ものいうアーティストは日本にもいる! 山崎まさよしが作っていた憲法9条の歌、そこに込めた思いとは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 それは歌づくりにも大きな変化をもたらした。

「それまではきわめて個人的な歌というか、ともすれば意味不明みたいな(笑)、自己満足的な歌もあったんですけど、失われたものを取り戻すことや再生することが必要とされているなかで、それではあかんやろという気分になった。ちゃんとしたテーマだったり、向かう対象を明確にして、自他ともに認めるような何かが欲しいというかね、作るのもやるのも」

 こうして、「#9 story」のような楽曲が生まれたのである。ちなみに、前述「SPA!」のインタビューでは、東京オリンピックについてもこんなふうに語っていた。

「まあ、建築物とか投資で儲ける人はおるんやろうけど、それで不景気を脱しようっていうのは強引すぎへんかって思いますね。おそらくそれなりに盛り上がるんでしょうね。でも終わったらすごく寂しくなるんじゃないかな。作ったはええけどどうすんねん、この動く歩道! 誰も通らへんやないか、みたいな(笑)」

 そして、「もしテーマソングのお話が来たらどうします?」という質問は、このように切って捨てる。

「そら丁重にお断りしますよ。誰が歌うんやろとか思いますね」

 昨年末、山崎まさよしは、約3年ぶり、11枚目のアルバム『LIFE』をリリースした。「#9 story」ほど象徴的な楽曲は収録されてはいないものの、「君の名前」や「空へ」など、自身の娘や息子に向けて書かれた楽曲が目立つ。

 子どもをもったことでより「社会」に対しての意識が高まった山崎まさよし。これからも、山崎らしい表現で、戦争に抗い平和を訴える楽曲を聴かせてほしい。
(新田 樹)

最終更新:2017.11.16 04:38

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

ものいうアーティストは日本にもいる! 山崎まさよしが作っていた憲法9条の歌、そこに込めた思いとは?のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。メリル・ストリープレディー・ガガ山崎まさよし憲法新田 樹の記事ならリテラへ。

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄