キングオブコメディ高橋健一はなぜ「女子高生の制服」に走ったのか? 背景にある洗脳願望とコンプレックス

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〈もし少女の脳を、私の脳によって置き換えたら、何がおきるのだろうか。私は、少女の体の中に幽霊のように入り込んで、少女の体を内側から生きることができるようになるだろう。私の体は、少女の体となり、私が胸を触ればそこにはまだ小さい乳房があり、鏡を見ればそこにはかわいい少女の顔が映っているということになるはずだ。私は少女の体を内側から生きることができるのだから、その少女を自分の思い通りに完全に支配し、操作することができる。これが「洗脳」のもっとも完璧な形である〉
〈「少女を洗脳したい」という欲望とは、私のこの体を捨て、少女の体の中に入り込んで、そのかわいい体を、その内側から自由自在に操りたいという欲望ではないかと思うのだ〉

 全然理解できないと感じる読者もいるかもしれないが、これ、まったく突拍子もないことを言っているわけでもない。

 例えば、モーニング娘。やAKB48などのファンの「男」が「自分があのグループに入ったら」と妄想することは決して珍しいことではないし、アニメファンが自分の好きな作品に出てくる美少女キャラに同化して夢想するというのも、広く流通している楽しみ方である。

 しかし、このような感情の根本には、成熟した「男の体」という自分自身の身体性に対する強い「自己否定」がある、と森岡はいう。これが中学や高校の「制服」に対して妄執を抱くことに関係しているのだ、と。

 人間は、第二次性徴を迎えるまで、生殖器などに違いはあるものの、男と女の身体にそこまでの違いはない。身長もだいたい同じくらいだし、身体のフォルムも似通っている。男も女も「ユニセックス」な状態と言える。しかし、第二次性徴を迎えると、身体は激変。男であれば、〈体が大人になるにつれて、男性ホルモンがどんどん作られるようになり、筋肉が付き、体がゴツゴツしはじめ、毛がたくさんはえ、精液で汚れ、体の中から変な臭いがたちのぼってくる〉ようになる。そのことを〈どうしても受け入れられな〉かった人々がいる。そうした男たちの思春期に感じたその思いが、年を重ねるにつれ、こんな発想へと結実していく。

〈あの少年のころの体へと戻りたいという思いがある。そしてできることならば、あの思春期の分岐点を、男性ホルモンも、筋肉も、体毛も、精液も存在しない「女の体」のほうへと向かって、大きくカーブしてみたかったという思いが存在する〉
〈私は、「ああ、私もあの少女のように、できることならば向こう側へと舵を取ってみたかった」と思い、その少女の体の内部へと自分の意識をすべり込ませ、少女の思春期を内側から追体験して生きてみたいと思うのである。ロリコンの心理は、こうやって誕生する〉

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