宮藤官九郎のオリンピック大河ドラマはナチスの「民族の祭典」になるのか、それとも五輪ナショナリズムを解体するのか

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 こうしたことを考え合わせると、クドカンはすでに、国威発揚と逆ベクトルのドラマを構想している可能性もある。1910年代は、一方で、大逆事件や大正デモクラシーなど、民衆の時代の幕開けでもあった。オリンピックにしても、ベルリン五輪に「日本代表」として出場した当時日本の植民地支配下にあった朝鮮の選手たちやオリンピック開催に反対していた人々など、大河的な英雄史観ではとらえきれないエピソードはいくつもある。

 クドカンはこうした史実を得意の小ネタとして散りばめ、いままでにないやり方で戦争の恐怖や国家の残酷さ、そして国家に忠誠を誓うことのバカバカしさを描こうとしているのかもしれない。

 ただ、安倍政権や極右勢力が、帝国主義時代・侵略戦争を正当化しようという歴史修正主義の動きを強めているいま、安倍さまのNHKで、「オリンピックのメリットは国威発揚」と言ってはばからないNHKで、どこまでそれができるのか、という問題はある。

 しかも、この時代を描くというのは、一歩間違えれば、右派勢力やネトウヨの炎上を招くことを意味する。

 それでも、クドカンにはチャレンジしてほしい。安倍やNHKにはそうとは気づかせないやり方で、左翼にはできないやり方で、戦争の恐怖を訴え、オリンピックナショナリズムを乗り越える方法を提示してほしい。そう願わずにはいられない。
(酒井まど)

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