パリ同時多発テロを利用する安倍政権の危険な策謀(前編)

自民党が持ち出した「共謀罪」の危険すぎる中身! テロ対策は嘘、トイレ落書き計画リツイートするだけで逮捕も

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 総合すると、共謀罪は、その範囲の広さや曖昧さから、国家権力による恣意的な運用を招き、人々の思想や言論、表現の自由を脅かす恐れがあるデタラメな代物なのである。こんなものを決して認めるわけにはいかないだろう。

 だが一方で、今回自民党が共謀罪の新設の必要性を説く一番の理由は“テロ対策”だった。国際テロの防止と、実行されていない万引きや落書きの取り締まりがどう接続するのか理解に苦しむが、その理屈はこうだ。

 国連は00年、各国共通の処罰法整備を目的とする「国際組織犯罪防止条約」を採択し、03年に発行した。日本は、現在にいたるまでこれを批准していないが、法務省は、そのためには国内法で共謀罪をつくらねばならないと主張(外務省HP「組織的な犯罪の共謀罪に関するQ&A」より)しており、冒頭の高村副総裁の発言はこれを指している。

 しかし、これはまったくの詭弁と言わざるをえない。山下弁護士は「たしかにこの条約自体は国連加盟国のほとんどが批准しているものです」と前置きしつつ、こう解説する。

「ですが、国際組織犯罪防止条約自体はもともと本来テロ対策のための条約ではありませんでした。これはマフィアや日本でいう暴力団など、経済的な利益の獲得を目的とする組織犯罪に対応するためにつくられたものです。アメリカの同時多発テロが2001年におこりましたが、条約はその一年前の2000年12月に署名されています。つまり、9.11の前。アメリカは“実はこの条約は組織犯罪のための条約だけれども、実はテロ対策のためのものでもある”と条約を読み替えていますが、本来、これは“テロ対策”のための条約ではないです」

 安倍政権もこのアメリカの考えを踏襲し、その上で共謀罪の国内法が必要だと主張しているのだ。第一次政権下での修正案の提出についてはすでに述べたが、他にも13年に成立した特定秘密保護法のなかには秘密漏洩に関する共謀罪が組み込まれており、その直後にも一般的な共謀罪の成立を目指す声が自民党内から噴出していた。以降、国会ごとに法案提出の議論が続いているが──。

「テロ対策は、ほとんどの国際条約を批准し、日本はそれに対して法律もつくっています。国際組織犯罪防止条約について批准していないから、合わせてテロ対策と言えば共謀罪をつくることができるであろうという考え方だと思います。もうひとつの問題もあります。本当に、先に述べた700近くの共謀罪をつくらなければ条約を批准できないのか。実は、世界的にはそんなことをやっている国はどこにもない。日本はあきらかに“外圧”を利用して法律をつくるために、ここまで批准に時間がかかってしまっているということ。批准しようと思えば、いまでもできるはずなんです」(山下弁護士)

 つまるところ、自民党は条約を曲解し“テロ対策”と喧伝するが、それはまさに名目で、本丸は共謀罪の新設そのものなのだ。

 パリ同時多発テロを利用し、極めて危険な法律をつくりだそうとする安倍政権。その目的は、監視社会の構築と憲法の破壊にある。共謀罪はそのパズルのピースのひとつだ。次回も、さらにこの問題を追及していきたい。
(梶田陽介)

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