松尾貴史と鴻上尚史が「芸能人と政治的発言」について意見…鴻上はバラエティー番組で政治ネタを放送すると「この国は楽になる」と指摘

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鴻上尚史「政治ネタで笑うことができると、この国はだいぶ楽になる」

 日本では、特に第二次安倍政権発足以降の近年は、急速に言論状況が硬化。政権批判すると「反日」「対案を出せ」などと攻撃にさらされまともな議論ができなくなっているが、そういった状況と、これまで書いてきたようなことは大いに関係があるだろう。だからこそ、メディアでお笑いに政治ネタを取り入れることは、この国の言論状況の風通しをよくするためにも必要なことなのだ。

〈現在、じつは、ネタの宝庫です。加計学園に関して「前川氏の証人喚問は必要ない」と答えた自民党の竹下国対委員長は、記者から「必要ないという理由は何か?」と聞かれて「必要ないというのが理由だ」と胸を張りました。ナイスなジョークです。
 でも、これをネタになんか地上波では絶対にできません。
 政治ネタの笑いは、自民党批判が目的ではないのです。政治ネタは、大きなモノを笑うことです。権力者と言ってもいいですが、それは自民党に限りません。民進党でもおかしいことがあれば笑い飛ばすのです。
 政治ネタに対する笑いが健全に発展する国は、風通しのいい国です。
 民主主義という時間のかかるじつにやっかいなシステムを育てようという決意と熱意が、じつは政治ネタの笑いを支えるのです〉

 だから、アメリカのように政治ネタを笑いに変えられるような風土を身につけることは、我々を楽にしてくれるのではないかと鴻上氏は言う。

〈アメリカ大統領選挙の演説会をネタにしたアメリカのコメディー番組では、病気説のあるクリントン氏のソックリさんは杖をついてヨタヨタと登場し、トランプ氏のそっくりさんはドル紙幣をまき散らしながら現れました。両方を笑うのです。
 笑いは価値を揺さぶり、絶対の帰依を溶かします。ネトウヨもパヨクも笑い飛ばすことで、政治に対する距離と民主主義への努力が生まれるのです。
 本当は優れたお笑い芸人さんによって、安倍首相と蓮舫代表のソックリさんによる夫婦コントなんかが地上波で放送されたら、この国はずいぶん楽になると思うのです。隣人は前川氏と籠池氏のソックリさんでね〉

 先に述べた通り、安倍政権発足以降、「安倍好き」と「安倍嫌い」で国民が二分されるような政治状況が続いている。そんな状況だからこそ、鴻上氏の言う〈笑いは価値を揺さぶり、絶対の帰依を溶かします〉という指摘はとても重要なものだろう。政治ネタがゴールデンタイムのバラエティー番組で放送され、それが炎上もせずに受け入れられたその瞬間、この国の民主主義は一歩先に進むことができたと言えるのかもしれない。

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