安倍官邸が送り込んだ日本銀行審議委員に「ショーンK氏」並みの経歴詐称と「小保方氏」ばりの杜撰論文が発覚

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 まず、東大の博士課程修了について。東大経済学部当局によると「博士課程修了」とは博士論文が審査を通って博士号を取得していることを意味するという。博士論文は文部科学省令によって公表が義務づけられていて、博士号を授与した大学に行けば誰でも自由に閲覧できる。ところが、「週刊ポスト」記者が東大経済学部の資料室で閲覧申請をしたところ、「該当論文がない」「この方は博士号を持っていない」ということが分かってしまったというのである。

 さらに、「週刊ポスト」記者は同大経済学図書館に収蔵されていた『ケインズ的経済成長の動学的性格』と題された修士論文を“発掘”した。これがなんと、目次を含めて400字詰め原稿用紙たったの「4枚」、文字数にしてわずか1258字というシロモノだった。「週刊ポスト」はこの論文を財務省出身の小黒一正・法政大学経済学部教授に見せ、

「本当に本物ですか? こんな修士論文、見たことがありません」
「内容は当時の経済学で示されていた課題を要約しているだけで、(中略)学部生が書いた簡単なレポートのレベルです。(中略)私が指導教官なら通さない。東大がこんな論文で修士号を与えたこと自体、不思議でなりません」

 とのコメントを引き出している。まさに、ショーンK+小保方晴子事件のような話なのだ。

 経歴にある「大蔵省財政金融研究室特別研究員」についても同様で、大蔵省(現・財務省)の1984年の職員録を調べてみても櫻井氏の名前は見当たらず、同省秘書課の説明でも保存されている30年分(86年以降)の行政文書の記録を調べても櫻井氏が(日銀のHPに記載されている時期に)財政金融研究所(85年に改称)に在籍している記録は確認できなかったという。そもそも「特別研究員」という役職自体が存在しなかったようなのだ。ただし、痕跡はあった。

「90〜96年に、同研究所で非常勤、原則無給の特別研究官をされていた記録はありました」(同省秘書課、「週刊ポスト」より)

 これがなぜ、〈昭和59年4月/大蔵省財政金融研究室特別研究員〉という日銀HPの記載になるのか、はなはだ疑問だ。これは細かいことでも、単なるミスでも許されない。ことは、ショーンKのようないちタレントの経歴ではないのである。我が国の金融政策を左右するトップ9の一人が、真にその重責をまっとうする資格があるかどうかの問題なのだ。

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