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横浜市長選の争点「カジノ誘致」は加計問題と同じ、アベ友への利益誘導だ! 仙台市長選に続き安倍自民党にNOを

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新潟県知事選、小樽市長選につづく奇跡の逆転勝利なるか

 カジノ推進で菅官房長官と足並みを揃えてきた林市長は、去年11月の東京五輪のバレーボール会場見直しでもアベ自民党に“同調”した。横浜の既存施設活用を目指した小池百合子都知事の提案に対して、当初は前向きの発言をしながら、途中でハードルを上げてハシゴを外した。「アスリート・ファースト」を錦の御旗にバレー会場新設を主張した森喜朗・元首相を後押し、見直し派の小池知事を見離したともいえる。「林市長は、小池知事嫌いの菅官房長官と工事減少を免れた建設業界が高笑いする対応をした」と勘繰られても仕方がないだろう。

野党が徹底抗戦する中でカジノ法案が強行採決された昨年の臨時国会でも、林市長はアベ自民党と息のあったところを見せた。法案審議が山場を迎えた去年12月8日、IR推進議連主催の緊急集会に林市長代理の副市長が出席。「IR整備は観光立国実現に大変重要」「地域経済活性化や財政基盤強化や雇用創出などでメリットの大きい」と絶賛した。

 大阪や北海道などとともに誘致自治体として法案成立を後押しし、カジノ法案成立直後には林市長が「観光立国への大きな一歩」と歓迎したほどだ。

 今回の横浜市長選で3選を目指す林市長は現職の強みに加えて、自公と連合神奈川が推薦をしていることから盤石のようにも見えるが、カジノを争点とした地方選挙では普通では考えれない番狂わせが起きている。

 それは2015年4月の小樽市長選のことだ。この時も、自民・公明・民主(当時)・連合小樽・小樽商工会議所が支援するカジノ推進派で当時現職だった中松義治氏が圧倒的に有利と見られたが、「カジノはいらない」と訴えた森井秀明・元市議が奇跡的な勝利を勝ち取ったのだ。原発再稼働に反対した米山隆一知事が逆転勝利をはたした去年10月の新潟県知事選と同様、民意の受け皿となった候補が大政党と連合が推す候補に勝利するという番狂わせが起きていたのである。

 カジノ反対の根強い民意を感じ取ったためか、林氏は今年に入ると、「全くの白紙」と変節した。横浜青年会議所主催の7月8日の公開討論会でも、「ギャンブル依存症が課題。今の段階で誘致するしないを考えるのは疑問で賛成派も反対派もいる」と慎重な姿勢を打ち出した。当然、反対派の二候補は「賛成派はほとんどいない」「立場を明確にすべき」と批判したが、市長選の手法でも林氏は、原発政策など不都合政策を国政選挙で語らないアベ自民党そっくりの“争点隠し選挙”を実践しているようにみえる。

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