日本語ラップの先駆者・ECDが進行がんから生還! 妻が著書で明かした夫の闘病と家族が再生したきっかけ

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 昨年3月、当サイトがECDにインタビューした際、政治や社会に関するトピックを歌った楽曲が人気を得にくい日本において、そういった内容の楽曲を歌うにはどうすればいいかという話題になった際、彼はこのように答えてくれている。

「でも、日本には日本人のメンタリティに合った『政治』を歌う歌のかたちがあると思うんですよね。この間ふと考えたんですけど、60年代後半の日本のロックを聴くと、直接政治的なメッセージを出していない人たちのなかにも、同時代の学生運動の空気を反映しているバンドがたくさんあるんですね。例えば、ジャックスというバンドは、曲のなかに政治的メッセージはほとんどないけれど、でも当時、若松孝二の映画に音楽を提供していたりとか、そういう部分の活動ではすごいコミットしてるんです。運動や政治に関する言葉は歌詞に含まれてないし、抽象的なかたちでしか表現されてない歌なんだけど、そういう音楽を好きになって聞いていた影響で、いまデモに参加している自分がいます。たぶん、僕もこれからはそういうものを生んでいかなきゃいけないんじゃないかなと思うんです。直接政治について歌うわけではないけれども、たくさんの人がデモで政権に異議を訴えている、いまの時代の空気を反映させた歌を」

 がんは寛解したとはいえ、手術を経て食道と胃と大腸を切った身体に慣れず、〈深刻な事態ではない〉としながらも、入退院を繰り返す状況が続いている。

 いつの日かECDが普段通りの生活を取り戻し、音楽活動を完全に再開した後、このコンセプトが具現化されたラップを聴くことができるかもしれない。その中には、病気を経て深まった思索も反映されているはずだ。そんな新譜を聴くことができる日を楽しみにしたい。

最終更新:2017.11.22 01:05

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