「週刊文春」からAKBスキャンダルが消える? 編集長休養は「春画」だけが原因だけではなかった

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 文化的、学術的にも評価される春画を掲載したからといって、読者や執筆作家の信頼を落とすとは到底思えない不可解なものだが、実際、松井社長の発言を受け、春画を掲載したグラビア班デスクから「読者や作家からクレームなど、春画を問題視する声はあったのでしょうか」との質問が飛んだという。だが松井社長はこれに直接答えず、「問題だという意見はOBから直接聞きました」とした上で、今回の処置は松井社長個人の判断だと強調している。

 春画を掲載したことで、読者や作家の信頼を落とした。だから3カ月間の休養──前代未聞の事態に対し、こんな説明をされても誰もが納得しないのは当然のことだろう。

 実際、出版関係者の間では直後から様々な憶測が広がっていた。

「新谷編集長は官邸とあまりに親密なため、安倍政権寄りの記事を経営陣が問題視したための処置」
「あまりにもイケイケ路線を危惧した上層部は今年6月の人事で新谷編集長を交代させたかった。しかし通常4年間という任期に満たないことや部数好調で断念した。それでも新谷降ろしのチャンスをうかがっていた」
「『週刊文春』はこれまで見城(徹・幻冬舎)社長の批判を何度か掲載し、特に元少年A『絶歌』問題では大特集を組んで批判した。しかし見城社長と昵懇の文春幹部が、新谷降ろしを画策した」

 これらはいずれも憶測の類だが、しかし「創」には、今回の休養事件につながった可能性のある興味深い情報が記されていた。それは経営陣が新谷編集長の編集方針、特にAKB48スキャンダルを問題視していたということだ。

「新谷政権になって、名前も聞いたことのないようなAKBメンバーのスキャンダルまで扱うようになった。そんなくだらない記事は『週刊文春』が扱うべきニュースではないという考える(ママ)年輩OBが多いのです」(「創」より)

 名前も聞いたことがないのは年輩OBの勉強不足であり、今や国民的グループとなったAKBのスキャンダルを“くだらない”などと批判するのは、いかにも文春OBらしい物言いだ。

 しかし、OBだけでなく、上層部がAKBの記事を問題視しているという情報はたしかに少し前から流れていた。

「少し前から、AKBの記事をやるたびに上層部からクレームをつけられるようになっていましたね。『部数につながらないのに、高い金をかけて張り込んだりしてまでやることか』と。しかも、その圧力が、最近、さらに高まったとも聞いていましたが……」(「週刊文春」関係者)

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週刊文春 2015年11月19日号

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