「小6のときレイプされて。そのとき車のなかでそのおっさんが……って歌っていた」大森靖子が激白した衝撃の半生

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 しかし、その孤立は、高円寺のカルトなライブハウス「無力無善寺」にレギュラー出演するようになってから変わっていく。加地等や豊田道倫といったミュージシャンの先輩に生き方を学び、そして、初めて周囲に自分を理解してくれる仲間を見つけた。

 その後、本格的にミュージシャンとしての道を歩み始めた彼女は、オファーを受けたイベントは断らず、どんな場所でも歌いに行く生活に突入。ある程度売れると普通はライブの数を絞るものだが、彼女が選んだ道は仕事を選ばず、毎日のようにどこかのステージに上がり続けることだった。

 しかし、その過程で今度はSNSを介した顔の見えない人々の悪口が彼女を追いつめる。「ブス」「メンヘラ」、そういった言葉が次々と書き込まれ、〈有名になることは、ただただ自傷行為でしかないんだろうか〉とすら思いいたるようになってしまう。

 表現する者が抱える普遍的な悩みだが、SNSが普及した2010年代以降はことさらにそれが顕著だ。ただ、彼女はそれに押しつぶされることはなかった。〈ネットでは、自分のことをなんて言われているか気になってエゴサーチばかりして、悪口は見つけて読んでおきたかった〉とすら語る大森靖子は、むしろ、それら悪口を活動の糧にしていく。そのとき力になったのは、「私はこの子たちとはまったく違う生き物なんだ」と感じたあの日から耐え続けた孤独の日々だった。

〈人がみんな、他人の評価なんかに怯えずに、ただ感情をスピーディーに、かつ美しく表現して、それを享受した喜びでまた新しい価値観や世界がうまれていく、そんな社会に少しでも近づけばと思っている。そのためにも私は今のままで、決して空気や他人の悪意に押しつぶされず、しっかり生きて、しっかり歌って、しっかり魅せていかなくちゃいけない。それが、私のここから数年の仕事なんだろう。叩かれても疎まれても捨てなかった自由と孤独を武器に、才能が死なない世の中にする努力をしたい〉

 SNSや世間の空気によって潰れていく才能がある一方、そんな状況を打破しようと宣言する大森。他人の評価に怯えず、空気に押しつぶされず、叩かれても疎まれても自由と孤独を武器に。彼女はこれからどんな作品を生み出すのか。そのエキセントリックなたたずまいから、メンヘラと称されることもある大森だが、実は孤独を怖れないそのタフな活動に注目したい。
(新田 樹)

最終更新:2017.11.24 09:41

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