参院選出馬、高樹沙耶の「大麻解禁」公約はトンデモじゃない! 世界各国で大麻の医療効果が認められ合法化進む

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 矢部氏が取材したハダリン老人ホームでは、医療用大麻を用いることで、入所している高齢者たちの体の痛みや痙攣、不眠、食欲不振などの症状を改善し、処方薬を減らすことに成功したという。特に、大麻には眼圧の上昇や痛みを抑える効果があり、緑内障の治療に大きな威力を発揮している。

 このように高齢者の間で医療用大麻使用が広まっているのは、イスラエルのみならずアメリカにおいても同じで、矢部氏は13年10月8日付「ハフィントンポスト」の記事から、50歳〜64歳で大麻を使用した人の割合は45%にもおよんでいるとのデータを紹介している。

 このように世界各国で医療用大麻の効果が認識されることで、大麻はもはや研究段階の域を越えて、実生活のなかに取り入れられはじめているわけだが、そのような事例を見ても、大麻に対して偏見の強い日本では、まだまだ忌避する声が大きいだろう。

 そんな忌避の声としてまずあがるのが、医療用とはいえ、大麻を使用したらハイになって精神的におかしくなってしまうのではないかという不安だ。これに関してはもうすでに解決策が示されている。

〈1964年、ヘブライ大学のラファエル・メコーラム教授(医療化学博士)は、大麻に含まれる60種類以上の成分のなかから精神活性作用のあるTHC(テトラヒドロカンナビノール)を初めて抽出した。続いて同大学のルース・ガリリー名誉教授(免疫学博士)が、大麻のもう一つの主成分CBD(カンナビジオール)に抗炎症性や抗不安作用があることを発見した。この二つの主成分が明らかになったことで、イスラエルでは、医療用大麻の研究が進んだ。THCの含有率を低く、CBDの含有率を高くするための大麻の品種改良も行われた。そうすれば、患者は大麻を使用しても精神的にハイにならず、治療に専念できるからである。今日イスラエルで使用されている医療用大麻の多くはTHCの含有率が低く、CBDの含有率が高いものだという〉(前掲『大麻解禁の真実』より)

 そして、もうひとつの懸念が、一度大麻などを使ってしまったら依存症に陥ってしまうのではないかという心配だ。しかし、これも研究が進められた結果、まったくの誤解であることが明らかになっている。

 確かに、大麻には依存性がある。しかし、それは、アルコールやタバコなど現在嗜好品として合法的に流通しているものと比較しても危険とは言い難い。矢部氏は同書のなかで、米国医学研究所(IMO)が1999年に発表した薬物の依存度を比較した調査結果を紹介しているが、それによれば、大麻により依存症を引き起こす人の割合は9%。タバコの32%、アルコールの15%という数字と比べて低いものである。

 また、大麻による禁断症状も、他の薬物のような酷い症状は起こらないとされている。同書のなかで、薬物依存の研究をしているアマンダ・レイマン博士(カリフォルニア大学バークレー校社会福祉学部教授)はこう説明している。

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