死刑確定、木嶋佳苗被告の「再審請求しない」発言の裏にあった母親との確執、そして裁判所への絶望

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直接的証拠も動機も解明されなかったひどい裁判

 まずは佳苗被告が問われた3件の不審死について振り返ってみたい。最初の事件とされるのが婚活サイトで知り合い、2009年2月に遺体で見つかった50代の男性のケースだ。この男性は自宅マンションで死亡しているのが発見されたが、室内には練炭コンロが6つあり、警察はこれを自殺として処理、司法解剖さえ行っていない。

 またその3カ月後の5月に死亡した80代の男性もしかりだ。この男性はその1年ほど前に佳苗被告と婚活サイトで知り合ったが、自宅一軒家が火災になり死亡。その際、部屋には練炭コンロが置かれてあり、司法解剖が行われ睡眠導入剤が検出されたが、しかし死因は一酸化炭素中毒と気道熱傷の複合であるとして、事件性なしとして処理されている。

 そして同年8月に死亡した40代の男性。佳苗被告とは、やはり婚活サイトで知り合ったが、駐車場の車内で死亡しているのが発見される。そして司法解剖を行ったところ、体内から高濃度の睡眠導入剤が検出され、車内の状況に不審な点があったことから、交際相手だった佳苗の存在が浮上、この一件がきっかけで佳苗被告は逮捕されている。

 つまり3件のうち、2件は警察が“事件性なし”とすでに判断し、その証拠さえ残っていなかった。警察の明らかな初動捜査ミスである。

 そんな状況のもと、裁判で検察側が展開したのは、物証に基づく立証ではなく、佳苗被告の特異な性格や、彼女がいかに嘘つきかといった主張だった。そのため佳苗被告のセックス観や過去の万引き歴を暴きたて、法廷は彼女の“セックス自慢大会”のような異様な状況になった。

 また、詐欺の被害者や、佳苗被告の交際相手を証人として呼び、その“非常識ぶり”をクローズアップさせ、“犯行を行えたのは佳苗被告しかいない”という消去法的状況証拠を積み重ねたのだ。結局、犯行の決定的証拠や、動機は最後まで明らかにはなることはなかった。

 佳苗被告と交際するなど関係があった男性たちが、短期間に次々と死亡したことはたしかだ。またその現場に同じメーカーの練炭コンロもあった。この間、男性たちの死が自殺や事故だった可能性は一顧だにされることはなかった。
 
 そして今回の最高裁判決を決定づけたと言える一審の判決文には「強く推察される」「考え難い」という文字が躍っている。つまり決定的証拠がなく“グレーゾーン”にあった佳苗被告に対し、「疑わしきは被告人の利益に」という司法の原則は適用されることなく有罪判決が下されたということだ。

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