国谷裕子がNHK『クロ現』降板の舞台裏を告白! 現場では続投方針だったのに突如、上層部から交代指示が…

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 国谷氏は本書のなかで、「私は長い間、かなり自由にインタビューやコメントが出来ていたように感じる」と書いている。そして「気をつけていたのは、視聴者に対してフェアであるために、問題を提起するとき、誰の立場にたって状況を見ているのか、自分の立ち位置を明確に示すようにしていたことだ」という。

「例えば、沖縄の基地問題を沖縄に行って取り上げるとき、基地負担を過重に背負っている沖縄の人々の目線で取り上げていることをはっきり伝えていた。基地問題をめぐっては、定時のニュースなどで政府の方針をたびたび伝えていれば、逆に〈クローズアップ現代〉で沖縄の人々の声を重点的に取り上げたとしても、公平公正を逸脱しているという指摘はNHK内からは聞こえてこなかった。NHKが取るべき公平公正な姿勢とはそういうものだと、長い間、私は理解し、仕事をしてきていた」

 しかし、「ここ二、三年、自分が理解していたニュースや報道番組での公平公正のあり方に対して今までとは異なる風が吹いてきていることを感じた」と、国谷氏は振り返る。その時期は、安倍政権がメディアへの圧力を強めてきたタイミングと重なる。

「その風を受けてNHK内の空気にも変化が起きてきたように思う。例えば社会的にも大きな議論を呼んだ特定秘密保護法案については番組で取り上げることが出来なかった。また、戦後の安全保障政策の大転換と言われ、二〇一五年の国会で最大の争点となり、国民の間でも大きな議論を呼んだ安全保障関連法案については、参議院を通過した後にわずか一度取り上げるにとどまった」

 これは『クロ現』に限った話などではなく、同時進行で他局でも起こったこと、そしていまもつづいている問題だ。報道はいつしか骨抜きにされ機能不全に陥り、たとえば南スーダンの戦闘が「衝突」と言い換えられても大した問題にならないという社会になってしまった。

 オックスフォード大学出版局は、16年を代表する言葉として、客観的な事実が重視されず、感情的な訴えが政治に影響を与える状況を意味する「ポスト・トゥルース」を選んだ。だが、日本は数年前からすでにポスト・トゥルースの時代に入っている。このようななかで、メディアのあり方はどうあるべきか。国谷氏はこう綴っている。

「伝えられる情報のなかに事実ではないものが多くなっているとすれば、人々の生活に大きな影響を及ぼしかねない決断をする立場にある人間に対して、その人間から発せられた言葉の真意、言葉の根拠を丁寧に確かめなくてはならない。選択された政策や経営戦略などを検証するために、『問うべきことを問う』ことがますます求められていくのではないだろうか。ジャーナリズムがその姿勢を貫くことが、民主主義を脅かすpost-truthの世界を覆すことにつながっていくと信じたい」
(水井多賀子)

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

キャスターという仕事

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

国谷裕子がNHK『クロ現』降板の舞台裏を告白! 現場では続投方針だったのに突如、上層部から交代指示が…のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。NHK水井多賀子の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 アンゴラ村長「顔や生まれ蔑む笑い」批判
2 ICANノーベル賞授賞式を日本マスコミが無視
3 ペジー社社長の財団が山口敬之の実家に
4 不正入札、リニア新幹線はアベ友利権だ
5 欅坂46平手友梨奈“異変”FNSでも?
6 自民党が女性の社会進出否定する動き
7 安倍が横田早紀江さんを無視している
8 宮崎誤報で松本人志の言い訳がひどい!
9 生活保護カットで他の低所得者も困窮
10 美智子皇后が誕生日談話で安倍にカウンター
11 ペジー社・齊藤容疑者が櫻井よしこと
12 さんま「戦争に税金使うな」と国税に抗議
13 富岡八幡宮、祖父は日本会議前身の中心
14 カズオ・イシグロがネタバレ自粛に疑義
15 昭恵の無神経と籠池夫妻の勾留長期化
16 ノーベル賞授賞式で被爆者出席も安倍政権が
17 山口敬之氏のスポンサーが逮捕された!
18 エルサレム問題で安倍がトランプのポチ
19 田崎とケントに自民党からカネが!
20 山口敬之との関係を質された安倍首相が
1田崎とケントに自民党からカネが!
2さんま「戦争に税金使うな」と国税に抗議
3安倍が横田早紀江さんを無視している
4山口敬之との関係を質された安倍首相が
5山口敬之氏のスポンサーが逮捕された!
6義家前文科副大臣が学校法人から献金
7安倍首相、森友加計の虚偽答弁を訂正せず
8ICANノーベル賞授賞式を日本マスコミが無視
9加計獣医学部で特別扱いが次々露呈
10昭恵の無神経と籠池夫妻の勾留長期化
11北朝戦争に”NO”を言わない安倍政権
12ペジー社・齊藤容疑者が櫻井よしこと
13 不正入札、リニア新幹線はアベ友利権だ
14安倍、麻生、稲田らのデタラメ政治資金
15ノーベル賞授賞式で被爆者出席も安倍政権が
16生活保護カットで他の低所得者も困窮
17富岡八幡宮、祖父は日本会議前身の中心
18SF慰安婦像問題と日本の歴史修正主義
19エルサレム問題で安倍がトランプのポチ
20大林宣彦「青春は戦争の消耗品ではない」

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

連載一覧へ!

アベを倒したい!

ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100

ブラック企業被害対策弁護団

"驚愕のブラック"マッサージチェーン! 4日間睡眠時間ゼロの社員研修、会議の締めに男性社長と強制ハグ...

ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」