三回忌を迎えた愛川欽也を偲ぶ! 生前、口にしていた「安倍さんに殺される」という言葉の意味とは?

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●『パックインジャーナル』の反権力姿勢にテレ朝からの圧力

 当初、この番組はCS放送局・朝日ニュースターでスタート。そのときどきの時事問題を詳しく掘り下げ、政権や原発の批判を果敢に行うことで有名で、ジャーナリストのあいだでも「地上波での放送は無理」と言われたほど。権力をきちんとチェックし、検証しようという番組スタンスは、愛川の司会者としての矜持が強く反映されたものだった。

 だが同番組は、2012年3月31日をもって終了。4月7日からは愛川自身が立ち上げたインターネットメディア「kinkin.tv」で再スタートを切った。朝日ニュースター内でも人気を誇っていた番組だけに、終了時には視聴者から惜しむ声が多数寄せられたともいうが、じつはこの番組終了の裏側には、ある圧力の存在があった。

 というのも、朝日ニュースターは当初、テレビ朝日や朝日新聞社などが出資する「株式会社衛星チャンネル」が運営を行っており、衛星チャンネルは朝日新聞の子会社という関係だった。しかし、12年4月からはテレビ朝日が親会社となり、『パックインジャーナル』をはじめ、時事問題を扱う番組が一気に終了。いわば、政権批判など“危ないテーマ”を取り上げる番組を、テレビ朝日が一掃したのだ。

 いまから3年前の出来事とはいえ、現在、『報道ステーション』に押しかかっている自民党からの圧力、そしてそれらにひれ伏すかのように受け入れるテレビ朝日の態度を考えれば、これは“始まり”だったのだろう。こうしてテレビ朝日によって番組を潰されてしまった愛川は、その無念さを、このように語っている。

「朝日ニュースターは社長さんから始まって、スタッフのみんなも、ぼくはよく知っていましたから、「愛川さんの番組は、絶対に次が引き取るから、そのつもりでいてくださいよ」と言われて、ぼくもすっかりその気になっていたんです。当然、経営が変わっても、ぼくの番組は残るだろうと。正直言って、ギリギリまで安心していた。マイナーな局の放送ではあっても、ぼくの番組はそれだけの人気がある、と思っていたんでね。反響もすごく多かったし」
「ぼくは、創成期のころからテレビに関わってきた人間ですが、あまりテレビは観ない。残念だけど、ぼくが観たい番組がほとんどないからね。そういう目線で見ると、ぼくの番組はちょっと邪魔くせえな、と新しい経営陣に思われたのかもしれない。これはぼくの偏見かねえ」(同前)

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