山口組分裂で大忙し! ヤクザ専門ライターが送る壮絶な日常とは? ひっきりなしの電話攻勢、家族旅行への同伴…

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 このようにヤクザを取り巻く環境は激変しているわけだが、鈴木氏はそれとはまた別に、ヤクザを扱うメディアの態度が変わってしまったことも嘆く。

〈俺の暴力団取材も、ぼちぼちこれまでのスタイルを変えなければならない。いまの実話誌は、完全に暴力団の支配下に置かれてしまったからだ。御用記者に徹する限り、義理場の表層的な取材は出来ても、その見返りが求められる。たとえば警察に直参が逮捕され、新聞で報道されていながら、それすら報道する自由さえ失われる。昔からヤクザにとって都合のいい部分だけ記事に書き、その反対の記事を避ける傾向は強かったが、もはや完全な広報誌になってしまった感がある。この村にいる限り、言い方を変えれば暴力団の言いなりになっている限り、もはや一種の企業舎弟と判断して差し支えない〉

 さらに、鈴木氏はこんな驚きの事実まで暴露する。

〈週刊誌でヤクザ記事を載せている週刊大衆、アサヒ芸能、週刊実話なんかは、山口組に記者の自宅住所まで提出し、つまり山口組の不利益になることは書きませんと宣言して、年末の餅つき等に入れてもらってる〉

 先ほど、旧知のヤクザから「てめぇ殺すぞ!」と凄まれたエピソードをご紹介したが、それはハッタリでも何でもない。ヤクザ専門ライターは時には命の危険さえ伴いかねないことを覚悟しながら取材を続けているのだ。

〈自身、御用記者から抜け出したいとあがいてきたことは事実だが、今以上にそうしたいと願うなら、よほど腹を据えなければならぬ。暴力団のすべてから取材拒否をされるかもしれないし、恫喝はいま以上に厳しくなるだろう。極端に言えば、暴力が行使される覚悟もいる。問題は家族だ。暴力団が家族を襲撃しない、などというのは完全な幻想である〉

 鈴木氏はなぜそこまでしてヤクザを相手に仕事をするのだろうか。最後にその核心を語った文章を引いて本稿を閉じたい。

〈美辞麗句で飾っても、ヤクザ記事が堅いコンテンツとして存在しているのは、生の殺し合いを安全地帯から観覧して喜ぶ人間の醜悪さに根ざしている。俺はその実況・解説者の1人で、それで飯を食っているのだからまともではない。事実、伝えたいより、観たいが強い。なるべく近くで。細部まで。
 これだけは確実にいえる。地獄に堕ちるのは、間違いなく俺だ〉
(井川健二)

最終更新:2016.08.05 06:24

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