自民党の教師密告フォームの効果が早くも…「与党2/3で改憲」「戦争に行くことも」と発言した教師が追及され謝罪

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 現に、今年5月、自民党は18歳選挙権を踏まえて教育公務員特例法の改正に着手。同法では公立高校の教職員の政治活動が禁止されているが、これにこれまでなかった罰則規定を設ける方針を固めた。改正案では教員の政治的行為の制限に違反に対し、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金を科するという。完全に教育や思想の自由を奪う“特高警察の復活”的発想だ。民主主義国家としてありえないだろう。

 しかし、何度でも繰り返すが、こういう戦前じみた方針を次々と打ち出して着実に日本を戦争へ突き進ませているのが、安倍首相率いる自民党なのである。そして、それまで密告フォーム問題を一切無視していた読売新聞がこのタイミングで名古屋市の教諭の記事を出したのも、あきらかに安倍政権をフォローする目的としか思えない。

 この国の新聞は、戦前戦中にさかんに戦意昂揚の記事を連発し、日本という国を破滅に突き進ませた。それとまったく同じ光景がいま、安倍政権下で起きているのだ。

 事実、この問題について問われた馳浩文科相は、12日の記者会見で、「先生に思い入れが有りすぎ、これが良い、悪いとまで言うのは、やめた方が良い。教職員の偏った一方的な主義主張を押し付けるのではなく、政治的中立を守りながら、子どもたちに主権者としての意識を涵養していく取り組みが必要と思う」と答えた(「エコノミックニュース」7月13日付)。ようするに、あれだけ“密告フォーム”が国民から批判されているにもかかわらず、その方針を曲げないということらしい。

 では、安倍政権がいう「政治的中立」は誰が決めるのか。その答えは明確だ。現在文科副大臣である義家弘介衆議院議員はかつて、石原慎太郎東京都知事(当時)との対談でこのように言い放っていた。

「まず第一に、善悪に関する明確な線引きが必要です。(中略)では、誰が共通の線引きをするのかといえば、私は今こそ国がやるべきだと思っています」(「諸君!」07年3月号/文藝春秋)

 つまり、教育の「政治的中立」は国家が決める。そう宣言しているのだ。これから安倍政権は教育に関する法律を改悪して、募った“密告”をもとに教員を恣意的に逮捕していくだろう。そして、こうした民主主義の根本を破壊する教育介入、思想統制を経て、日本を再び戦争への道へ引きずり込むだろう。子どもたちを戦場に送らないためにも、われわれはこの“戦前回帰政権”を一刻でも早く止めなければならない。
(編集部)

最終更新:2016.07.17 12:21

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

自民党の教師密告フォームの効果が早くも…「与党2/3で改憲」「戦争に行くことも」と発言した教師が追及され謝罪のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。憲法教育編集部自民党の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄