「愛情の搾取」問題は最終回でどう着地するのか?『逃げ恥』が疑い続けた男と女、結婚と恋愛をめぐる価値観

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 出演者やドラマ制作陣が細心の注意を払って類型的な表現を避けるのには理由がある。人はみんな多様な価値観や考えをもっていて、生きていればそれらがぶつかり合うことはあるものの、お互いが理解するよう努めれば必ず前に進むことができる、というのがこの物語の伝えるメッセージだからだ。そのキャラクターがもつ特徴を強調して描いた方が「キャラ立ち」という面では作劇上有効なのかもしれないが、それをするわけにはいかない。その方法を選ぶことは、キャラクターのもつ多様性を捨てることになり、生きた人間として見せられなくなって、作品が伝えようとするメッセージも壊すことになるからだ。星野は先ほどのコメントに加えてこのようにも語っている。

「そういうところも含めて、なんというか、平匡という役はみんながたとえば『頑張れ! 頑張れ!』っていう応援したくなる役だとは思うんですが、すごくステレオタイプなオタクだったりダメなやつっていうことではまったくないんだと思っていて。演じる上では、たとえば茶化して演じたりとか、コメディではあるんですが、ベロベロバーみたいなそういうお芝居は絶対にしないようにしようと思っております。とても真面目に生きているだけなのに、社会とのズレで笑いが起きてしまう。社会とかみんなの中の常識とちょっとだけズレているために笑いが起きてしまったり、微笑ましかったりするという。そういう風に演じさせていただいております」

 もちろん、それは他のキャラクターにも共通している。とくにアラフィフ高齢処女という設定をもつ百合に関しては、原作漫画のなかで読者からかなりの反響を巻き起こしたそうだ。海野つなみは前述の特別番組でこのように語っている。

「結構本当に第一話を描いた時にすごい読者さんから悲鳴がいっぱい来て。なんか『もう海野先生、なんていうものを描いてくれたんですか。ひどい』みたいな感じで。でも、それから話が進むにつれて百合ちゃんがそれを特に引け目に思っているというわけでもなく普通に楽しく充実して暮らしているのを見て、みんなが『悲惨な女として描かれているんじゃなくて、普通に生きている楽しい女性として描いてくれているので、私も百合ちゃんみたいになりたい』みたいな方に読者さんからの声が変わっていったので。だから、『よかった』みたいに思いましたね」

 もちろん作中ではそういった事情に思い悩む場面も描かれるのではあるが、百合のネガティブな側面ばかり強調される類型的な描き方ではないがゆえに、彼女が抱える苦悩がよりリアルで切迫感のあるものとして感じられるのは間違いない。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 籠池氏と財務省の面談音源が明らかに
2 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
3 ブルマーが強制された意外な理由とは
4 葵つかさが「松潤とは終わった」と
5 辞任!今村復興相の差別的本質は最初から
6 今村更迭は、安倍首相に謝罪させたから
7 室井「安倍を倒せ」に山本太郎の答えは
8 安倍政権の独裁国家並み情報隠蔽やり口
9 講演で稼ぐネトウヨ文化人のビジネス
10 国谷裕子がクロ現降板の舞台裏を告白!
11 稲田が自衛隊と米空母の訓練を秘密に
12 自衛隊とカールビンソン共同訓練の裏
13 オザケン父と息子の鋭すぎる権力批判
14 今村復興大臣を激高させた記者が告白
15 秋篠宮家の料理番がブラック告発
16 玉川徹に自民議員が共謀罪の正体を
17 中川俊直不倫醜聞は自民党の体質に原因
18 ガンバ大阪「ナチス旗」問題を取材検証
19 星野源が大衆ウケするようになった理由
20 SMAPの寂しすぎる最後は仕方ない!
PR
PR
1玉川徹に自民議員が共謀罪の正体を
2自民が森友追及され逆ギレ強行採決
3オザケン父と息子の鋭すぎる権力批判
4「週刊女性」が「共謀罪」を大特集
5ペギー葉山が遺した安倍政権批判の言葉
6室井「安倍を倒せ」に山本太郎の答えは
7安倍が北朝鮮危機煽りつつ桜を見る会
8キノコや筍を採るだけで共謀罪
9講演で稼ぐネトウヨ文化人のビジネス
10森友国有地取引で財務省主導の証拠が
11安倍政権が関東大震災・朝鮮人虐殺を
12稲田が自衛隊と米空母の訓練を秘密に
13安倍政権の独裁国家並み情報隠蔽やり口
14「共謀罪」にアジカン後藤らが反対の声
15北朝鮮危機の最中に安倍はフィットネス
16有村治子議員がNHKに言いがかり
17三回忌を迎えた愛川欽也を偲ぶ!
18安倍政権が自衛隊の対北武器使用指針
19籠池氏と財務省の面談音源が明らかに
20中川俊直不倫醜聞は自民党の体質に原因
PR
PR

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

室井佑月が斎藤貴男と「共謀罪」を徹底批判!「安倍政権に逆らう人が片っ端から逮捕される」

アベを倒したい!

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」