高木前復興相の“パンツ泥棒逮捕”がいまさら事実認定! 安倍政権への配慮で追及しなかった新聞・テレビの責任

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 同時に、こんなことは官邸が本腰を入れて調べていればあっという間にわかるような話であり、実際、安倍首相は事前の“身体検査”で高木氏に「パンツ泥棒」の過去があることを知りながら大臣に抜擢したとされ、事件が露呈してからも無視しつづけたことの責任は重いものだ。

 しかし、この機会にあらためて、よく考えてみてほしい。「大臣が女性宅に不法侵入してパンツを盗んでいた」というとんでもない問題が発覚しても、疑惑を追及すべきという世論はまったく生まれなかった。その背景には、言うまでもなくメディアの報道姿勢がある。これまでならすぐさま飛びついていたワイドショーはダンマリを決め込み、ニュース番組も「そういった事実はない」という大臣の言い分を垂れ流すだけ。そうして安倍政権は、下着ドロを大臣として据えつづけたのである。これはどこからどう見ても異常事態だ。

 いや、その異常事態はいまもつづいている。現在の安倍内閣にしても、菅義偉官房長官や稲田朋美防衛相をはじめとする「白紙領収書」問題に、同じく菅官房長官の日歯連からの迂回献金疑惑、山本有二農水相の官製談合で摘発された建設会社からの献金問題と「強行採決」発言問題、鶴保庸介沖縄・北方担当相による政治資金規正法違反のパーティ券問題と口利き疑惑に「土人」発言擁護、くわえて氏には元妻へのモラハラ問題ももちあがっている。

 さらに稲田防衛相にいたっては、政府が武器などを受注している防衛関連企業の株を夫名義で大量に取得していたことが発覚。防衛省トップである稲田大臣がその気になれば、夫が保持する防衛企業の株価を意図的に吊り上げることだって可能であり、政治倫理的にも到底看過できる問題ではない。

 だが、どうだろうか。上述したのは安倍内閣で浮上した問題のほんの一部にすぎないが、いずれもこれまでなら大臣のクビが飛び、場合によっては政権そのものがひっくり返るニュースとなっていたはずだが、何ひとつテレビで大きく報じられることなどなかった。かたやメディアは、舛添要一前都知事を政治資金問題によって辞任にまで追い込んだというのに、である。

 大臣の資質を問うべき大問題が、問題として扱われていない現実。メディアがこの体たらくだからこそ、もはや大臣たちは「何をやっても許される」と国民を完全に見くびっているだろう。パンツ窃盗犯が大臣に居座ったという事実は、恥も外聞もない安倍政権の姿そのものなのである。
(編集部)

最終更新:2017.11.15 06:11

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