および引きこもり状態から脱したのか?

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学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで

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