横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」11

被災者を苦しめる“アベ土建政治”血税をドブに捨てる暴挙になぜ小池都知事は切り込まない!?

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●アベ土建政治で土地所有者と建設業者が儲かる防潮堤建設が横行

 昭恵夫人の名前を出したのは、他でもない。4カ月前の2016年11月に出た週刊現代の対談記事「小池百合子×安倍昭恵 二人の「ファーストレディー」が語り尽くす!」で、昭恵夫人が「被災地の防潮堤建設の問題にずっと関わっていますが、当初は約8000億円だった予算が膨張して、いまでは1兆円になっている。住民の方の多くも『不要だ』と言っていますが、それでも覆らない」と紹介していたからだ。しかし「防潮堤問題について聞けば、小池都知事は踏み込んだ発言をするに違いない」という予想は外れ、政府任せで事足りる回答しか返ってこなかった。対談で意気投合したかのような印象を受けたが、「小池都は昭恵夫人から被災地の現状について詳しい話を聞いたのか」という疑問が湧いてきたほどだった。

 2013年10月31日に「美しい東北の未来を考えるフォーラム」を機に防潮堤見直しを訴え始めた昭恵夫人は、自民党の環境部会でも発言、自ら集会を主催したりもした。そして2015年2月22日、ダムを壊して川が蘇る現場を紹介した米国のドキュメンタリー映画『ダムネーション』の上映会兼防潮堤問題のシンポジウムでは、日本の政治への募るに危機感を吐露した。

「(防潮堤見直しについて)もちろん主人にも日々話をしているのに、この問題が一向に大きく取り上げられることもなく、動くこともなく、『この国はどうなっているのかな』と思っています」(昭恵夫人氏)

 この機能不全状態は、震災6年目を迎えた今も変わっていない。皮肉なことに『美しい国へ』(文藝春秋)を上梓した安倍晋三首相(政権)の下で、美しい三陸海岸の景観をぶち壊す防潮堤建設が進行中。自民党支持者が多い建設業者や地主が儲かる一方、血税をドブに捨てるに等しい防潮堤計画の多くが見直されない『醜いアベ土建政治』が続いているのだ。

〈例1 気仙沼市小泉海岸〉
 昭恵夫人が「海が見えなくなって若者が出て行く」と特に見直しを訴えた宮城県気仙沼市小泉地区の巨大防潮堤計画も、現行計画のままゴリ押しされてしまった。小池都知事が五輪関連イベントで宮城訪問をした翌日2月10日に現場を訪ねると、かつて子供達を含む地元住民が親しんだ砂浜や干潟は消え去り、高さ14.7メートルで幅90メートルの巨大防潮堤の工事が着々と進んでいたのだ。

 しかも公共事業ラッシュによる資材・人手不足による工事費高騰で、事業費が230億円から370億円へと1.6倍以上に膨れ上がった。見直し派住民や専門家は「人が住まない田畑を守るだけに巨費を投じるのか」「費用対効果が0.3程度で低い」と疑問視していたが、さらに税金の無駄が増えてしまったのだ。

 復興税を徴収され続ける全国の納税者の怒りが爆発してもおかしくない要素は、他にもあった。景観保全と防災の両立可能な「防潮堤と国道」が採用されなかったのだ。代替案を提案した見直し派住民の阿部正人氏は「費用対効果がより高く、経済合理性が優れているのは明白」と強調した。

「小泉地区は高台移転をするため、防潮堤が守る背後地はほとんどが農地。そこで海岸に防潮堤を建設するのではなく、少し陸側に盛土をして建設される『国道四五号線』に防潮堤機能を兼用させれば、いいのです。この兼用案であれば、工事費も削減されて工期も短くなり、海岸の景観や環境破壊を避けることも可能です」

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