差別体質は五輪会場の霞ヶ関CCだけじゃない! 多くのゴルフ場が「女性」と「在日」を排除していた

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 しかし、前述したとおり、現在でも多くの会員制ゴルフクラブには「国籍条項」を設けているところが多く、女性が冷遇されているケースが少なくない。こうした差別的体制が五輪憲章に違反するのは明白だ。

 しかも最悪なのが、いま、霞ヶ関CCの問題で「男女平等を!」と盛んにアピールしている小池百合子都知事や丸川珠代五輪担当相、連名で是正を要望したJOCや大会組織委、JGAも、霞ヶ関CC以外のゴルフクラブの差別的体制についてはまったく言及しようとしないことだ。

 結局のところ、大会組織委や政治家も、そもそもIOCからゴルフ会場の“女性差別”を問題視されて、慌ててとり繕っているというのが本音だろう。

 事実、霞ヶ関CCが五輪会場に選ばれたのは5年も前の2012年であり、その間、JOCも大会組織委も、この女性正会員問題についてまったく問題視してこなかった。もし、本当にゴルフクラブの女性差別や国籍差別を是正しようというのならば、これは相当おかしな話だ。霞ヶ関CC関係者も「なぜ今になって急に問題になったのかわからない。もともと正会員規約についても記載された資料を先方に送っており、大会組織委も確認していたはず」と戸惑いを隠さない。実際、大会組織委やJOCは会場の候補を絞るなかで、この女性差別的な要素を知っていた可能性は極めて高いだろう。それでいて、問題を放置し続けてきたのだから、本来ならば彼らもまた“同罪”ではないか。

 JGAもそうだ。JGAが主催する日本オープンは国内メジャー大会のひとつだが、06年から16年の開催地コースを見てみると、今回問題となった霞ヶ関CCはもちろん、正会員を原則女性NG、日本国籍保有者に限るとするクラブが複数存在することがわかった。翻ってイギリスでは、女性メンバーを認めない会員制ゴルフクラブに対して、全英オープンを主催するR&Aがコースのローテーションから外す重い決定を下している。また16年には当時大統領候補だったドナルド・トランプの度重なる差別発言を問題視し、トランプがオーナーのゴルフ場もローテーションから外す決断も下している。こうした大会組織やJOC、JGAのこの間の“放置”を見る限り、いま、連中が霞ヶ関CCに対して行っていることは、その場しのぎの“尻尾切り”的な対応と言うしかないだろう。

 しかも、極めて不可解なのは、こうした“主催者側”の責任について、メディアがまったく追及するそぶりを見せないということだ。特にテレビでは、女性が正会員になれないことを「ゴルフの伝統」などと言って正当化しようとする意見まで紹介する番組まで散見される。

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