『おそ松さん』藤田監督もリスペクトするカリスマDJ・高野政所が明かす大麻逮捕後の留置場体験記

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 こうして彼が入れられた「第八居室」には、現役のヤクザ、振り込め詐欺グループの幹部、万引き犯のベトナム人とバラエティ豊かな面々が揃っていた。そして高野氏は一見「イカツイ」容姿からヤクザ者と間違われ、留置場に入るなり現役ヤクザからいきなりこんな質問を受けたと言う。

「初めてだってね? どっかの組にいるの?」

 考えるだに恐ろしいメンツが揃った居室に入ることになり、高野氏ははじめリンチを受けるのではないかと心配したらしいが、そんなことはなかった。むしろ、裏社会に生きる人たちの意外に親切な側面を垣間みることになる。特に、振り込め詐欺グループ幹部のいわゆる「半グレ」の男は、詐欺という容疑だけに留置場にいる期間も長く「室長」というあだ名をつけられていたのだが、彼に親切にしてもらったエピソードが多く紹介されている。

 現行犯で突然逮捕されてしまったため、周囲の人間と何の連絡もとることのできぬまま姿を消してしまった高野氏。恋人とも、締め切りのある案件を抱えた仕事相手にも一言も言えずに人間蒸発してしまったわけだが、せめて逮捕されている事実だけでも周囲に伝えたい。しかし、弁護士以外との接見が禁止されている逮捕から48時間(いわゆる「ヨンパチ」)は外部との連絡をとる手段がまったくない。そこで困り果てていた高野氏に対し、室長はこうアドバイスしてくれたと言う。

「留置場に拘束されている被疑者は、いつ何時でも弁護士を呼ぶ権利があるから、弁護士を使って身内に連絡をしてもらう方法がある。ただ、電話番号が分からないんだったら、すぐに伝える方法だとすると電報しかない。弁護士を呼んで電報を頼むんだね」
「決まった弁護士が現時点でいなくても、弁護士協会に当番弁護士というのが常駐していて、担当官に言って呼び出せばその日の当番で入っている弁護士が来てくれるよ。当番弁護士の接見を希望しますと担当官に頼めばいい。どんな奴が来るかは分からないし、基本、当番で入ってる奴だから、やる気はないけども、パシリを頼むことくらいはできるから」
「まぁ初めてパクられると、こういうことも分からないからねえ。分かることなら答えるから、何でも聞いてよ」

 当然、留置場の担当官はこんなことは一切教えてくれなかったわけで、室長がいなければ、高野氏の檻の中の生活はより厳しいものとなっていたのは間違いないだろう。

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