尾崎豊の息子・尾崎裕哉が語る二世タレントの苦悩、そして人前で父親の歌を歌えるようになった理由

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 ただそれから数年が経ち、音楽活動を続けていくなかでだんだんと自分の置かれている状況を受け入れ、克服していく準備は出来つつあるようだ。彼は尾崎豊に関するイベントで歌を披露したときに思ったことを、このように綴っている。

〈僕にとって、一番大事だったのは、あの場所に来てくれた記者の人たちが、僕の歌をじっくり聴いていたこと。それは、僕の声が父親によく似た声だったから。僕も父親の声は素敵だと思うし、むしろ声が似ていると言われるのは、これ以上ない褒め言葉だ。父譲りの喉。僕自身も自分の声が好きだ。テクニックや歌唱力はまだまだかもしれないけれど、この声は、歌手としてのアイデンティティーの一つだ〉

 とはいえ、二世であることを自然に受け入れる境地に至るまでにはかなり困難な道が待ち受けるようだ。もはや二世タレントのイメージもほとんどない寺島しのぶですら、つい先日の8月31日に行われた会見でこんなことを語っている。

「二世はいつまでも二世。親は変えられない。若いころは親を超えなければと思っていたが、仕事をするようになって受け入れられるようになった。緊張して手が震える時『この親から生まれたから、私はたぶんできる』とポジティブに考えられるようになったのは最近のこと」

 尾崎裕哉が彼女のような考えができるようになるまでには、もう少し時間が必要なのかもしれない。

 ちなみに余談だが、尾崎豊の死を巡り、裕哉の母・繁美氏と、祖父・健一氏および伯父・康氏に分かれて、週刊誌やテレビを巻き込んだ対立が起きたことを覚えている方も多いだろう。しかし、『二世』を読む限り、だいぶ前にこの争いはなくなっていたようだ。本書には2014年の23回忌の法事に父母両家の親族が集まり、仲睦まじく談笑する場面が描かれている。また、彼が14歳のころに祖父の前で歌を歌い「豊に声が似ているね」と言われたとの逸話も出てくる。

 本人も本書のなかで〈この声は、歌手として自分のアイデンティティーの一つだ〉と綴っているが、その声を武器に父とは違う自分自身のキャリアを切り開いていけるか、それは彼自身にかかっている。
(新田 樹)

最終更新:2017.11.24 06:36

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