神田うのが「KYな母親はダメ」「目立たず控えめに」と娘のために脱KY宣言! でも弱者への配慮のなさは変わらず

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「甘く見てますよね。借りてるワケだから、ちゃんとお返ししないと」

 うのは今、私立大学の授業料が年間100万円近く、理系ならゆうに100万円を超えることを知っているのだろうか。これは、中流以下のサラリーマン家庭ではとても払える金額ではない。だから、若者たちは仕方なく奨学金を借りているのだ。しかし、その総額は400万円にも及ぶうえ、利息でさらに金額が膨らんでいく 。20代にとってはこれは大きな負担であり、多くの奨学生は卒業後、生活苦にあえぎ、結婚もできない状況に陥っている。それを「甘く見てる」とはどの口が言っているのか。しかも、うのはこんな追い打ちまでかけていた。

「ねぇ~! 月々8万円も借りてたワケだから。それが1万6000円、20年やればいいんでしょ? できそうですけどね、がんばれば」「飲みに行かなければいいんだ! 飲み代を削ろう!」

 また、昨年12月にも同じく『ノンストップ!』でも、うんざりするようなその本質をさらしていた。高齢者ドライバーの事故多発がテーマだったのだが、うのは自身の父親がゴルフに行く際、交通手段を車から電車に切り替え、荷物も先に宅急便で送ると自慢。運転する高齢者に対し「いい迷惑〜」「今の生活に頼るっていうか、そのまま維持しようって考え、よくないと思うんですよ」などと批判を展開したのだ。

 持ち出したのは、都会に住みゴルフという裕福な遊びができる恵まれた自分の父親のケースだ。地方で交通手段もなく日常的に病院に通わなくてはいけない高齢者が直面する切羽詰まった現実などまったくわかっていないのである。

 そういう意味では、うのの「転向」は最悪のパターンといえるだろう。これまでのうのはまだ、傲慢ながら、その奔放な言動で共同体の古い価値観を転倒させる役割を担っていた。

 ところが、今のうのは、強者の傲慢、弱者への想像力のなさはそのままで、たんに家族の利益を守るためだけに、共同体の理不尽な圧力に従い、その宣伝役まで演じてしまっているのだ。

 うのは「ひとりのKYはいいけど、家族をもったKYはダメ」と得意げに語っているが、それは、会社の従業員や他人のことなど考えなくていいが、家族のことだけは考えろ、と言っているのと同じ。むしろ、ブラック企業経営者によく見られるような最悪のエゴイズムだろう。

 あげくは、他人に対しても「家族を持ったらおとなしくしろ」と説教する。この自分のエゴを説教にすりかえるやり口や、傍若無人と共同体規範の強制を平気で共存させている神経を見ていると、「この女、そのうち、第二の曽野綾子にでもなるつもりじゃないのか」と心配になってしまうのだ。
(林グンマ)

最終更新:2016.07.07 03:02

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