ASKAのタクシー車内映像まで流したテレビ局に宇野常寛が「視聴率目的のクソ」「テレビの傲慢」と真っ向批判

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 相手が安倍政権の閣僚だったら、ささいな批判さえ「公平な報道をしないと」「公正な取材ができない」などどいって腰が引けてしまうのに、バーニングプロダクションやジャニーズ事務所のような大手所属タレントが痴漢のような犯罪行為を犯しても報道することすらしないのに、ASKAが相手となったらまさにやりたい放題なのである。

 しかも、彼らはそのことに恥じ入る様子はまったくなく、『スッキリ!!』の加藤のように、「ああいう犯罪に手を染めてる人間だから、レコーダーを公開したってもいいんだ」と開き直っている。

 だが、違法薬物使用は、本当に連中が言うような重大犯罪なのか。たしかに、禁止薬物の使用は刑法で罰せられる行為であり、再犯率も約6割と高い。しかし、欧米では、薬物依存症は犯罪ではなく病気として対応するのが主流となってきている。たとえば、アメリカでは1980年代後半から摘発後も刑務所に収容せずに施設に通わせて治療させる取り組みが始まっている。これは「ドラッグコート」と呼ばれるもので、裁判官が回復プログラムを監督し、終了すれば刑事手続きも終えるという仕組みだ。しかも、重要なのはこのプログラムの導入の結果、効果を上げており、再犯率も下がったといわれている。

 こうした薬物依存に対する日本と欧米のスタンスのちがいについて、水道橋博士も本日放送の『バイキング』(フジテレビ)で、こんなふうに語っていた。

「たとえば、アメリカでいうと、多くのアーティストの人が、このハードドラッグをやって体を潰していくけど、そこから再生する物語があるじゃないですか。たとえば、キース・リチャーズでも、アンジェリーナ・ジョリーでも、誰でもいいですよ。そういう薬物からの再生のストーリーっていうものを社会的に認めてあげよう、社会から排除してはならないっていう話があるじゃないですか。そこと一緒に語らないと、どんどんと孤独になるだけじゃないですか。とくに顔がもうすでにわれた人にとっては。その部分をこう、テレビは話し合ってほしいなと思いますけどね」

 薬物依存者を異物として排除するのでなく、社会のなかで包摂していけるよう、報道のあり方もあらためるべきだと。

 ところが、ワイドショーの報道は薬物依存をまるで性犯罪並みの「重大犯罪者」扱いをし、「栄光からの転落した」と、まるでおもちゃのようにいじり倒すことしかしないのだ。これでは更生なんてできるはずもないだろう。

 というか、日本のテレビは最初からきっと薬物犯罪者の更生なんて考えてもいないだろう。それどころか、犯罪を糾弾しようとしているのだって、ポーズに過ぎない。彼らの目的は、自分たちに歯向かう力のない安全な獲物を見つけ、それをいじって見世物にして視聴率を稼ぐ、それだけのことにすぎないのだ。
(本田コッペ)

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