『俺妹』のヒットは作家の「性癖」に忠実につくったから!? ラノベ界随一のヒットメーカーが明かす編集の極意

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 ようするに、流行や商業的な成功を狙ったテーマ設定では、人を惹き付ける作品を生むことはできない、作家は世間体など気にせず、本当に書きたいと思ったテーマを作品に落とし込め、ということらしいのだが、これだけ聞くと、実は普通の小説よりも文学的なアプローチをしているのか、という印象さえ抱いてしまう。

 しかし、一方で、ライトノベルはあくまで「エンターテインメント」。テーマは作家の「本能」に忠実なものであっても、話の展開はあくまで読者に寄り添ったものであるべきだと、三木氏は言う。読者が思う「こうして欲しい」「こんなものを読んでみたい」という期待に応え、「スッキリ」を提供することを目指す、それがライトノベルなのだ、と。

 例えば、鎌池和馬『とある魔術の禁書目録』のラストでは、より読者の「スッキリ」感を強めるため、単に主人公が敵に勝利をおさめるだけでなく、「クローンなら何体殺しても構わない」という敵の非人道的価値観そのものが敗北していくようにストーリーがつくられていったという。

 しかも、物語展開に矛盾が出てきても、読者の期待を裏切るような解決策をとってはならない。この『とある魔術の禁書目録』でも、クローン少女の設定上、物語展開につじつまのあわない部分がでてきたことがあったらしいが、三木氏は「物理的に可能にするために、抑えるのではなくぶっ飛んだ演出を考えましょう」と、逆にクローン少女を2万人というとんでもない数にすることで、その矛盾を乗り越えたらしい。

 では、そのようなストーリーを修正していく作家と編集者の「打ち合わせ」はどのように行われるのか。ラノベ界一のヒットメーカーには、定まった方法はなく、あくまで作家にあわせるのだという。

〈作家ごとに、やりやすい環境、やりにくい環境が必ずあります。プロットは決め込んでいるから矛盾点のみを指摘してほしいという人もいれば、ゼロから一緒につくっていきたいという人もいる。同じ作家でも、作品毎に違う場合もあるでしょう。作家のやりやすい環境がどんなものなのかをなるべく早い段階で見極め、作家のベストエフォート(理想の実力)を引き出すことが編集者の使命です〉

 ただ、三木氏はどんな作家の打ち合わせでも共通して大事なことが一つあるという。それは〈打ち合わせの場を、常に『明るく楽しく!』すること〉。

〈基本的には「ダメ出し会」になってしまうのが打ち合わせです。作家にとっては一番良いと思っている原稿に文句を言われ続けるのですから、良い気分になる人はいないでしょう。
 だからこそ、いかに「楽しい打ち合わせ」にするかが重要なのです〉

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