山本幸三地方創生相「学芸員はがん」発言こそ安倍政権の本質だ! 「歴史と伝統」を破壊する新自由主義右翼のグロテスク

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 いったいお前らが守ろうとしている伝統とか歴史とかいうものはなんなのか、とツッコミたくなるが、しかし、これはなにも山本地方創生相個人の問題ではない。これが安倍政権の標榜する「伝統保守」の正体なのだ。

 連中が守りたいのは、自分たちが大好きな明治から戦前の軍国主義下の政治体制だけであり、その他は経済効率優先。文化的な遺産、資料なんてどうでもいいのだ。というか、そもそもこいつらは「文化」なんてものになんの関心ももっていない。

 その象徴が、国立大学の“文系廃止”方針だろう。2015年6月、当時の下村博文文科相の名前で「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」なる通知が出された。これは、人口減少などを理由に人文・社会科学系学部の改組や廃止を求める内容で、日本学術会議を始めさまざまな方面から人文・社会科学軽視との大きな批判を浴びた。

 この問題について文科省は「誤解だ」と弁明したが、一方、事実として安倍首相の発言をみると、教養を軽んじ、経済に寄与しない学問を排除する方向性が滲み出ている。たとえば、14年5月6日のOECD閣僚理事会基調演説では、「教育改革」について〈学術研究を深めるのではなく、もっと社会のニーズを見据えたもっと実践的な職業教育を行う。そうした新たな枠組みを高等教育に取り込みたい〉と語っている。

 結局のところ、安倍政権にとって、国民が「学術研究を深める」ことなどまったく無意味で、文化を研究したり継承したりする専門職まで「一掃しないとダメ」。そういうことらしい。

 もはや反知性主義とかいう以前の問題だろう。ようするに、安倍政権は伝統保守でもなんでもなく、その逆の伝統や文化の破壊者なのである。とくに今回、山本地方創生相が「一番のがんは文化学芸員。この連中を一掃しないとダメ」と暴言を吐いたことは、安倍政権の本質が“経済に寄与しない連中は徹底排除する”という、新自由主義をとことんグロテスクにしたものであることを端的に示したと言えるだろう。

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