渡辺謙も批判! 核禁止条約に唯一の被爆国・日本がなぜ不参加?核軍縮をことごとく潰す安倍首相、将来は核保有も…

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

安倍政権は、オバマ大統領の「核の先制不使用宣言」も潰していた!

 事実、当時この問題を報じた『報道ステーション』(テレビ朝日)では、日本政府関係者のこんな複数証言が紹介されていた。

「日本の安全保障からして『核の先制不使用』はありえないでしょう。『言葉の使い方に注意してほしい』という懸念を伝えた」(政府高官)
「『核の先制不使用』なんて、そもそもまったくナンセンス。宣言することなんてないですよ、絶対に。日米安保が成り立たなくなる」(外務省幹部)

 しかも、オバマのこの政策にかける意気込みは並大抵ではなく、昨年5月の広島訪問時の演説にも「核の先制不使用」の前振り的宣言を既成事実的に盛り込む予定もあったが、日本政府側が真っ向から反対したことで見送られたとも言われている。

 そうした経緯を踏まえてもやはり、今回の国連の核兵器禁止条約に対し、日本政府が「署名しない」と明言していることは、単に、核保有国であるアメリカに追随した結果だという説明では不十分だろう。もちろん、アメリカの核の傘の前に無条件にひれ伏し、在日米軍問題などの要求を飲み続けている姿勢も問題ではあるが、本質は「核なき世界」を目指すどころか、本音では日本の将来的な核保有まで見据えているであろう安倍首相の性質にある。

 しかも、アメリカはこれまで、冷戦後は一貫して核軍縮の方向に舵をきってきたが、トランプ大統領は今年2月のロイター通信のインタビューで「核保有国があるならわれわれが先頭にいたい」と核戦力の増強を表明。あくまで核軍縮は米露間の外交カードという位置づけでしかない。

 こうした状況において、対米隷属の安倍首相が今後これまで以上に “アンチ核軍縮”の色を濃くしていくのは、火を見るより明らかだろう。しかもそれは、政府が建前とする「日本の安全保障上の問題」についても、逆に中国や北朝鮮を刺激する結果となるのだ。しかし、いま政府がCMなどをうって盛んに北朝鮮の核ミサイル危機を煽っていることからもわかるとおり、安倍政権にとって“仮想敵”の脅威を煽ることこそ、政権延命の頼みの綱であることは言をまたない。

 昨年、安倍首相が誇らしげにオバマとともに演説した、広島の平和記念公園の原爆死没者慰霊碑には、「安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから」と刻まれている。しかし、核廃絶という世界の希望を踏みにじるこの宰相のもとでは、その決意は虚しく響く。わたしたちは、被爆国の国民として本当にこのまま安倍首相に任せておいてよいのか、よくよく考えるべきだ。

最終更新:2017.12.05 07:50

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

渡辺謙も批判! 核禁止条約に唯一の被爆国・日本がなぜ不参加?核軍縮をことごとく潰す安倍首相、将来は核保有も…のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。核禁止条約渡辺謙編集部の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄